栗山雅史議員が質問(予算審査・財政状況)を実施

予算特別委員会質問(教育委員会)

平成25年3月5日(火)

1 県民に対する予算案の説明と広報について

2月18日に平成25年度の予算案が提示され、翌19日には新聞各紙でこの予算案についての報道がなされました。神戸新聞を中心として、各紙は「過去最大の県債残高4兆6,680億円」と報道しましたが、県民はこの記事を読んでどのように感じたでしょうか。

「過去最大の県債残高」と言っても、実際には臨時財政対策債や減収補填債など、後年度に交付税措置される、実質的な借金ではないものもありますが、県民からすれば、借金の性質についてのそのような難しいことはわからないのではないでしょうか。県債残高の状況を丁寧にお伝えすることはもちろん、今後の見通しを共有することが重要ではないかと考えています。

まず、はじめに、県民に対してわかりやすく、また不安や心配を煽らないような予算案の公表や、県民への丁寧な説明の必要性について、どのようにお考えか、お尋ねします。

 

 

2 適正な県債残高について

続きまして、適正な県債残高とはどの程度だと考えるのか、についてお尋ねします。

本県は人口減少に転じています。同時に労働者人口も減少していく恐れがありますし、県内GDPの低下、県民の所得の低下など、今後の本県歳入に関わる不安な要素を抱えています。それにも関わらず、県債残高は増加の一途であります。今年度の予算編成を見ても、前年度に比して県債残高が約2,327億円増加し、4兆6,680億円の県債残高となるとされています。臨時財政対策債や減収補填債、及び緊急防災・減災事業債を除いた残高でみても、前年度に比べて823億円増加し、3兆2,639億円となる見通しとなっています。

平成30年度までの財政フレームによりますと、県債残高は平成28年度まで増え続け、その後も4兆円を超える高い水準で推移する見通しであります。これは、「県債残高は減っていかない、減らしていけない」という状況を示しているのではないでしょうか。実質公債費比率や将来負担比率等の財政目標は達成していく予定とのことですが、私は将来世代に多くのツケを残すことに対して、大変不安を感じています。

本県の今後の進みゆく人口減少、経済状況、県民所得の変化などに応じて、私は県債残高のダウンサイジングへの転換を進めていかなければならないと考えますが、今後の県債残高のハンドリングについて、どのようにお考えでしょうか。また、本県の実力に応じた県債の許容限度をどれぐらいと考えているのか、お聞きします。

また、財政フレームでは、県税等を経済成長率に合わせて伸ばす見込みとなっていますが、県税等の収入と県債償還額の望ましい比率をどうお考えか、併せてお伺いしたいと思います。

 

 

3 収支不足額の発生について

続きまして、収支不足額について質問します。

一般財源総額が抑制されている中で、県民のニーズに応えるためにやむを得ず、収支不足額が発生していると理解はしていますが、県民にとっては収支不足が発生している状態については、健全な予算編成かと疑問を抱くのは当然だろうと思います。予算編成方針等では、たびたび「選択と集中」という言葉を用いていますが、収支不足が出ている予算編成を見ると、この「選択」が徹底されていないのではないか、言い方を変えると「まだ選択し過ぎ」ではないかと感じます。予算編成とはこういうもので良いのでしょうか。事務事業の見直しによって、平成24年度の2,205事業から、平成25年度は2,094事業へと、前年度比で111事業を削減されてきていますが、それにも関わらず収支不足が出ていることは残念な気がします。改めて、収支不足額が発生した背景についてご説明願いたいと思います。

 

 

4 選択と集中について

引き続いて、いま取り上げました「選択と集中」について質問します。

平成25年度の予算編成方針では、行財政全般にわたる改革の推進として、一つに「事業水準の適正化、給付と負担との適正化、市町・民間との役割分担の明確化等の観点からの事務事業の見直し」、二つに「事務事業の廃止・縮小、整理、外郭団体への派遣職員の見直し等による定員削減等に留意」して、「選択と集中」による施策の重点化を図るとしています。この「選択と集中」について、具体的にどのような取組をしたのか、例を挙げてご説明いただければと思います。

 

 

5 県議会や各種団体からの要望について

続きまして、県議会や各種団体からの要望に、どのように対応するのかについて質問します。

県民の代表であります県議会から本会議や委員会での質問・要望、また各会派からの予算申し入れなど、各部局に対する予算要求があります。それだけでなく、市町、各種団体からもさまざまな形で予算要求されるだろうと思います。すべてを採択していては当然財源が足りないわけでありますが、それらの要望に対する「選択」の基本的な考え方や方針について、当局の所見を伺いたいと思います。

 

 

6 行革後の財政運営について

続きまして、行革後の財政運営について質問します。

行革の中で、一般事業費は毎年度削減されており、平成25年度予算においても前年度比で23億7千万円の削減を予定されております。もう5年になるこの行革で、事務費や施設維持費の削減について、「もう限界だ!」という悲鳴にも似たような声が各地から私のところに届いております。行政サービスの最前線である地方機関や県立施設は、人員削減、事務費削減等でこれまでのサービス水準を維持することが困難になってきているのはないでしょうか。来年度からは電気代もアップするような話も出ているところです。

人員削減は平成30年度までの目標が決定されていますが、一般事業費については、平成25年度に策定される第3次行革プランでも引き続き削減される見通しなのでしょうか。それを前提とした財政フレームとなっているのか、当局の所見をお伺いしたいと思います。

