2015年度当初予算編成に対する重要政策提言

Ⅰ 「地域主権社会」の確立に向けて

 

1地域の自主性及び自立性の向上

(1) 県内分権の推進

市町が自律的な行財政運営を行い、それぞれの能力を高めることができるよう、広域・専門的な視点からのきめ細かな支援や情報提供に努めるとともに、「県から市町への権限移譲検討会議」においては、市町と県が対等な協力関係のもと、権限移譲等推進計画に基づいて、市町の能力や実情を踏まえた県内分権を進めること。

 

(2) 「関西広域連合」による取り組みの強化

新たに策定された広域計画に基づいて、引き続き、国出先機関の関西広域連合への移管の実現や、国の事務・権限の移譲に向けて国に対しさらなる働きかけを行い、関係機関・構成団体との連携のもと地方が主役の地域主権に向け取り組みを進めること。

 

2参画と協働の推進による「新しい公共」の実現

 (1) NPO法人等との協働による課題解決の推進

地域課題が多様化していることを踏まえ、専門的知識を有するNPO法人等によるモデル事業の実施等、行政だけでは解決が難しい地域課題については、「県民の参画と協働の推進に関する条例」の理念に基づき、地域活動に取り組むNPO法人、地域団体、ボランティアグループ等との協働による取り組みを推進すること。

 

 

Ⅱ 「持続可能な行財政構造基盤」の確立に向けて

 

1行財政構造改革の推進

(1) 第3次行革プランの着実な推進について

持続可能な行財政基盤を確立し、平成30年度に収支均衡を実現するため、引き続き、行財政構造改革の10の視点に基づき、限られた財源の中で、「選択と集中」による施策の重点化を図り、予算や事務事業等の思い切った見直しを行うこと。

 

(2) 給与について

県独自の行財政改革の中での給与削減については、人事院勧告を尊重し、早期回復に向け努めるとともに、当面、県財政の状況を鑑み、職員のモチベーションを保つ施策等を積極的に進めること。

 

(3) 組織体制について

本庁において新たに導入された「班制」の効果を十分に検証するとともに、再編された県民局・県民センターについては、県内分権の進展、政令市・中核市・一般市町の行政体制の実情を踏まえ、必要な検証を実施すること。また、県と市町との役割をさらに精査し、県民局・県民センターが果たす役割を十分明確にした上で、再々編も含め、引き続き調査・研究を進めること。

 

(4) 投資事業の改革

新たに策定された「ひょうご社会基盤整備基本計画」に基づいて、備える・支える・つなぐの3つの視点を基本として、将来世代に過度な負担を負わせないためにその規模を精査し、事業の実施にあたっては、その必要性と優先順位、事業実施方法の費用対効果を明確にするとともに、実施過程の透明性を確保すること。また、費用対効果をはじめ事業効果の事後検証も確実に行うこと。

 

(5) 公社等外郭団体の改革

公社等外郭団体については、監査委員の監査対象とならない団体であったとしても、出資者として監査体制の強化や十分な情報を開示するなど、透明性の確保と効率的な運営を求めていくこと。

また、専門機関としての組織体制とする観点からも、県派遣職員や県OB職員の登用は、在職期間が短く、運営に対して長期的な展望が持ちにくく、経営責任が曖昧になる危険性があるため、最小限にとどめること。

 

 

 

 

 

 

Ⅲ 「健康福祉社会」の実現に向けて

 

1健康づくり対策の推進

(1) 県民の健康づくりの推進

食生活の改善や運動不足・ストレスの解消など、県民一人ひとりによる生活習慣の改善や社会全体での健康づくりの支援を拡充し、県民の健康づくり運動の定着を図るとともに、歯の健康づくりや受動喫煙の防止、朝食摂取の促進、化学物質過敏症への対応、心の健康づくりの推進など体系的な取り組みを行うこと。

特定健康診査(メタボリックシンドローム健診)・特定保健指導のより円滑な実施に向けては、医療保険者や市町等と連携し、健診受診率及び保健指導実施率の向上を図ること。

また、最近、社会問題となっている危険ドラッグについては、法律の規制の網をくぐり抜ける販売や使用が後を絶たないため、条例化を含め抜本的な対策を講じること。

 

(2) 食の安全確保と食育の推進

食の安全・安心の確保に向けた生産者・事業者の自主的な取り組み、食の品質管理の強化を推進するとともに、食品表示並びに輸入食材に対する管理・検査体制の充実や、食品情報に関する理解を促進すること。

一方、食を通じ健康な生活、豊かな人間性を養う「食育」を推進するため、「スローフード」運動を実施するなど、地域の伝統的な食文化や農業への理解を深め、守り、継承する取り組みを進めるとともに、生涯にわたって健全な食習慣が維持されるよう、若い世代への食生活改善対策の一層の推進を図ること。

 

(3) 肝疾患対策の推進

ウィルス性肝炎は放置しておくと肝がんを発症する危険性があることから、企業の健康診断等における検査や市町の個別勧奨等の予防対策の充実を図ること。

 

