小池 ひろのり議員が質問(決算審査・企画県民部②)を実施

 

決算特別委員会 [ 10月12日(金)企画県民部②・小池議員 ]

1 県立大学への環境防災学部・学科の設立について

私は、阪神・淡路大震災後、一貫して県立大学における防災教育の必要性を訴えて来ました。そして、東日本大震災が起こる直前には、「まだ言ってる!」と評価されるまでに至りました。しかし、今では全く異論がなくなり、堂々と防災教育を取り上げたいと思います。
 昨年4月から県立大学では、防災教育がユニット制で取り入れられ、全学生が履修出来るようになりました。8月には、HAT神戸に防災教育センターが誕生し、兵庫の防災教育が一歩前進したと思っています。関係者のご尽力に対し改めて敬意を表します。
 しかしながら、さらに兵庫県は、阪神・淡路大震災の被災県として、防災教育に関して日本のトップリーダーとしての役割を果たしていって欲しいと切に願うものです。そして、災害の教訓を生かしていくことが、社会からの期待に応えることになり、被災県としての責務を果たすことにつながると信じています。
 さらに、防災教育を推進していくにあたっては、公立大学である県立大学が、① 人材育成 ②情報発信 ③研究機関としての役割を担い、その拠点として全国に先駆けた取り組みを進めていって欲しいと願っています。
 県立舞子高校の環境防災科では、今夏、防災教育の一環として全県の高校生を対象に、ジュニアリーダー約70名を集め、1泊2日の防災教育の勉強会を行いました。同校では、防災教育を生徒の“生きる力”を育てる可能性を秘めた教育として位置付けています。知識を単に吸収するだけではなく、学んだ知識や技術を使う場として捉えています。知識として留まるのではなく、将来的に“やる気・夢を持った”学生を育て、実践に結び付けることを目指しています。
まさに学問は、社会のニーズに応え生かされなければならないという、大変重要な観点から防災教育を推進しています。「防災教育が、これまでの教育を変えていくのだ」という強い決意が見受けられます。限られた予算の中で、県下唯一の環境防災科がある舞子高校が率先して、県立高校の防災教育のリーダーシップを発揮していることを大いに評価したいと思います。
さらに、神戸の中学校でも「つながろう仙台・神戸プロジェクト」を立ち上げ、仙台の中学生を招き、一緒に防災や復興支援を考える生徒会会議を取り組んでいます。
また、東日本大震災での“釜石の奇跡”については、皆さんもよくご存じのことと思います。小学校での日頃の防災訓練が生かされ、生徒のみならず多くの家族や地域の方々の命をも救った、まさに実践教育が生きた事例です。
このような中学や高校においての防災教育の積極的な取り組みや考え方を、さらに県立大学で推進・発展させ、安心・安全な社会の実現に向けて反映させていってもらいたいと提案します。知識を実践に結び付け、社会に貢献させていくことが大切なことだと考えます。
「備えあれば憂いなし」、安心・安全なまちづくりという観点からも、是非、兵庫県が率先して行動に結びつけた防災教育に取り組んでいただきたいと願うものです。
そのために、県立大学に環境防災学部・学科の設立は不可避です。既存の学部で、全国のリーダーシップを発揮するのは、なかなか難しいことですが、環境防災学部なら出来ます。特色を持つ大学として、全県の大学、全国の大学、さらには世界の大学の防災教育の要になって頂きたいと思います。
そこで、震災の教訓を生かし、近い将来かなり高い確率で発生すると言われている東南海・南海地震等の自然災害に備える意味も含め、再度、環境防災学部・学科の設立を強く求めますが、当局のお考えをお聞かせください。

2 人と防災未来センターの県立大学への編入について

10年前、HAT神戸に、人と防災未来センターが防災・減災の世界的拠点となることを目的に創設されました。さらに、先ほど質問でも触れましたが、昨年8月同センター内に、兵庫県立大学防災教育センターが、防災教育の拠点として設立されました。近隣には、ひょうご震災記念21世紀研究機構のほか、国際防災復興協力機構やアジア防災センターなど、国内外の防災関係機関が集積しており、防災に関して、研究メッカと情報発信の拠点として既に定着しているところです。
そこで、さらに防災に関する研究と実践を結び付け、相乗的な効果を発揮するためにも、人と防災未来センターを県立大学の附置機関にすることを提案します。先ほど例に出しました舞子高校の例に見られるように、知識を行動に結びつけることで社会に貢献していくためにも、人と防災未来センターを県立大学の附置研究所として位置付けるべきと考えます。そして、我が国の防災研究の中核的研究拠点の最前線として、高い研究水準を維持すると共に、実践に生かすことができるように体制整備をしていくべきと考えますが、当局の基本的な考え方についてお伺いいたします。

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