東日本大震災の被災地(福島第一原発周辺等)の現地調査及び各省庁大臣等との意見交換を実施

・調査概要

日  時 平成24年2月13日(月)から2月15日(水)まで
場  所 東日本大震災被災地(福島第一原発周辺・小名浜港)、各省庁
参加議員 5名(上野英一副幹事長、徳安淳子政調副会長、竹内英明、越田謙治郎、迎山志保)

1 福島第一原発周辺

防護服を着用し、東北地方整備局の案内により、国道6号線の警戒区域に指定されている区間を北から南へと走行。立入禁止区域であるため、住民誰一人として出会うことなく通過した。道路補修のために工事を行っている作業員もすべて防護服を着用し、また、すれ違う作業用車両に乗車している人も防護服を着用している光景は異様であった。第一原発付近では、測定器が特に高く鳴り続け、あらためて原発事故による放射能汚染の脅威を感じた。
その後の懇談会では、小名浜港湾事務所長ほか、いわき市の商工会議所の役員、地元の製錬会社役員の計3名の方々に出席いただき、がれき処理の問題や現地の商業復興などについて、積極的に意見交換を行った。

2 小名浜港及びいわき市役所

小名浜港湾事務所を訪問し、所長から同港湾の被害と復旧状況の説明を受けた後、所長の案内で同港を調査してまわった。

続いて、小名浜機船底曳網漁業協同組合を訪問し、漁業の現状などの説明を受けた。放射能汚染に関しては、回遊魚に問題はないものの、定置の魚類への影響があるため、近場での漁ができず、漁師だけでなく近隣の鮮魚店にも影響が出ているとのお話に、今後の被害拡大を懸念した。
いわき市では、渡辺敬夫市長を訪ね、同市の現状と今後の取り組みなどについて伺った。震災から間もなく1年、全国から支援を受けながら復旧・復興に全力で取り組んでいるものの、市民の生活再建やインフラ復旧、雇用の確保、風評被害対策など、まだまだ多くの課題が山積しているとの説明を受けた。
震災前は年間来館者が150万人を超える観光スポットとして人気のあった海遊館「アクアマリンふくしま」を訪問。同館は、被災で電源が確保できなかったため、20万匹に及ぶ館内の魚類のほとんどが死滅という甚大な被害を受けた。その後、全国からの支援や漁師から魚の提供を受けながら開業に向けた努力を行い、復興のシンボルとして7月15日に再開。現在は、放射能の風評被害からツアー客を集客できず、入館者が前年比の7割減となり、深刻な状況となっているものの、同館館長と副館長からは、水族館への熱い思いを伺った。今後の取り組みにぜひ期待したい。

3 各省庁大臣等との意見交換

観光庁の溝畑宏長官に面談し、兵庫県の観光産業の展望などについて意見交換を行った。また、細野豪志原発担当大臣にも面談し、原発再稼働の方向性を伺った。その後、環境省職員から、がれき処理の現状について説明を受けた。
あわただしい行程ではあったが、それぞれ国の動きや考え方を直接聞くことができ有意義な時間であった。

4 まとめ

調査を終え、震災から1年が経とうとしている中、被災地はいまだ多くの問題を抱えている。特に福島原発周辺では、震災から時間が止まってしまった感を強く受けた。阪神・淡路大震災を経験した兵庫県として、被災地に寄り添いながら、現地のニーズに応じた息の長い支援が必要だと感じた。
今回の被災地調査や各省庁大臣等との意見交換を通じて得られた知見を、今後の会派活動や県政運営に積極的に反映させていく所存である。

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