2 地域医療の確保

(1) 地域医療の確保

地域の医療連携を推進するため、二次保健医療圏域を単位とした医療機関の適切な役割分担、相互連携を進めるとともに、かかりつけ医の普及・定着を基本に、医療機関が効率的に機能するシステムの構築に取り組むこと。

特に、小児科、産科、麻酔科などの診療科偏在及び地域偏在の解消を図るため、兵庫県地域医療支援センターを中心に、就労環境の整備やへき地医の養成などに積極的に取り組むとともに、看護師不足に対応するため看護師等の確保対策や、産科医の負担を軽減するため助産師の確保対策の充実と助産院の設置支援を進めること。併せて、県民の命の最後の砦となる3次救命救急体制を維持するため、積極的に各市町間における広域連携体制の構築を進めること。

 

(2) 県立病院の円滑な運営

医療ニーズの高度化・多様化、医療技術の進歩に対応し、県立病院の役割である高度専門・特殊医療を中心とした政策医療の提供など、より良質な医療を提供できるよう、診療機能の高度化・効率化に努めるとともに、適切な公的負担の下で、自立した経営が確保できるよう、医療資源の有効活用や職員の経営意識の向上及び計画的な経営改善に取り組むこと。

また、インシデント・医療ミス、医療事故の発生予防に向けて、医療安全対策に取り組むこと。

 

3高齢者福祉・介護の充実

(1) 介護サービス基盤の充実

新たな支援体制である地域包括ケアシステムの構築に向けて、地域包括支援センターの機能強化や地域医療と介護事業の連携の強化などにより、地域ケアの総合的な推進を図るとともに、介護予防サービスについては、地域やサービス受給者に最も効果的に提供できるよう、市町への支援を強化すること。

また、介護福祉士を含む介護職員の処遇改善やキャリアアップへの支援等により、介護人材を確保するとともに、介護人材の養成を積極的に推進し、多様なニーズに対応した介護施設の整備を進めることにより、介護サービス提供体制の充実を図ること。

特に、要介護者が地域に住み続けられるよう、地域密着型の小規模介護施設の整備を積極的に推進するとともに、家族など介護者に対する支援に取り組むこと。

さらに、介護サービスの質的向上を図るため、事業者への適切な指導を行うこと。

 

(2) 認知症対策の推進

地域住民に対して認知症に対する理解促進に努めるとともに、地域ぐるみで認知症高齢者やその家族を見守る認知症サポーターの養成について、引き続き、支援すること。また、認知症高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう認知症疾患医療センターの拡充、認知症サポート医の養成に努めること。

あわせて、認知症による徘徊高齢者が行方不明になる事案が増加していることから、警察、地域住民などとの連携を強化し、速やかに発見・保護できる体制を充実すること。

 
(3) 介護保険制度の適正運用の促進

新たに成立した「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」の施行を見据え、保険者である市町の事務が円滑に進められるよう、担当者に対する研修会の開催や保険制度の解釈に関するガイドラインを示すこと。

 

4障がい者福祉の充実

(1) 就労・社会参加支援の充実

障がい者の自立に向けて、就労のほか、スポーツや芸術文化を通じた社会参加を支援すること。特に、就労については、福祉的就労から一般就労への移行に対応するため、福祉関係機関やハローワークとの連携を図りながら、障がい者の特性や希望に応じた職業訓練、職業指導に積極的に取り組むとともに、2018年からの精神障がい者の雇用義務も念頭にいれた就労の場のさらなる確保や多様な就労形態の実現に向けて、企業等との連携を通じた取り組みを推進すること。

また、県の物品調達等において、障がい者就労事業所への優先発注等を行うなど、障がい者の就労の場の充実を図ること。

 

(2) 職場適応援助者(ジョブコーチ)のさらなる養成

障がい者の一般就労においては、障がい者の就労のみならず、就労した職場において適応できるかどうかが大きな課題となっており、障がい者の就労機会の増大及びその定着に向けて、職場適応援助者のさらなる養成を国に求めること。

 

5少子化対策の総合的な推進

(1) 総合的な少子化対策の推進

男性と女性とが役割や責任を分かち合い、その個性と能力を発揮することができる男女共同参画社会づくりを進め、男性も女性も働きながら安心して子育てをすることができる社会構造への変革を図り、子育て・子どもの教育を男女が共に担う家庭像を夫婦が構築できるよう、総合的な少子化対策を展開すること。

 

(2) 多様なニーズに合わせた保育サービスの展開

保育所の待機児童解消に向けた取り組みを進めるとともに、学童保育の充実や「認定こども園」の設置促進、病児・病後児保育、24時間保育など保護者ニーズに応じた保育サービスを展開できるよう支援すること。

 

(3) 妊娠、出産に対する支援の充実

不妊症・不育症に対する経済的負担の軽減に向けた支援の更なる充実を図るとともに、最終的に子どもに恵まれなかった家庭に対しては、里親制度や養子縁組制度の普及・促進を少子化対策として実施すること。

