大塚たかひろ議員が質問(予算審査・農政環境部)を実施

予算特別委員会質問(農政環境部)

平成25年3月11日(月)

1 ブランド価値創造・定着事業について

⑴KOBE BEEFの海外展開について

国内においては、少子高齢化による人口減少や市場規模の縮小、海外においてはアジア周辺の新興諸国の経済成長など、さらには安倍首相はTPP交渉への参加に積極的な姿勢を示しており、県内の農林水産業への影響が懸念される。産業としての力強い農林水産業を再生するためには、本県における経済活動について国内はもとより海外展開をますます加速していく必要がある。

そんな中、本県においては、昨年7月には、香港、広東省の海外バイヤーを招いた県内産地の視察や、神戸市内での商談会の開催、8月には、世界中のバイヤーが商談を行う「香港フード・エキスポ」への神戸市・JETRO神戸との共同出展。さらに11月には、香港の百貨店で、「ひょうご農林水産フェア」を開催し、知事自らトップセールスを行うなど、県産農林水産物の輸出促進に取り組まれている。

さらに、昨年「KOBE BEEF」を香港・マカオ・アメリカへ、「兵庫県産米」を香港・オーストラリア・ドイツへそれぞれ輸出が始まった。特に「KOBE BEEF」はブランド力やおいしさから、輸出先で高い評価を得ており、問い合わせも多く寄せられていると伺っている。

本県では、来年度の予算において、ブランド価値創造・定着事業として、ひょうご農畜水産物輸出加速化事業、ひょうごの農林水産物等の輸出促進、「KOBE BEEF」「TAJIMA BEEF」の流通拡大対策、ひょうご五国のめぐみ首都圏プロモーションなどの新規事業に取り組まれるとのことである。

そこで、「KOBE BEEF」の海外での販売について、来年度、県としてどのような支援を行うのか。また、今後の展開についても併せて伺う。

 

⑵ひょうごブランドの認識と販売促進戦略について

KOBE BEEFは以前から国内外での知名度は高かったが、お米、お酒などの数種を除いたそれ以外の県産品に関してはまだまだ、認知度が低いのが現状である。

認知度が高いブランドの力も借りてひょうごブランド全体の価値を高めていく取り組みが必要であろうし、国内、海外における販促活動の内容の違いやそれぞれのブランドの価値に合わせた販促活動のあり方というものもあると考える。

そこで、ひょうごブランドというものの価値を県としてどう認識し、ひょうごブランドを売り込むためにどのような戦略をもって取り組んでいるのか伺う。

 

 

 

2 インキュベーター事業について

そのようなひょうごブランド価値創造・定着事業を担って行くべき人材も高齢化が進み、若者や他業種からの新規就農者の育成・確保も急務である。

平成21年度の予算委員会で、農業分野の参入へ意欲を持った企業などを企業誘致という意識で、制度的に支援する施策が必要であり、参入を誘導する新規就農インキュベーター事業への取り組みについて質問させてもらったが、

「就農支援センターが、参入企業に技術や営農計画の策定の指導を行い、農業経営安定を支援する。雇用就農者には参入企業が育成し、事業の終了後も継続雇用を要請するほか、他の農業法人等の紹介に努める。独立をめざす場合には、農地や資金などの経営基盤の確保や、技術や経営力の向上等、総合的に指導・支援する。

まずは、今後の本県農業の発展に資すると見込まれ、かつ継続的な雇用が見込まれる企画を企業や農業法人等から募集し、概ね4経営体を採択し、年間14人、3年間で計42人の雇用創出、さらにはこれら全員の将来的な独立就農を目標とする」と答弁された。

今年度、インキュベーター事業は、緊急雇用創出基金で継続した事業となっているが、その企業による雇用の状況など、これまでの取り組みの中で効果をどのように捉え、今後推進していくのか伺う。

 

 

3 シカ被害対策

昨年3月に策定された、県の第4 期シカ保護管理計画によると、「シカは、県内の本州部から淡路地域にかけて広く分布し、平成22年11月時点で推定生息数は約15万頭。捕獲数の拡大にもかかわらず依然として横ばいで、顕著な減少傾向は示していない。また、農業被害は、平成22 年度で、野生鳥獣全体の被害金額約9億7千万円のうち、シカによるものが最多の約4億7千万円で、全体の48%を占めている。狩猟免許所持者数は、昭和59 年には1万人近くであったものが年々減少し、近年は約6,000 人で推移している。」と報告されている。

また、シカが増えるにしたがって森林被害として中層以下の樹木の下枝や地表の植物が食害され、下層植生が衰退し、むき出しになった表土が流出するなどの事態や、シカが自動車や列車と衝突する等の事故や、人家の庭木を食害するなどの生活被害も懸念される。

シカ捕獲数は平成21年度20,000頭、平成22年度には30,000頭、25年度には35,000頭と徐々に目標が上方修正されていますが、それはどういった検証がなされたことによるものなのでしょうか?

平成25年度、シカの捕獲対策として3万5,000頭の捕獲や、分布拡大地域でのシカ、イノシシなどの生息調査、集落へのわな捕獲指導など「ストップ・ザ・獣害」、シカ肉の有効活用として、シカ肉処理加工施設の整備、狩猟者の後継者対策として狩猟技能向上促進対策の拡充、「ハンター養成出前講座」などの新規事業が予算化されている。

これまでの取り組みの評価とそれを受けて今年の予算は新規事業の効果をどのように捉え予算化されたのか伺う。

 

 

4 シカ肉の有効活用について

当初はシカの捕獲は農林業被害防止対策として始まったわけだが、捕獲後、食材としてのシカ肉をどう有効活用していくのかという課題に取り組むことは、ひいてはシカの捕獲を進めることともなる。

シカ肉は食用として使える比重が約3割と少なく、結果的に効率が悪く単価が高くなってしまう。また、臭みのない肉を確保するため、素早く血抜きすることが重要で、解体処理する際は、捕獲から血を抜いた後、2時間以内に解体処理しなくてはならないといわれていること、など理解はしています。

しかしながら、シカ肉は、取り扱うことによって地産地消を推進し、地域の人の地場産業となるような施策を打ち出すことができる。鳥獣被害対策に関しては、シカ肉の有効活用だけでなく、シカの全部位の有効活用、猟師の確保も必要なのはもちろんだが、一番県民に広く伝えるためにはシカ肉を食するという象徴的なことでリーデングしていくことが重要で、そのためには、阪神間の飲食店を巻き込んでいくことが必要だ。

捕獲したシカ肉の有効活用として「ジビエ」としての需要拡大を図るため、現在「シカ肉活用ガイドライン」の普及、イベント等でのシカ肉料理の試食会、レシピ提供など取り組んでおられると思うが、さらにブランドとして推進していく必要があると考える。

既に県が定めたシカ肉の食肉処理に関する指針に基づき処理されたシカ肉に与えられる県のブランド「ひょうご推奨ブランド」に県内で2件認定されている。認定を受けたシカ肉であれば、ブランド戦略として位置づけ、販売等の促進を図っていくことができる。

シカを捕獲することだけに終わらず産業化していくことが、ひいてはそのことにかかわる人たちに、ある意味恩恵がかえってくるような仕組みを構築することが必要ではないか。また、猟師の後継者確保にもつながっていくような取り組みにしていかなくてはならないと考えるが所見を伺う。

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