また、平成25年度は行革の中間年でありますが、この行革プランを達成した先に明るい未来があるのか、質問します。

 

 

7 中長期にわたる施策の財源について

続きまして、中長期にわたる施策の財源について質問します。

私は現在、建設常任委員会に所属しています。21世紀兵庫長期ビジョンに基づく「津波防災インフラ整備5カ年計画」や、「ひょうごインフラ・メンテナンス10カ年計画」、「山地防災・土砂災害対策緊急5カ年計画」、「地域総合治水推進計画」など複数年にわたる事業計画に触れる度に、いつも「財源は大丈夫なのだろうか」と心配をしています。

平成25年度の投資フレームでは補助・直轄事業費と県単独事業費を合わせて1,665億円となっており、平成26年度から平成30年度までの投資フレームは毎年度1,543億円と少し枠を減らされています。今後も何かの理由で投資フレームの見直しが行われるかもしれません。

社会基盤整備は中長期的な視点で事業実施していく必要があります。社会基盤整備というと新規公共事業をイメージしがちでありますが、今ではご承知のように施設維持のための老朽化対策など「メンテナンス」に事業がシフトしてきています。これこそ削減困難な経費ではないかと考えられます。しかし、予算は単年度であります。複数年を保証するものではありません。毎年毎年の予算編成時において、計画通りに財源を確保できるように建設当局も努力するのでしょうが、やはり将来を保証されないことについては不安を拭えないのではないでしょうか。

そこで、ビジョンや計画の達成のための、中長期にわたる事業財源について、どのように考えているか、お聞きします。

また一方、複数年の中長期的な計画の財源を保証するということは、固定的な予算額の増加に繋がり、投資的経費抑制の中、財政の弾力性が心配になってきます。財政当局としては悩ましい問題だと思いますが、中長期的な予算確保による計画的な事業実施の一方で、新たに発生する行政課題に対応できる財政の弾力性についての当局の見解についても伺いたいと思います。

 

 

8 予算節約インセンティブ制度について

続きまして、予算節約インセンティブ制度について質問します。

予算執行の工夫や改善によります節約額の全額を予算要求枠に加算する「予算節約インセンティブ制度」ですが、シーリングで削減が続く中、各部局にとっては貴重な予算であろうと認識しています。アメとムチではないでしょうが、今後、一般事業費の増額が期待出来ない中で、この制度に活路を求めて一層予算の使い方に工夫されることを期待しますが、これまでにどのような取組みがあったのかを含めて、当局の所見を伺いたいと思います。

 

 

9 各種基金の運用手法と運用収入額について<当局ヒアリング>

続きまして各種基金の運用手法と運用収入額について質問します。

兵庫県の各種基金の残高がここ数年で大きく伸びています。その要因には国の財政出動による基金の積み増しや、借換債の平準化対策などによるものだと認識していますが、今ではその基金の合計が5,700億円を超えてきています。今すぐ使うわけではないこの基金の残高が大きくなってきていることで、今まさにその基金の運用は重要度が増してきているのではないかと、私は注目をしています。

まず、基金の運用方針についてお聞きしたいと思います。安全性を確保しつつ、有利な運用に努めることが前提だと思いますが、短期、長期のバランス、リスクのとり方などはどうなっているでしょうか。

次に、運用利子額の状況です。運用できる基金の額が増加しているにも拘わらず、運用利子額はここ3年で見たときに減少しています。平成21年度で約20億円、平成22年度で約16億円、平成23年で約14億円となっています。大幅な減少と言えます。この要因は一体何なのか。運用は上手くいったと言えるのかお聞かせください。

また、具体的な運用として国債、地方債の購入、金融機関への預託、現先運用などが中心だと聞いておりますが、運用方針で許されている外国債券の購入はあまり取組まれていないようです。その点についてのお考えをいただくとともに、今年度の資金運用方針について併せてお伺いしたいと思います。

 

 

10 個人県民税の税収確保に向けた取組について

最後に、最大の税目である個人県民税の税収確保について質問をさせていただきます。

個人住民税等の税収確保については、整理回収チームの方で相当努力されてきていると聞き及んでいます。国から地方への税源移譲が行われ、個人住民税の地方税に占める割合が一層高くなってきている中ですから、その重要度が増しています。平成23年度の個人県民税をみると、県税収入の35.7%を占めるまでになっており、一方、収入未済額の72.3%を占めるまでに増加しています。

徴収率アップを果たすには、この個人県民税を如何に徴収していくかが大きな課題であります。しかし、個人県民税は市町が個人市町民税と併せて賦課徴収することになっているため、県だけの徴収対策では収入確保が図れるものではありません。市町の徴収能力に大きく影響されます。

そこで、県では平成19年度から税務課に個人住民税特別対策官を設置し、整理回収チームを市町へ派遣し、また県・市町共同徴収対策などを行って、市町の徴収技能を向上させるための支援を行っています。この整理回収チームのこれまでの取組として、滞納整理状況の推移等、その成果についてお聞きしたいと思います。

また、市町ごとに徴収率の良い悪いがあろうかと思いますが、徴収率の悪い市町に対しては、特にどのような改善策をとっておられるのか、ご所見をお伺いしたいと思います。

 

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