中国(広東省・四川省)における現地調査及び本県との交流促進に向けた意見交換を実施

政務調査会長 小池ひろのり

■はじめに

民主党・県民連合県会議員団は、2012(平成24)年2月5日から9日までの5日間、中国の広東省と四川省において調査を行いました。
昨年は、辛亥革命から100周年の年でした。神戸市垂水区の舞子に孫文記念館・移情閣があり、孫文先生と所縁の深い兵庫県は100年以上も前から中国と深い関わりがあったと言えます。
また、兵庫県は、全国でいち早く広東省と友好姉妹提携を交わし、今年で30周年を迎えます。現在、中国経済を牽引している広東省の日本のパートナーは兵庫県であり、兵庫県と広東省は、日中間の経済・文化において中心的な役割を果たしてきています。
さらに、近い将来、アジアの時代が到来すると予想されています。そのような中で、私たち兵庫県と広東省は、これからもしっかり、人・物の交流を促進させ連携を深め、アジアの平和と発展に寄与していかねばなりません。
そのような観点から、この度の海外調査は、まず
①発展する中国の経済の中心的役割を果たしている広東省と交流を深めるとともに、しっかり自分の目でその発展ぶりを確かめること
②17年前に、阪神・淡路大震災を経験した兵庫県が、3年前に大地震で6万人もの犠牲者を出した四川省の復旧・復興の状況を確認し、本県における減災へ向けての取り組み強化を図ること
に重点を置きました。

・調査概要
日時 平成24年2月5日(日)から2月9日(木)まで
参加議員 11名
永富幹事長、小池政調会長、藤井、黒田、岸口、石井(秀)、石井(健)、大塚、栗山、三戸、前田

1 兵庫県人会との意見交換会(2月5日(日)18:00~20:30)


広州市に到着後、夕刻には早速、広東省で活躍する兵庫県人会の人たち約20名と、意見交換を行いました。中国でのビジネス展開の問題点や難しさや行政に期待すること等、最前線で活躍する企業戦士の生の話は大いに参考になりました。

 

2 広汽豊田汽車有限公司(2月6日(月)10:00~12:00)


広東省と広州市の人民代表と一緒に、3年前に本格的に中国進出したトヨタ自動車の工場である広汽豊田汽車有限公司の工場を見学。工場長からは、欧州に遅れを取った分の巻き返しを図り、猛追している販売努力の話などの説明を受けました。これまでの人海戦術的な経営から転換し、ロボットの導入を検討しているとのことでした。
また、現在中国の大都市では、光化学スモッグの発生により、空もどんより霞んできています。公害などの環境問題等も無視できない状態になってきているのも事実であり、経済成長の確保と両立方策が望まれるところです。特に外資系企業に対する環境規制が厳しくなってきている中にあって、トヨタの社訓は、①環境②安全③品質そして、やっと④に収益をかかげて事業展開をしているとのことでした。中国政府との良好関係の維持は、事業展開を進めて行く上で重要であり、環境を重視する政府政策に合わせていることなどの苦労話を聞きました。

3 中山記念堂(2月6日(月)13:30~14:30)


中山記念堂を訪問し、今でも、孫文先生は、中国・台湾・日本でも尊敬されており、根強い人気があることを改めて確認しました。また18回も日本を訪れた好日家の孫文先生が、日本を去る最後の大アジア主義の講演を神戸で行った歴史等を学びました。
なお、この日は、中国では、春節祭最後の元節日にあたり、一家団欒の日であるにもかかわらず、広東省・広州市の両人民代表が私たちと同行していただいたのは、両政府が本県との関係をいかに重視しているかという姿勢を窺うことができました。

4 広東省人民代表大会表敬訪問(2月6日(月)18:00~20:30)

兵庫県・広東省友好提携30周年記念行事の一環として、広東省人民代表大会を表敬訪問し、井戸知事の親書を手渡し、記念品の交換を行いました。その後、政府人民代表大会主催の歓迎宴には、広東省人代陳副主任ら6人が出席していただき、友好省・県としての交流を深めることが出来ました。

5 四川大地震復興地(2月7日(火)16:00~)

成都市に到着後、被災地の車窓見学を行うとともに、四川大地震記念館を訪問し、大地震の復旧・復興状況を確認しました。
四川大地震の復興政策として、中国ではカウンターパート方式を取り入れました。全国の32省・自治区に、被災地の県(村)をカウンターパートとして、経済的にも支援を割り当て、国の支援と合わせて、3カ年で住宅を初めほぼ全面復興を完了していました。中国ならではの復興の速さを実感しました。

6 成都イトーヨーカドー(2月8日(水)9:00~11:00)

日系企業として四川省で一番活躍しているイトーヨーカ堂を視察しました。中国全土のスーパーで、最高の店舗売上を達成しているのが、四川省のこのイトーヨーカ堂とのことでした。四川省人民政府との人間的な付き合いを含め、良好な関係維持のための努力と問題点を聞き大いに参考になりました。特に、ほとんどの幹部職員に現地人を登用することで地域に定着を図り、信頼と愛されるスーパーをめざしているとのことでした。

7 都江堰震災復興陳列館(2月8日(水)13:30~15:00)

2008年5月に起きた四川大地震のつめ跡を記録し、犠牲者を追悼する施設である都江堰の復興陳列館を訪問するとともに被災地の現地調査を行いました。
この施設は、震災から3年経った2011年5月12日より、大量の図版、被災した実物、実話を展示し、大震災と震災後の復興過程、成果を展示しています。今後の阪神・淡路大震災からの復興施策や東日本大震災の被災者に対する支援の参考としていきます。

8 四川省人民代表大会表敬訪問(2月8日(水)18:00~20:00)

四川省人民政府を表敬訪問し、井戸知事の親書を人代副主任に手渡し、意見交換会を行いました。四川省の状況、本県との交流施策等の状況をはじめ、文化・経済、政治状況、日本企業の活動状況などについて意見交換を行いました。今後の本県における交流推進施策の参考としていきます。

9 まとめ

今回の受け入れ省である広東省と四川省では共に、トップクラスの高官が対応するなど、兵庫県との関係を重視する政府の姿勢が伺われ、友好交流を深める事が出来、今後の交流促進につながる視察であったと感じています。また、世界のトヨタの中国での活躍状況、中国のスーパーで売上No.1を誇るイトーヨーカ堂や広東省兵庫県人会の人たちとの懇談、同じ被災県として減災に取り組む四川省との交流は、大いに参考になり有意義な視察となりました。今回の現地調査で得られた見分や知見を、今後の県政に反映させていきます。

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