 

6 自殺対策の推進

(1) 総合的な自殺対策の推進

「平成28年度までに県内自殺者を1,000人以下に減少させる」目標を達成するため年次計画を策定し、相談体制の充実、精神科医療の適切な受診環境の整備など、実効ある対策を推進すること。

特に、死因の第1位が自殺となっている15~39歳の年代(平成25年版自殺対策白書)に対し、重点的に推進すること。

また、自殺の背景には、経済・生活問題、健康問題、家庭問題など様々な問題に加え、地域のつながりの希薄化も大きな要因であることから、県民運動として、地域のつながりの再構築に取り組むこと。

加えて、自殺に繋がるケースが多く、その急増が社会的にも大きな問題となっている、うつや引きこもり問題についても、学校、地域、関係機関等との連携など、総合的な対策に取り組むこと。

 

7 児童虐待防止対策・DV防止対策・要保護児童対策の推進

(1) 児童虐待防止対策の推進

児童虐待の予防に向けて、親の子育てを支援し、親や将来の親に対する子育て教育の更なる充実に努めること。

また、各学校においても、主幹教諭や人権教育担当教員などを中心として早期に発見できる体制整備を行うこと。

親が、地域との関わりが希薄になり、孤立することがないよう、自治会などの地域団体とも連携しながら親に対する支援も推進すること。

 

 

(2) DV・家庭内暴力対策の推進

配偶者や恋人に対する暴力については、各地域において、市町、警察等も含めて総合的に取り組む体制を構築したうえで、関係機関の密接な連携の下に、相談体制の強化や被害者へのサポート体制の確立、加害者への教育の充実や民間施設も含めた被害者保護施設の整備促進など、効果的な抑止及び被害者の救済・支援に取り組むこと。また、各市町におけるDV対策基本計画策定、支援センター設置への働きかけを強化すること。

被害者の自立支援においては、生活の基礎となる住居・就労の確保を連動して進めること。

 

(3) 社会的養護の充実

親からの虐待などにより家庭で生活できない子どもたちを家庭的環境の中で養育する受け皿の充実に向け、児童養護施設の小規模化や人材の確保・育成などの専門的なケア体制の整備など「子どもの最善の利益のために」や「社会全体で子どもを育む」の理念に基づいた、きめ細かな社会的養護が行える環境整備を行うこと。

 

(4) 子供の貧困対策の推進

貧困とは経済的な欠乏だけでなく、「人間らしく生きる力が奪われた状況」と国連諸機関は捉えている。「貧困の連鎖」を断ち切るためには、学習の機会均等だけではなく、きめの細かい支援制度を充実し、子供たちの夢と可能性を広げるような対策に取り組むこと。

 

 

Ⅳ 「子どもが輝く社会」の実現に向けて

 

1児童生徒の発達段階に応じた教育環境の充実

(1) 発達段階に応じた教育環境づくりの推進

少人数学級の着実な推進などにより、読み・書き・計算をはじめとする基礎・基本の学力の確実な定着や、一人ひとりの個性・能力を伸ばすことなど、児童生徒の発達段階に応じた教育環境づくりを推進すること。

 

(2) 「生きる力」を育む教育の充実

子どもたち一人ひとりの豊かな心を育み、主体的に生きる力を育成するため、これまで取り組んできた「自然学校」や「トライやる・ウィーク」等の成果の検証を行い、職業体験教育へ転化させるのではなく、心の教育という原点に立ち返って当初の趣旨を十分に踏まえながら事業を進めること。

 

(3) いじめや問題行動、不登校等に対応する生徒指導の充実

いじめや不登校などの問題行動等を早期に発見・対応し、児童生徒が充実した学校生活を送ることができるよう、校長のリーダーシップの下、教員の生徒指導の取組状況を常に点検・改善を進めていくこと。また、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、地域とも協力しながら、未然防止のための体制整備を早急に進めること。

心のケアが必要な子どもたちに対しては、県立但馬やまびこの郷での取り組みをはじめ、児童生徒の心に寄り添う生徒指導の推進体制や支援システムを確立するとともに、教員の資質向上に向けた各種研修の実施等、人的支援の充実を図ること。

特に、いじめが原因で自殺に繋がるケースも見受けられるため、いじめの情報を広く収集できる体制を確立し、早期に対応できる体制を整備すること。

(4) 学校における総合的な食育の推進

食育に係る学校の指導体制や子どもへの指導内容の充実強化に努めるとともに、関係部局とも連携して米飯給食の拡大や日本型食生活・地元産農林水産物の積極的な導入を進めるほか、公立中学校における学校給食の実施率向上に向けた取組みを推進すること。

また、栄養教諭を県内全校に配置するなど、学校給食の充実を図り、総合的な食育を推進すること。

 

(5) 安全・安心な学校づくりの推進

県立学校施設における設備更新・老朽化対策や耐震化の推進と合わせて、市町立学校施設の耐震化促進を支援するとともに、各学校独自の危機管理マニュアルを活用した防犯訓練・防犯教室や学校、家庭、地域が連携した安全マップづくりを進めるなど、安全・安心な学校づくりに地域全体で取り組むこと。

