12年12月定例会提出意見書案

・医療通訳の制度化等を求める意見書(案)

・エレベーター保護装置の設置義務化等を求める意見書(案)

●医療通訳の制度化等を求める意見書(案)

 我が国における昨年末の外国人登録者数は総人口の約1.6パーセントに当たる約208万人に上り、定住化による外国人住民の高齢化、慢性疾患等により国内の医療機関において外国人が医療を必要とする機会は増加している。
 さらには、医療ツーリズムの進展や、外国人住民制度の開始に伴い国民健康保険の適用を受ける外国人が増加することなどにより、国内の医療機関における外国人の受診機会は今後ますます増加し、医療現場における言語問題の深刻化やそれに伴う受診抑制が懸念される。
 しかしながら、医療現場においては、既往症や手術、治療方針の説明など日常会話程度の語学力では対応しきれない場面が多いにもかかわらず、家族やボランティア通訳者もしくは患者自身の日本語能力に頼っているのが現状であり、その多くが助け合いや善意の上で成り立っている。
 このような状況に対応すべく、全国各地の医療機関や地域の国際交流協会等において、診療等に係る当事者双方の言葉を正確に伝達し、円滑なコミュニケーションを図る医療通訳の養成、派遣事業や語学講座等が実施されているところであるが、いまだ量・質ともに十分と言えるものではない。
 よって、国におかれては、国籍に関係なく、誰もが安心して医療を受けることができるよう、医療通訳の制度化等を進めるため、下記の措置を講じられるよう強く要望する。

 1 一定の資質、技術を備えた医療通訳者を認定・登録する制度を創設すること。
 2 医療通訳の派遣に係る経費を公的医療保険の対象とすること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

●エレベーター保護装置の設置義務化等を求める意見書(案)

 本年10月、金沢市のホテルで清掃会社の従業員がエレベーターに挟まれて死亡するという痛ましい事故が発生した。今回事故を起こしたエレベーターには、平成18年6月に東京都港区の集合住宅で男子高校生が事故死したエレベーターと同型のブレーキ、制御盤、巻き上げ機が使用されていたとのことである。
平成18年の事故を受けて、平成21年9月以降に新設されるエレベーターについては、建築基準法により保護装置の設置が義務付けられたが、それ以前に設置された全国約65万基のエレベーターについては設置義務の対象外とされた。今年度から、これら既設のものに係る保護装置の設置について、既設昇降機安全確保緊急促進事業により補助されることとなったが、適用条件が厳しく設置費用が高額であることと相まってなかなか設置が進まない状況にある。
 今後ますます高齢化が進む中、エレベーターは国民の日常生活に欠くことのできない設備であり早急な安全対策が求められる。
 よって、国におかれては、国民が安心して暮らせるよう、エレベーターの安全を確保するため下記の措置を講じられるよう強く要望する。

 1 全てのエレベーターについて、その設置者に保護装置の設置を義務づけること。
 2 保護装置の設置費用に対する助成範囲を拡充すること。
 3 これまでの事故原因の究明及び情報開示に努めるとともに、実効ある再発防止策を策定し、徹底すること。

 以上、地方自治法第99 条の規定により意見書を提出する。

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