迎山志保議員が質問(予算審査・公安委員会)を実施

第308回2月定例会 予算特別委員会質問(公安委員会)
2012年3月7日(水)

昨年県警が把握した本県内における性犯罪の被害総数は391件で、前年に比べ増加に転じた。被害者は13歳から20代の女性が約70%を占めている。
また、ストーカーやDV被害の認知件数についても高水準で推移し、この一年で県警が認知した男女間におけるもめごと事案は、昨年比で500件以上も増加と大幅に増えている。これらストーカーやDV、また性犯罪の被害者のほとんどは女性であり、その相談対応には、被害者の立場に立った配慮や理解、被害者の心に沿ったきめ細やかな対応が求められる。そこで期待が高まるのが女性警察官の登用、活躍である。
昨今、警察はパトロールや巡回連絡はもとより、地域や学校に出向いて防犯指導や交通安全指導など、直接県民と触れ合う活動も積極的に行っている。県民の声をじかに聞いて管轄する地域の実態や要望を把握し、それに応えることで、地域の警察署や警察官が、地域住民の安心の拠り所となることが求められている。このように県民、地域との密着性が重要になってくる中、女性警察官が果たすべき役割も非常に大きなものとなっていると考える。
そこで、この時代のニーズに県警としてどう対応していくのか、以下、3項目5点について質問する。

1 女性警察官について

まず最初に、「女性警察官」について、2点お伺いする。

(1) 女性警察官の採用拡大について

1点目は、「女性警察官の採用拡大」についてである。
現在、県警には約800人の女性警察官が勤務されており、この数は全体の約7%にあたると聞いている。昨年の採用状況を見てみると、短期長期を合わせ約20名の募集に対し364名が受験、倍率は実に約17倍と男性警察官のそれに比べ8ポイント以上も高く、狭き門になっており、それだけ優秀な人材が確保されていると予想される。
そもそも、警察官の職務においては犯罪の被疑者と直接対峙するなど身体的な強靭さを必要とするものが多いことや、当直室をはじめとする施設整備、また出産や育児休業に伴う代替措置などの様々な課題を解決していく必要性があることから、一朝一夕に女性警察官の採用数を大幅に増やすことは困難であるかも知れない。
しかしながら、先ほども述べたように、性犯罪等にかかる被害者支援や、女性や子どもの安全・安心を確保していく上では、男性警察官よりも女性警察官が適している場合が多いこと等を考えれば、今後の方向性として、女性警察官の採用をさらに拡大して数を増やすとともに、女性の能力と特性に応じた職域の拡大についても積極的に検討を進めるべきと考える。
そこで、ここ数年の本県における女性警察官の採用状況についてご説明いただくとともに、女性警察官への評価を含め、この点について当局のご所見を伺う。

(2) 女性警察官の育成対策について

2点目は、「女性警察官の育成対策」についてである。
警察学校はもちろん、その後の訓練の場においても女性警察官は男性と区別されることなく同様の訓練を受けられていると伺っている。そうはいっても女性警察官が取り扱うことが多い業務に対する専門性の向上や、やはりどうしても男性には劣る体力面の強化、武術の習得など、女性警察官が資質向上を図り、より活躍の場を広げるための指導育成が重要だと考える。
そこで、この点について、県警として、どのような工夫をして取り組んでおられるのか、具体的にお聞かせ願う。

2 レディースサポート交番について

質問の第2は、「レディースサポート交番」について、2点お伺いする。

(1) レディースサポート交番の効果と今後の方向性について

1点目は、「レディースサポート交番の効果と今後の方向性」についてである。
ストーカーや痴漢、DV等の犯罪被害に関する相談などを安心して行うことができることを目的に、現在、県下の21交番がレディースサポート交番に指定されている。私の地元加古川でも2か所の交番が指定されている。
ここでは、女性被害者などが警察へ相談する際の心理的なハードルを下げるため、相談しやすい環境作りに努めておられると聞いている。
そこで、現在の21のレディースサポート交番は、どのような位置的環境にある交番を指定しているのか、また設置後の効果の検証状況についてご説明いただくとともに、今後の設置拡充についてどのように考えているのかをお伺いする。

(2) レディースサポート交番の更なる周知について

2点目は、「レディースサポート交番の更なる周知」についてである。
現在、主に駅前の交番が指定されているが、その立地から鉄道警察隊と連携した取り締まりが、通常の交番機能に加えて求められる。例えば、増加する電車内での痴漢行為の被害者への、聞き取りや相談対応もレディースサポート交番の大きな役割の一つになっていると考える。これに加え、犯罪を食い止める、重大化させない、という観点から、DVやストーカーなどの相談対応もニーズが高まっていると考えるが、県下のレディースサポート交番における、現在の相談受理状況と受理後の措置について伺いたい。
また、県民の方々からすれば、困った時や犯罪被害に遭った時の相談先としては、警察署よりも身近な交番の方が敷居が低いと言える。
この点、まだまだ認知度が高いとは言えないレディースサポート交番について、より一層、県民への周知を図り、県民の方々が気軽に相談に訪れることができる、地域に開かれた交番づくりに更に取り組んでいくべきと考えるが所見を伺う。

3 児童ポルノの取り締まりと被害防止対策について

最後の質問は、「児童ポルノの取り締まりと被害防止対策」についてである。
インターネットがあまねく浸透した現在、その普及とともに犯罪の形態も大きく変化を遂げている。このインターネットが深く関わっている犯罪の一つに児童ポルノ犯罪がある。
1999年の児童買春・ポルノ禁止法成立後も被害者は増え続け、昨年一年間に全国の警察が摘発した児童ポルノ事件は前年比8.4%増の1455件で、統計を取り始めた2000年以来最多となった。ネット上にわいせつ画像を公開されるなどの被害を受けた児童は638人で、うち16%にあたる105人が小学生以下であった。
ひとたびネット上に画像が流出すれば、コピーが繰り返され拡散される。そのすべてを回収することは困難で、生涯にわたって被害を受け続けることになる。
これに対し、インターネット接続業者であるプロバイダー20数社等がネット上の児童ポルノ掲載サイトを強制的に遮断する、いわゆる『ブロッキング』に取り組んでいる。しかしこのブロッキングも未実施のプロバイダーが抜け道になったり、表現の自由の侵犯に絡む問題に発展したり、また、いたちごっこの技術進化への対応に困難を極めたりと課題は山積している。
中には小学生向けの交流サイトやゲームを入口に、小学生になりすました大人と友達になり、そこから脅迫され被害に遭うケースや、自らが被害に遭っていることすら知らない、その重要性に気づかないまま被害に巻き込まれているといったケースもあり、速やかな対策が求められている。
児童の健全育成に向けた環境作りは社会全体で取り組むべき課題であり、特に児童ポルノに関しては対策の遅れが即被害の拡大につながることから、取り締まりは徹底して行う必要があると考える。県警はサイバー犯罪対策も総合的に推し進めておられ、今後ますますニーズが高まる分野であることは自明。
そこで、県警としての児童ポルノの取り締まり状況と被害防止対策について、どのように取り組むこととされているのか伺う。

NEWS

一覧を見る