また、通学路の安全対策に関しては、警察、道路管理者、地域住民一体となって、実効ある通学路の安全点検、安全対策を講じること。

 

(6) 教職員の勤務環境の改善

子どもたちに対する学習指導や生活指導をはじめ、研修、保護者や地域住民との関係づくりなどで多忙化している教職員の勤務実態を踏まえ、勤務時間の適正化やメンタルヘルスケアをはじめとする教職員への支援体制の充実や、業務・研修のあり方の見直しなど勤務環境の改善を図ること。 また、教職員がより一層、学習指導や生活指導に集中できるよう、地域で学校を支えるモデルを構築すること。

勤務時間の適正化を図るためにも、必要な人数の配置が欠かせない。再任用教員の蓄積した実践を生かすためにも、現状において不足している各学年の要員の配置を進めること。

 

2 特別支援教育の充実

(1) 長期的視点に立った特別支援教育の展開

特別支援教育について、増加傾向にあるLD、ADHD、高機能自閉症等の発達障がいに対する県民の理解を広めるとともに、当該児童生徒に対しては、その特徴に応じて、才能を伸ばす教育やキャリア教育も行い、現場に応じた対応をすることにより、将来を見据えた長期的視点に立った教育を展開すること。

また、真のインクルーシブ教育を目指して、普通高校内に特別支援学校の分教室を拡大するなど、障がいの有無に関わらず、共に学び合う環境の整備を行うこと。

 

3 特色ある高等学校教育の展開

(1) 学びたいことが学べる魅力ある学校づくりの推進

個性を尊重する多様で柔軟な高等学校教育を推進するため、学校の創意工夫を生かした特色ある取り組みや、学びたいことが学べる魅力ある学校づくりのための施策を積極的に展開すること。特に、近年、生徒が急増している定時制・通信制高校については、多様化する生徒に対応するため、現状に即した高校づくりを進めること。

4 県立大学の自律的かつ効率的な運営支援

(1) 時代にふさわしい県立大学の展開

公立大学法人となった県立大学については、地域社会への還元、社会貢献、県政への連携といったこれまでの大学運営における視点も踏まえ、県立大学のあるべき姿を確認しながら自律的かつ効率的な運営が行えるよう支援すること。また、旧3県立大学が有した伝統と強みを継承しつつ、時代にふさわしい県立大学のブランド力、知名度の向上を図ること。

 

 

 

5 日本語指導が必要な児童・生徒の学習機会の確保

(1) 県立高校入試における外国人特別入学枠の設置

県内の日本語指導が必要な児童・生徒は増加傾向にあり、全日制公立高校の進学率は約60%となっており、定時制や単位制等を含めても75%にとどまっている。多くの子どもが高等学校の教育を受ける機会を失っていることを鑑み、早期に県立高校入試における外国人特別入学枠を設置すること。

 

 

Ⅴ 「危機管理型社会」の実現に向けて

 

1 危機管理体制の充実

(1) 防災・減災対策

「津波防災インフラ整備5箇年計画」や「第2次山地防災・土砂災害対策5箇年計画」等に基づいて、発生が懸念される南海トラフ地震による津波、洪水、土砂崩れ、高潮等の自然災害に備え、計画的な基盤整備やシステムを構築するとともに、発生から20年を迎える阪神・淡路大震災のこれまでの取り組みや東日本大震災への支援にかかる検証、災害対応にかかる広域での連携などを進め、「減災」の観点から、ハード整備・ソフト対策が一体となった防災体制の確立に取り組むこと。

特に、河川においては、ゲリラ豪雨等による水害に備え、平時から河道の流量確保や河川管理施設の適切な維持管理を行うこと。また、河川改修に関しては、総合治水条例の趣旨を踏まえ、計画的な掘削作業を行うこと。

また、去る8月に丹波市を中心にもたらした集中豪雨では、家屋の全壊や浸水など生活基盤に大きな被害が発生したことから、一日も早い県民生活の再建に向けた支援を進めるとともに、頻発する局地的豪雨等の災害に備えるほか、フェニックス共済への加入を促進するなど、自助・共助による防災対策を進めること。

 

(2) 災害時対応

災害時に避難が困難となる災害時要援護者の安全を確保するための取組みを一層進めるとともに、災害時で行政機能が低下する中においても、必要な行政サービスが継続できるよう全県的な体制を構築すること。

 

(3) 計画停電時等の危機管理対策等の推進

セーフティネットとしての「計画停電」の実施や大規模停電に備え、県民の安全確保を図るため、県の危機管理体制を強化すること。特に、社会的弱者に対しては、生活や健康状態に影響が出ないようきめ細やかな対策を講ずること。

 

