◆15年2月定例会 会派提案の意見書案

「大介護時代」に向けた仕事と家庭の両立支援の充実を求める意見書

意見書 第99号

2025年には約800万人と言われる団塊の世代が75歳以上となり、誰もが介護の当事者となる「大介護時代」が到来するが、国は社会保障費の抑制等のため、地域包括ケアシステムを推進し、地域の専門人材や施設を活用しつつ、家庭を中心的なみとりの舞台とすることをめざしている。

しかしながら、厚生労働省の調査では、介護を機に離職した理由として、男女ともに「仕事と手助け・介護の両立が難しい職場だったため」が最も多く、次いで「自分の心身の健康状態が悪化したため」となっている。これらの原因を解消しない限り、仕事と家庭の両立が困難なことで介護を理由とする離職が更に増したり、やむを得ず介護施設への入所を希望する方が増加することが予想され、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けられるよう支援する地域包括ケアシステムの推進に支障を来すことにもなりかねない。

このような事態を避けるためには、仕事と介護の両立を支援する各種制度の充実と合わせ、両立しやすい職場環境の整備に向けた事業主への意識啓発の強化や就労しながら介護を担う方への心身負担軽減策の充実が求められる。

よって、国におかれては、介護保険制度の充実とともに、早急に下記の事項に取り組まれるよう強く要望する。

1 介護休業制度等の両立支援制度が利用しやすい職場環境の構築に向けて、事業主への意識啓発を強化するとともに、介護休業給付金の増額を検討するなど、仕事と介護の両立を支援する各種制度の充実強化を図ること。

2 雇用保険を財源とする「両立支援等助成金」の内容を拡充させ、育児休業者のみならず、介護休業者も短時間勤務支援や代替要員確保などの助成対象とすること。

3 一時的に介護を代替することで介護者の心身のリフレッシュを図る家族支援サービスや専門的ケアなど、介護者の負担軽減施策を充実すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

平成27年3月20日

兵庫県議会議長  梶 谷 忠 修

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