栗山 雅史議員が質問(決算審査・農政環境部)を実施

決算特別委員会  [ 10月14日(火)農政環境部・栗山 雅史委員 ]

 

1 「兵庫のゆたかさ指標」の農林水産業の調査結果について

まずは、今回の決算審査で私が最も重視している指標、県民の現在の意識や満足度などを測ることができる21世紀兵庫長期ビジョンに関する県民意識調査「兵庫のゆたかさ指標」の中から、農政環境分野の調査結果について質問をします。

 

本年6月~7月にかけて実施されましたこの「兵庫のゆたかさ指標」の質問に、「お住まいの市・町の農林水産業に、活気が感じられるか」というものがあります。「そう思う」、「まあそう思う」という方の割合を結果として示されていますが、全県で12.4%と大変低いと思われる評価となっています。県民局別に見ても、丹波で17.4%、淡路で16.2%などが上位で、決して高い評価とは言えません。まず、この調査結果について、農政担当部局としてどう認識されているのか、またどのような評価をしているのか、お聞きしたいと思います。

 

また、この「兵庫のゆたかさ指標」は、2040年に向けた21世紀兵庫長期ビジョンが示す社会像を具現化することを目指す過程における県民の意識調査ですので、経年の変化がどうなっているのかという点が重要です。先程ご紹介した「お住まいの市・町の農林水産業に、活気が感じられると思う人の割合」は大変低いと申し上げましたが、昨年の割合はもっと低く、9.3%でした。つまりは1年で3%程度上昇したということで、これはこれで評価をしたいと思っています。

 

そこで質問します。また、この割合が増えた要因として、この1年間でどのような事業あるいは成果が県民に評価されたと思われていますか?お聞きします。

 

 

2 大きな不用額について

次に、額が大きくて少し目立つ不用額について質問、確認をします。不用額については財政状況の質問でも全体的なことを確認させていただいております。決算審査ですので、議決された予算がどのように使われたのか、なぜ不用額となったのかを確認せねばなりませんので、よろしくお願いします。

さて、農政環境部局の中の不用額が予算現額の20%を超えている2つについて質問します。1つは、款・農林水産費の、項・農業費、目・植物防疫費です。予算現額21億5,777万8千円に対し、22.76%の4億9,119万5,400円が不用額となっています。2つ目は、項・水産業費、目・漁港建設費で、予算現額39億9,403万6千円に対し、20.97%の8億3,752万4,729円が不用額となっています。

不用額が大きいとか小さいとかで、良い悪いと判断するものではないことは理解していますが、不用となるには理由があるはずですので、その理由を確認したいと思います。

 

3 野菜ICT産地モデル事業について

野菜の生産量向上及び農家所得の向上のために、ICTを活用した先導的産地モデルシステムを実証試験し、県下の国指定産地等へ普及を図ることを目的とされた、この「野菜ICT産地モデル事業」の成果と効果について質問したいと思います。

この事業は、平成25年度の1年で完結したということです。民間企業にもこういったICTを活用した農業支援ソフト、システムがあるらしいのですが、非常に高価で使いづらいということから、県自らがこのシステムを開発し、農家の皆さんへ提供されたということであります。「兵庫県野菜産地管理システム」という名称になっているようですが、このシステムの中で農作業の計画を立て、的確に実施し、記録を残し、次に生かすというサイクルを管理するようです。

同じ作付面積で生産量の向上が図れ、また所得向上も実現できればこの上ないことであります。しかし、この事業の状況についてヒアリングさせていただきましたが、まだ利用者が多いとは言えず、このシステムの利用の何年かのデータ蓄積があってこそ生産量の向上につながるということで、現在目に見えた大きな成果は出ていないのではないかと感じました。

せっかく構築されたシステムです。多くの農家さんに活用していただきたいと思っておりますが、現在までの取組み状況と今後の方針について質問したいと思います。

 

 

4 「ひょうごの乳牛」乳量・乳質アップ推進事業について

但馬牛や神戸ビーフが注目されている中、乳牛についても把握しておきたいと思いまして、この「ひょうごの乳牛」乳量・乳質アップ推進事業についての質問させていただきます。

この事業は、県内の生乳生産基盤を確保するため、経産牛1頭当たりの乳量と乳質を向上させることを目的として、平成24年度からスタートした事業であります。以前からこうした取組みはなされてきたそうですが、平成24年度からは、北海道から高い能力を持った乳用牛を購入する経費の補助、そして優良な精液の購入補助を新たに始められました。その他、遺伝的能力の高い後継牛の北海道預託や乳用牛群能力検定を活用した飼養管理なども含めて、平成32年度までに高品質な生乳を1頭当たり1,000kgアップさせるということを目標に事業を進めてこられました。平成27年度の経産牛1頭当たりの生産量は、8,617kgを目標とされています。

さて、事業は概ね順調に推移しているとの印象を受けておりますが、今後の酪農業界は、TPPなどの影響があることも考えられ、厳しい環境下に置かれる可能性があります。県民の一人としては、新鮮で高品質な牛乳や乳製品を県内消費者などに届けて欲しいと願っておりますので、ぜひ今後も不断の努力を続けていただきたいと思っています。

それでは質問します。本事業の平成25年度の成果、効果と、今後の見通しについてお聞かせください。

 

 

5 特定外来生物被害対策事業について

県では、近年急速に分布を拡大し、農業や生活環境において深刻な被害を及ぼしているアライグマ、ヌートリアの排除を実現するため、特定外来生物被害対策事業を進めておられます。アライグマやヌートリアに関する科学的データの蓄積が少ない中、森林動物研究センターでその生態について研究されるとともに、効率的な駆除の方策の検討や指導などの対策を講じておられます。アライグマ、ヌートリアの生息頭数の推移は不明という中で、農業被害は依然として高い水準にあり、今後も拡大される懸念もあることから、市町や農家さんなどとともにさらなる捕獲対策の強化を図る必要があります。

平成25年度の事業結果でありますが、年間捕獲頭数の目標7,000頭に対し、結果は約5,000頭とのことで目標に達しておらず、また被害面積にしても目標の30haに抑えたいところを上回る37haという結果になったようです。大変厳しい結果となっているようですが、まず平成25年度の事業結果をどのように評価しておられるのかをお聞きするとともに、今後の対策に向けてどのような改善が考えられるか、ご所見をお聞きします。

 

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