2治安の向上

(1) 犯罪の抑止と徹底検挙

犯罪のハイテク化や国際化など社会の変化、犯罪の性質の変化に柔軟に対応するため、警察組織・人員の効率的な運用や初動捜査体制の整備など、捜査力・執行力の充実・強化を図ること。

特に、「暴力団排除条例」の適切な運用による暴力団等による組織犯罪への対策を強化し、銃器や薬物の密輸・密売の防止を推進すること。

さらに、経済事犯やサイバー犯罪など県民の身近で発生する生活経済事犯の予防に向け、取締りの強化や関係機関との密接な連携による普及啓発活動を実施すること。

 

(2) 総合的な交通安全対策の推進

悲惨な交通事故を防止するため、関係部局が連携して交通実態の的確な把握・分析を積極的に進め、総合的な交通安全対策を推進すること。特に、県民参加型の交通安全活動などを一層推進するとともに、飲酒運転や悪質な駐停車違反の取締り、暴走族の検挙、さらには、最近急増している自転車による事故の防止などに重点的に取り組むこと。

 

(3) 信頼される警察行政の推進

生活者の視点に立った警察活動を展開するため、警察署協議会の開催はもとより、地域の課題に沿った基礎自治体・自治会とのネットワークを構築し、より広く県民の要望・意見の的確な把握と適切な対応に努めること。また、積極的な情報公開や取調べの可視化による警察行政の透明性の確保を進めるとともに、ここ数年、急増している警察官の不祥事に対し、警察官の資質向上に向けた取り組みを行うなど、自浄機能の強化を図り、信頼される警察行政の推進に取り組むこと。

(4) 犯罪被害者対策の充実

犯罪被害者等の精神的負担を軽減するとともに、再び平穏な生活を営むことができるよう、犯罪被害者等早期援助団体への運営支援を強化すること。特に、性犯罪被害者は、精神的ダメージが大きく、回復に向けた支援が必要であるとともに、裁判等においてプライバシーが侵害される不安が大きいことから、総合的な支援のあり方の研究・検討を進めること。

 

3防災副首都の関西誘致

(1) 首都機能のバックアップ体制の構築

わが国全体の危機管理能力を向上させるため、首都圏における非常事態に備えた首都機能のバックアップを行う仕組みを早急に構築するため、関西を国土・防災・有事に関する法律や計画等に位置づけ、首都代替機能の設置促進に向け、具体化していくことを強く国に求めること。併せて、企業の本社機能の関西誘致についてもより積極的に進めること。

 

 

Ⅵ 「産業活力社会」の実現に向けて

 

1産業活性化対策の推進

(1) 活力ある兵庫の産業の構築

ものづくり産業を支える中小製造業や基幹産業、大学、大型放射光施設、京速コンピュータ「京」、X線自由電子レーザー「SACLA」等の知的資源を有機的に結合することにより、ナノ、情報通信・エレクトロニクス、健康・医療、環境・エネルギー、ロボット(人工知能)などあらゆる技術分野において産業活性化を図ること。また、産業集積条例の活用等により、国内外の優れた企業、研究所の誘致に取り組むなど、産官学連携や地域活性化総合特区の活用を図りながら、地場産業の活性化、雇用創出を推進すること。

さらには、地域経済を活性化していくために、医療産業など本県に集積する高い技術をもつものづくり企業の海外進出を支援すること。

(2) 中小企業の自立と地域経済の活性化・雇用の安定化の推進

(公財)ひょうご産業活性化センターや工業技術センターの機能強化・充実を図り、中小企業における開発力・技術力を高めるとともに、知的財産の創造・蓄積・活用を支援し、情報通信や防災など次代の兵庫経済を担う多様な成長産業の創出を図ること。

また、県内の事業所の大部分を占める中小企業へのサポートが必要不可欠であることから、中小企業の人材確保、経営・技術支援、海外展開支援や社会情勢の変化に対応する適切な経営支援を行うこと。

さらに、地域経済を支える若者、女性、高齢者をはじめ、県民の安定した雇用・就業を確保すること。

加えて、公共事業依存型の地域経済からの脱却を進めるとともに、省エネルギー等、新しいライフスタイルや価値観に対応した実需要の創出など、切れ目のない経済・雇用対策を実施し、地域経済・雇用の活性化を推進すること。

 

(3) ものづくりを支える人材の育成

ものづくりの優れた技術・技能を有する匠や企業内人材の育成、技術の産業化を担うプロ人材の育成など、ものづくりを支える技術・技能、特に、科学技術人材の厚みと資質の向上を図るとともに、学校教育段階から職業生活の各段階に応じた総合的・体系的な人材育成の仕組みを構築すること。

 

(4) 海外事務所を活用した経済活動の展開

海外事務所を現地に密着した事務所として最大限活用することにより、友好親善のみに止めるのではなく、本県の強みを活かした交流を進めるなど、経済的なつながりに発展する取り組みを推進すること。

 

2雇用就業対策の推進

(1) セーフティネットの構築

企業に対して雇用維持や労働法令の遵守などについて、積極的に働きかけるとともに、製造業現場への派遣の見直しや安易な解雇の禁止などについて、適切な措置を講じるよう国へ要望すること。

