前田ともき議員が質問(予算審査・産業労働部)を実施

予算特別委員会質問(産業労働部)

平成25年3月8日(金)

観光振興

 世界の観光産業は成長を続けています。世界全体の観光産業はGDPの9%、雇用の9%、国際旅行者数は2011年の9.8億人から2020年には15.6億人を予想。

その中でアジアは、2000年で約1.1億人の国際旅行者が、2011年で約2.1億人、2020年には4.2億人と大幅な増加が見込まれている。

一方で、LCCで移動コストが激減した結果、競合は国内都市だけでなく、海外の都市も競合として認識していかなければならないが、兵庫県に国際競争力のある観光資源は少ないのではと、危惧しています。

そこで、今回は強化すべき観光資源として、大型クルーズ船の誘致とコンテンツツーリズムの拡大、ゴルフ振興について質問致します。

1 大型クルーズ船誘致

クルーズ人口は1998年の845万人から、2012年は2030万人と急成長しており、観光産業の中で、最も成長が早い分野の1つとされています。

古いイメージのあった船旅は、10万トン以上の大型化による娯楽施設の充実と1泊100ドル~という低価格化により、イメージを刷新して、ファミリー層を開拓、大きく成長している。

従来の日本のクルーズ市場の動向は市場規模も小さく、横ばい状況であった。しかし、上述のイノベーションと高齢化に伴う趣向の変化、アジア市場の拡大によりクルーズ市場は成長すると考えられる。事実、日本に本格参入したプリンセスクルーズ社は2014年の国内目標を13年比5.5倍の10万人としている。

寄港地選定には、下船してから40分~1時間半で行ける範囲にどのような観光資源があるかがポイントとされ、更に乗客アンケートでは寄港地に求めるものとして、市街地までの良好なアクセスと入港時の美しい景観の港が1位・2位を占め、神戸港は寄港地として有利なポジションだといえる。

しかし、全国クルーズ活性化協議会やアジアクルーズターミナル協議会など国内及びアジア各国で誘致強化の動きがみられる中、港湾設置者である神戸市単独で活性化を図るのではなく、兵庫県も主体的に協調していく必要性がある。

(1)神戸市と一体となった誘致活動に取り組むべきと考えるがどうか。

2 コンテンツツーリズムの強化と規制緩和

昨年の本会議で、コンテンツツーリズムの強化について提言を行った。

あれから、1年が経過し、平清盛の低迷と黒田官兵衛の大河ドラマ決定と一喜一憂する状況が続いた。ここで申し上げたいのは、コンテンツは得てして当たるも八卦ということで、特定のコンテンツに期待を集中させるのではなく、幅広いコンテンツを呼び込む仕組み作りが重要だということだ。

コンテンツツーリズムの可能性は今後更に膨らむと考える。政府は、平成24年度補正予算で、映像コンテンツのローカライズコスト事業で新規123億円が計上された。つまり、国内コンテンツの誘致は国内観光客に加えて、コンテンツの海外輸出の促進により、インバウンドにも資する蓋然性が高まっており、更なる費用対効果の向上が期待できる。

しかしながら、現状はロケ誘致に対する補助制度の貧弱さと日本ほど映画撮影が困難な国はないと言われるほど様々な法規制が指摘されている。

札幌市によるコンテンツ特区の承認や秋田県によるロケ支援金制度など競合の都道府県では前向きなチャレンジがある中で、兵庫県のこの一年間の動きは停滞していると言わざるを得ない。

(1)コンテンツツーリズムの強化策について、県の取り組みについて伺いたい。

3 ゴルフツーリズム 

昨年の本会議ではスポーツツーリズム振興の観点からスポーツコミッションを提案した。

バブル時代の乱開発や会員権問題などで、あまり積極的な振興策が自治体として取りづらかった感もあるゴルフであるが、今回はゴルフを新しい視点で見直したい。

ゴルフは競技人口が830万人、市場規模は2兆円を超える国内スポーツで最大の産業ですが、国内市場は縮小傾向である。

一方で、世界のゴルフ人口は5900万人であり、5~10%はゴルフ目的で海外旅行していると言われています。

また、アジア地域は所得拡大とともにゴルフプレー人口が急拡大しています。中国はゴルフ人口200万人が2020年には2000万人と予想され、韓国もゴルフ目的の海外旅行者は約100万人から今後2倍程度まで拡大すると予想されている。

日本はゴルフ場数で世界2位、更にこの兵庫県はゴルフ場数で国内2位。市街地アクセスも良好、神戸ビーフや日本酒などの食材資源や城崎や有馬温泉などゴルフに加えたコンビネーションの強みも有している。また、ゴルフ場利用税は約43億円と貴重な財源であり、18ホールあたり約20人を雇用するなど地域の財政や雇用にも好影響を与えています。

(1)ゴルフツーリズムを推進すべきと考えるが、ご所見を伺う。

(2)北海道ゴルフ協会を視察した際に、アジアゴルフツーリズムコンベンションの開催候補地として日本の可能性があると聞き、国際ゴルフツアーオペレーターのピーター会長とお会いした。MICEという観点、ゴルフツーリズムの振興、ファムトリップという様々な観点から効果が期待できるので、招致すべきと考えるが、ご所見を伺う。

4 モノづくりベンチャーの創業・育成支援について

欧米は概ね開業率が10%以上と新陳代謝が続く中、日本は総務省「事業所・企業統計調査」によると、開業率は5.1%と停滞している。更に、業種別でみると、特に本県の主要産業でもある製造業は2.9%と情報通信業の15.6%や飲食・宿泊業7%、小売業4.8%と比較すると著しく低い現状があり、ボトルネックの一つには高額な設備投資や技術開発の問題がある。

私自身、投資ファンドの勤務時にいろんな業種のベンチャー企業を審査し、出資してきたが、製造業はやはり設備投資が重たい業種なので、創薬系バイオベンチャーと並び、投資しづらい業種であった。

しかし、この製造業について、CNCやレーザーカッター、3Dスキャナーや3Dプリンターなどの技術革新や低価格化、ITとの融合により、生産設備を持たなくても・個人でも・技術が無くても、製造業を起業できる環境が整備されつつある。オバマ大統領は3Dプリンターを全米1000の高校に配備する計画を打ち出すなど、IT革命に続く、製造業革命が起こるかもしれないと考える。

しかし、日本はモノづくりの国として、危機感を持つべきだ。日本の製造業の強みであった摺合せや金型製作といった技術はすたれ、モジュール化したパーツをどう組み合わせるかという点に今後は競争力が移る可能性もある。

(1)モノづくりベンチャーの開業と支援の取り組み方針を伺う。

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