◆14年6月定例会提出意見書案

粒子線治療に対する公的医療保険の早期適用を求める意見書

意見書 第77号

がんは、長年、日本人の死因の第一位を占め、生涯でがんに罹患する確率は2人に1人と推定されるなど、国民病とも呼ばれる病である。

近年、注目を集めている粒子線治療は、放射線によるがん治療の先端を行く治療法であり、特に、粒子線治療のうち重粒子線治療は、日本が世界に先駆けて実運用に成功した治療法として、日本が世界をリードする数少ない治療技術の一つである。

現在、我が国には、重粒子線と陽子線の両方で治療ができる世界初の施設である兵庫県立粒子線医療センターをはじめ、粒子線治療施設が11ヵ所存在し、世界で一番多い施設数となっている。

国は昨年6月に策定した「健康・医療戦略」において、重粒子線がん治療装置の小型化・高度化に関わる研究開発や海外展開の推進をめざすこととしており、粒子線治療のさらなる普及が期待されている。

一方で、粒子線治療は、先進医療として保険診療との併用が認められているものの、一般の保険診療と共通する部分を除き、先進医療に係る部分は全額自己負担となるため、患者の経済的負担は非常に大きく、粒子線治療の普及を妨げる要因の一つとも言われており、必要かつ適切な医療は基本的に保険診療により確保するという国民皆保険の理念を踏まえた公的医療保険適用への早期の移行が必要である。

よって、国におかれては、粒子線治療の普及を図り、がん患者の経済的負担を軽減するために、粒子線治療に対する公的医療保険が早期に適用されるよう強く要望する。

 

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

平成26年6月11日

兵庫県議会議長  石 堂 則 本

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