また、長時間労働を誘発する恐れのあるホワイトカラーエグゼンプションの導入や限定正社員制度の普及などは、労働者を保護するルールの後退が懸念され雇用形態が大きく変化することから、より慎重な議論を求めるとともに、労働環境の変化に対し、適切なセーフティネットが迅速に展開できるように体制を整えること。

 

(2) ワークライフバランスの推進

「仕事と生活の調和と子育て支援に関する三者合意」や「仕事と生活のバランスひょうご共同宣言」を尊重し、大企業だけでなく、中小企業も含めた取り組みの中で、多様な働き方が可能となるよう働き方の見直しを支援すること。

また、育児介護休業、短時間勤務制度、フレックスタイム制度、事業所内の託児所の設置、在宅勤務など働きやすい職場環境づくりを推進するため、既存の助成金制度が積極的に活用される環境をつくり、企業等におけるワークライフバランスの取り組み支援を充実させること。

(3) 雇用対策の充実

企業ニーズや社会ニーズを踏まえた機動的・効果的な職業訓練の実施を進め、就業力の向上を図ること。また、求人・求職の適切なマッチングの推進やワークシェアリングによる雇用機会の拡大等により、雇用の創出・確保を図ること。

また、若年者の雇用の安定については、少子化対策の観点からも積極的に対策を進め、雇用・福祉・教育分野における担当部署の連携体制を構築し、就業体験等による職業意識の涵養や若者しごと倶楽部等におけるキャリアカウンセリングなどの取り組みを推進すること。

さらに、女性就労の促進について、出産、育児による不利益が生じないよう、企業に対する働きかけを強化するとともに、相談体制を充実させること。

 

(4) 障がい者雇用の促進

特例子会社設立の大企業だけでなく、地域に根ざした中小企業への雇用促進のためのしくみ作りを推進すること。昨年度からの法定雇用率引き上げの機会を捉え、企業に対して制度の普及・啓発や先進事例の紹介、採用後のサポートや特例子会社設立への支援等を行い、企業の雇用に対する不安感を払拭させる取り組みを推進すること。

また、直接雇用だけではなく、間接的に障がい者の雇用促進や自立支援につながる購買活動の推奨や調達の評価などに取り組むこと。

 

(5) 非正規雇用の待遇改善

勤労者の生活の安定・充実、社会保険の空洞化の防止等の観点も踏まえ、非正規雇用から正規雇用への転換を促進するとともに、正規雇用と非正規雇用の均等待遇・均衡処遇の実現に向け、賃金のみならず、教育訓練機会の均等についても、公的教育訓練機関と企業内教育訓練との連携により取り組むこと。

 

(6) 建設人材の確保・育成

建設労働者の減少や高齢化の進行等による建設業の人材不足は、社会基盤施設の整備や修繕を含めた維持管理だけでなく、災害復旧への対応にも直結することから、新規入職者の確保・育成に取り組むこと。

 

3観光振興

(1) ひょうごのツーリズムの振興

多彩な地域資源を生かした交流人口の拡大による地域活性化に向け、関係団体や市町等と連携し、国内外からの観光客誘致を図る大型観光交流キャンペーンや地域ぐるみの交流の仕組みづくりへの支援等を推進し、さらには広域連携の一層の推進などにより、ひょうごのツーリズムの振興を図ること。

また、アジア諸国をはじめとする訪日外国人について、本県への誘客を促進するなど、県内経済の活性化や雇用創出につながる取り組みを強化すること。

 

(2) テーマツーリズムの推進

国内有数のゴルフ場を活用したゴルフツーリズムや、世界に誇る神戸ビーフ・日本酒を核とした「食」、国内外の映画・TVドラマのロケ地を巡るコンテンツツーリズム、さらには神戸港への大型クルーズ船の誘致など兵庫の強みを生かしたツーリズムを推進していくこと。

 

 

Ⅶ 「環境循環型社会」の実現に向けて

 

1実効性あるエネルギー政策の推進

(1) 省エネルギー・節電の推進

県民生活の安定と持続可能な経済成長の実現に向けた、エネルギーの安定供給と省エネルギーの推進等の課題に対応するため、県自らが率先して、省エネルギー・節電行動を推進すること。

また、これまでの節電の取り組みについて検証し、夏の電力消費のピーク時のみならず、恒常的な節電対策につなげていくこと。

 

(2) 再生可能エネルギーの積極的な導入について

太陽光、風力、バイオマス、小水力発電をはじめとしたエネルギー源の多様化や再生可能エネルギー導入促進に向けた取り組みを積極的に推進すること。

 

2 地域温暖化対策等の推進

(1) 産業部門における温室効果ガスの排出抑制

エネルギー多量消費事業者等の温室効果ガス排出抑制の自主的な取り組みを促進し、取り組みが十分でない企業に対する指導を強化するなど、産業部門における排出抑制を積極的に進めること。

 

