山本 千恵議員が質問(決算審査・健康福祉部)を実施

質 問 日:平成25年10月10日(木) 質 問 者:山本 千恵委員

1 EPA介護福祉士への日本語支援について

EPA介護福祉士とは、経済連携協定に基づき、外国人の介護福祉士候補者を受け入れるもので、現在では、平成20年度からインドネシアと、21年度からフィリピンの2カ国との間で受け入れ事業を実施している。

具体的には、日本の介護施設で就労・研修をしながら、日本の介護福祉士資格を目指すもので、これまでに1,091人を受け入れてきたところである。

既に、現在においても介護人材の不足は周知の事実であるが、平成27年にはベビーブーム世代が前期高齢者に到達し、その10年後の37年には高齢者人口は約3,600万人に達すると推測され、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となるいわゆる2025年問題は社会保障費の急増という面だけでなく、介護を必要とする方、認知症の方の増加に伴い介護キャパシティの絶対的な不足が懸念される。

本事業は、国庫10/10の事業であるため、県の支出を伴わないが、既に、県内においても受け入れが行われており、就労や研修などの取り組みが進められている。

経済連協定のもと、相手国との経済上の連携を強化する観点でスタートしたものではあるものの、海外人材の活用は、介護業界においても十分担い手となり得ると考える。

しかしながら、日本の介護現場で就労し、国家資格を取得することは、容易なことではなく、言葉の壁をはじめ生活習慣の違いなど乗り越えなければならない問題は多く、これまでの国家試験の全体の合格率は6~7割であるのに対して、EPA受け入れの外国人候補者の全国平均の合格率が4割程度、一方で兵庫県は3割を切る状況である。

日本語の指導を事業所任せにしていては、指導の内容にバラツキが生じ、非効率的であるし、候補者同士の励まし合いができない。

全額国庫事業であるとはいえ、県としても本事業の内容や実績を把握し、必要

な支援を講じるべきと考える。

そこで、せっかく県費を使わずに事業実施ができるのであれば、本事業の効果を上げるために、日本語能力の向上という点について、県としても支援策を検討すべきと考えるが、当局の所見について伺いたい。

(答弁①)

2 県営住宅を活用したステップハウスの活用方策について

(1)平成24年度における利用実績について

昨年9月の本会議一般質問において、県営住宅を活用したステップハウスの利用について、平成21年度以降、利用のない状況に対して、ニーズとシーズのミスマッチを指摘したところである。

当局からは、この点について、同様の機能を果たし、職員も常駐する母子生活支援施設への入所希望者が多かったことから、このステップハウスの利用がなかったとの答弁があった。

このステップハウスは、DV被害者が緊急一時保護施設を退所し、その後の家庭生活を再建するための準備施設であり、県下では県営住宅を活用して5戸用意しているものである。

このことを考えてみても、地域社会の中で地域住民とも関わりながら、より自立を促進していくためのものであって、母子生活支援施設の目的や制度導入の趣旨も違うのではないかと思う。

そこで、まずこのステップハウスの24年度の利用実績について伺いたい。また、入居促進に向けたこれまでの取り組みについて伺いたい。

(答弁②)

(2)今後の活用方策について

一時保護施設を退所したDV被害者が自立に向けて、本当に何を必要としているのか、また、一方で行政としても、地域住民と一緒に安心して暮らしていくためにはどういうサポートが必要なのかを見極めることができなければ、今後も、低利用・未利用の状況は続くであろうし、そもそも、ステップハウスとして県営住宅を5戸も確保しておく必要があるのかということにもなりかねない。

一方で、県営住宅の中には、都市部に位置してアクセスも良いところは、若い夫婦や高齢者にとっては人気であるが、抽選倍率が高くなかなか空きがないような状況にある。

これらステップハウスとして優先的に確保している県営住宅について、より効果的に活用していくために、当局としてどのような方策を考えているのか所見を伺いたい。

(答弁③)

3 民間シェルターの利用実態について

県内におけるDV相談件数は、年々増加の一途をたどっており、昨年度の相談件数は15,278件で、平成20年度の12,872件と比べると、この5年間で2,400件も増えている。

相談を受け付けている機関によって相談件数に多少の増減はあるものの、傾向としては、県関係機関における相談から市町の相談窓口に相談することが増えてきているように読み取れる。これは、地域住民の関心の高まり等を受け積極的な広報活動を実施するなど、これまでの取り組みが功を奏し、とにかく相談してみようと雰囲気ができてきているのかもしれない。

相談件数の増加とともに増えているのが、一時保護件数である。基本的には女性家庭センター一時保護所において一時保護するが、女性家庭センターが満室となった場合は、民間シェルターを含む緊急一時保護委託施設で保護を行う。

県をはじめ行政にとっても、これまで以上にDV対策にしっかりと取り組んでいく必要性を感じるところである。24年度決算では、民間の支援団体が運営する一時保護施設である民間シェルターへの緊急一時保護に関する業務委託は4団体に対して合計8,852千円となっており、平成24年度当初予算は2,815千円だったので、想定以上の一時保護が発生したことがわかる。また、過去3年間の緊急一時保護実数は、平成22年度は1,508件でうち民間シェルターが695件、平成23年度が2,384件、うち1,207件、平成24年が4,990件、うち1,719件。民間シェルターの実際の現場では、被害者やその子どもを含めて、一人一人に応じた非常にきめ細やかな対応がとられている現状を考えれば、金銭的に施設運営は非常に厳しいと言わざるを得ない状況である。

先に述べたとおり、県では、女性家庭センターの一時保護所が満室となった場合に、厳しい運営実態の民間シェルターを含む一時保護施設に依存しなければならないが、この状況について、どのように分析されているか、急激な緊急一時保護件数の増加に照らして当局の所見について伺いたい。

 

(答弁④)

 

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