(2) 地域環境負荷の低減

大気や騒音の環境基準を達成していない地域を中心とした交通公害対策をはじめ、地域的な環境問題の解決を図ること。また、有害化学物質対策として、特に法規制の対象となっていない物質について調査研究を進め、県内における実態把握と排出削減に向けた事業者等の自主的な取り組みを推進すること。

 

3 農林水産業の活性化

(1) 安全・安心・良質な農林水産物の安定供給の実現

消費者が安心して農林水産物を選択できるよう、農薬等の適正使用管理の徹底を図るとともに、人と環境にやさしい栽培技術等の導入などを促進すること。

また、生産者等に対する食品表示適正化の指導や、安全で衛生的な処理加工の管理手法の導入を推進するとともに、生産履歴の記帳やトレーサビリティシステム、農業生産工程管理手法(GAP)の導入に向けた取り組みを進めること。

 

(2) 食と農への理解促進と食品リサイクルの推進

住民・消費者・特に子どもを対象とした農業体験活動・食体験活動や、生産者と消費者の交流活動を通じて、食と農への理解の促進を図り、地産地消を推進すること。次世代に対する「食育」、日本型食生活実践の観点から、米をはじめとした県産農林水産物が学校、老人福祉施設、病院などの給食に完全導入されるよう取り組むこと。

また、フードバンク運動やドギーバッグ運動などの取り組みへの支援を通じて、食品廃棄物の発生を抑制するとともに、食品残さの飼料化、たい肥化など、食資源の有効利用を推進すること。

 

(3) 6次産業化の推進

農林漁業者による2次・3次産業分野への働き掛けを促進するため、地域の農林水産物の特徴を生かした商品の開発・生産、市場の開拓、人材育成など、生産から加工・流通・販売までの取り組みに対する支援を行うこと。

また、環境やエネルギーなど新分野への取り組みとして、遊休農地等を活用した資源作物の栽培や、稲わらや間伐材等の未利用資源を含むバイオマス資源を活用した燃料や製品の生産を支援するなど、農山漁村をバイオマス活用の先進地域とするための施策を推進すること。

 

(4) 農水産物ブランド戦略の推進

消費者や実需者のニーズを把握し、ブランドとしてふさわしい品目の選定や品質の改善、新品種の開発などを通じて、他県産よりも優れた商品の生産を図るとともに、地域団体商標の活用など、効果的な宣伝活動を実施することにより、全国の主要都市やアジア諸国をはじめとする海外への販路拡大を積極的に推進すること。

また、観光施策との連動も視野に入れ「食」を通じた兵庫の魅力発信に取り組むこと。

 

(5) 担い手対策の推進

担い手不足対策として、農林漁業・農山漁村の担い手の現状を把握し、家族経営、集落営農、法人経営等の多様な主体への新規参入を促すため、規模拡大や効率化に向けた支援を積極的に行うとともに、Uターン・Iターン希望者や地元企業の農林漁業への新規参入に対する技術研修や財政的支援など、意欲と能力のある者の参入を促進する施策の充実を図ること。

 

4総合的な農山漁村振興対策の推進

(1) 農地・農業用水の保全

農地や農業用水は、農業生産の基盤としてだけでなく、水源涵養等の公益的機能を有しており、これらの機能を維持する観点から、農地、農業用の水路、井堰、ため池等の整備・保全等の取り組みに対して支援を行うこと。

また、整備した優良農地を適切に確保するため、土地の利用関係を適切に調整するとともに、公共事業実施に当たって、優良農地を安易に転用することのないよう取り組むこと。

さらに、ため池等の農業用水利施設における水難事故防止対策も徹底すること。

 

(2) 総合的な農山漁村活性化対策の推進

農林漁業体験や自然体験など、農林漁業・農山漁村が有する教育、保健・休養等の多面的機能に着目した体験活動の促進を支援すること。

また、農山漁村における就業機会の拡大に努めるとともに、生活道路や情報通信基盤の整備等を図り、都市から地方への移住、都市と地方の交流の促進、集落の維持・活性化を推進すること。

 

 

Ⅷ 「快適で潤いのある社会」の実現に向けて

 

1社会資本ストックの有効活用

(1) 着実かつ戦略的な社会資本ストックの維持・更新の推進

施設の耐久度を把握・評価し、将来の劣化を予測して維持管理・更新を計画的に行うアセットマネジメントの導入を進めるなど、「つくる」から長く大切に「つかう」へと視点を変えた取り組みを進めること。また、「長く使う」にあたり、費用対効果が低いものについては、「こわす」ことも視野に入れた取り組みを行うこと。

さらに、社会資本ストックの維持・更新を着実かつ戦略的に進めていくため、民間の資金、経営能力、技術能力を活用した仕組み・手法を積極的に取り入れること。

2 総合的な交通施策の推進

(1) 地域課題に対応した交通政策の推進

地域交通を確保する公共交通優先システムが推進されつつある中で、「ひょうご21世紀交通ビジョン」を実現するため、公共交通の利用促進、交通安全対策、交通事故防止、交通量の削減、高齢者の移動性確保など、地域課題や政策と関連づけた総合的な交通政策を推進すること。特に、県民の社会参加の機会確保や、地球温暖化防止と低炭素社会実現に向けた公共交通のあり方などを踏まえ、CO2削減に配慮した視点で交通政策を展開すること。

昨年度制定された交通政策基本法に基づき、市町との連携を深め、県のまちづくり・教育・福祉・観光施策推進のため、地方自治体・事業者・市民の役割を明確にした「県交通基本条例」の制定に向けて進めること。

 

(2) 公的施設・県有施設における運営等の改善

公的施設の管理運営については、民間事業者のノウハウを活用することにより、効率的で質の高い管理運営が期待できる施設について、原則として公募により指定管理者を選定するとともに、選定にあたっては透明性や公平性の確保に加え、安定性にも配慮するなど制度運用の改善に努めること。

県有施設に関して、人口減少社会を前提に、廃止も選択肢の一つとし、その管理運営に係る基本方針や具体的な整備計画を定め、全庁的な保有総量・利用調整のあり方について具体的な検討を進めること。

 

3 都市の再生

(1) 都市機能の適正立地の推進

人口減少社会の到来、地球環境問題への対応、防災意識の高まりなどの社会経済情勢の変化に的確に対応するため、都市計画区域マスタープランに基づき、持続可能なコンパクトな都市の実現を図るとともに、地域の特性に応じた活力のある都市づくりを推進すること。

また、「大規模集客施設の立地に係る都市機能の調和に関する条例」に基づく大規模集客施設の適正な立地を効率的に推進し、地域社会の健全な発展を図ること。

 

(2) 都市緑化・緑地保全の推進

県民まちなみ緑化事業の全県展開や、県立都市公園をはじめとする県民の憩いの場の整備・運営を通じて、緑あふれる美しいまちづくりを推進すること。

また、防火や水害低減など、防災能力の強化という観点からも、都市緑化を促進すること。

 

(3) 空き家対策の推進について

長期間放置された空き家は、治安や景観の悪化だけでなく、老朽化による外壁や屋根等の落下、建物自体の倒壊の危険性が高くなり、災害発生時には二次的被害が発生する恐れもあることから、市町との連携や市町に対する支援を行うとともに、国に対して関係法令の整備を求めるなど、県として必要な措置を講ずること。

 

4安心して暮らせるまちづくりの推進

(1) バリアフリー・ユニバーサルデザインのまちづくり

本県が先駆的に進めてきた「福祉のまちづくり」を推進し、すべての県民の社会参加を促進する視点から、バリアフリー新法に基づき、公共交通、公共施設等の社会基盤の整備・リニューアルを進めること。

また、民間施設の整備・リニューアルについても、同様の協力を求め、高齢者や障がい者が安心できる公共空間のバリアフリー化を一層強力に推進し、すべての人が社会参加できるユニバーサルデザインのまちづくりを推進すること。

 

(2) 生活安心住宅の確保

安全かつ安心できる持続可能な住生活が確保されるよう、長期優良住宅の普及促進をはじめ、「省エネ化」「バリアフリー化」「耐震化」を目的とした既存住宅の活用・改修を促進すること。その際、高齢者、障がい者、子育て世帯も住みやすい、優良な賃貸住宅の整備を推進すること。さらに、地球環境への配慮から、公営住宅についても「長く大切に使用する」ことが求められていることを踏まえ、リノベーションも積極的に推進すること。

生活・住宅困窮者にとって、公営住宅は重要な「セーフティネット」であることを踏まえ、効率的、効果的な県営住宅の整備を進める一方、新婚・子育て世帯の優先入居や、低所得者、高齢者への支援など、県民のニーズに対応した管理運営を行うこと。

 

 

Ⅸ 「こころ豊かな共生社会」の実現に向けて

 

1人権尊重の行政と教育の推進

(1) あらゆる差別の撤廃に向けた行政の推進

障がい者、被差別部落関係者、在日外国人、性的マイノリティ等への差別撤廃に向けた行政を推進するとともに、広く人権尊重の普及高揚を進める教育や、研修・啓発活動を推進すること。

 

2男女共同参画社会の実現

(1) 「新ひょうご男女共同参画プラン21」の推進

男女共同参画社会を実現するため、「新ひょうご男女共同参画プラン21」に基づく諸施策を進めるとともに、その実効性を担保するためのジェンダー予算の構築や、県民、企業、市町等の積極的な意識改革を進めるなど、その浸透を図ること。

 

3 多文化共生社会の実現

(1) 外国人県民が暮らしやすい地域づくりの推進

友好・文化・経済等の各分野において多彩な国際交流を展開するとともに、外国人県民との相互理解を深め、外国人人材の活用を視野に入れた地域の活性化を図ること。

また、生活面、教育面など外国人県民が抱える課題解決に向けた取り組

みを進め「地域国際化推進基本指針」の見直しに取り組むこと。

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