前田 ともき議員が質疑を実施

平成27年2月 第326回定例県議会

2月補正予算(緊急経済対策)に対する質疑

 

質問日 :平成27年2月16日(月)

質問者  : 前田ともき 政務調査副会長

質問方式:一括質問・一括答弁方式

 

1 地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金の独自性等について

民主党県民連合議員団の前田ともきです。

会派を代表して、今回の補正予算案に対して、3項目の質問を行います。

今回の政府補正予算においては、本来は当初予算で実施すべきものの多くが補正予算で計上されており、平成27年度のプライマリーバランスの赤字半減をなんとか実現させるために、補正予算に押し込んでいるのではないかという疑問や指摘が衆議院予算委員会でも多くなされています。そのような疑問を払しょくできるよう、我々もしっかりと努力して参ります。

そこで、本補正予算の目玉とされているのが、総額4200億円の「地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金」であります。地域の消費喚起や低所得者対策の「地域消費喚起・生活支援型」(2500億円)と、地方の活性化につなげる「地方創生先行型」(1700億円)の2種類であります。同交付金は、明確な指標の下で客観的な指標の設定やPDCAの体制整備を求める、新しいタイプの交付金とされ、一括交付金とまではいかないものの、趣旨に合致していれば自治体がある程度は、自由に制度設計できるとされています。

一方で、政府が地方創生の理念等を定めた「まち・ひと・しごと創生総合戦略」には効果検証を伴わないバラマキは避けるべきと記載されています。読売新聞は社説で、「景気の下支えを名目にバラマキ策が紛れ込む懸念は拭えない。」と指摘し、朝日新聞は「カギは地方の知恵、国に尋ねるのではなく、自治体間の学びあいが大切だ。」と指摘しています。

この交付金がバラマキと批判を浴びるのか、県民の方に効果を実感していただけるのか。この点において、兵庫県の政策立案能力が問われるのが、本補正予算のポイントだと考えます。

そこで、まず、「地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金」について、実施計画の提出には、議会での審議・議決を除くと、実質的な時間が非常にタイトな中での政策立案となりますが、兵庫県の地域事情に対応した独自性や、バラマキと批判を浴びぬような効果的・効率的な交付金活用について、どのように検討されたのかお伺いします。

 

2 商店街買い物ポイント事業等について

次に、同交付金のうち、「地域消費喚起・生活支援型」を活用した事業について伺います。

地域消費喚起・生活支援型では、ポイント事業や買い物券等で低所得者等への支援を行い、消費喚起等につなげようとしていますが、1999年の地域振興券には、約6194億円の予算をかけたものの、3割程度しか新規消費の創出に結びつかなかったという評価があります。今回も温泉地でのお土産購入券の進呈に11.5億円の予算が計上されるなど、新規消費につながるか疑問符が付く事業も散見されます。

特に、商店街買い物ポイント事業では、約21.7億円の予算が計上されていますが、本事業はアクセスできる人が限定される商店街が対象とされています。商店街振興の重要性も十分理解するところですが、地域消費の喚起という趣旨、公平性の原則を踏まえると、スーパーを含めた様々な規模の事業者を対象とすべきではないかとの指摘もあります。

そこで、商店街買い物ポイント事業や買い物券等を利用した観光・特産品の振興に関して、地域消費の喚起効果と公平性という観点でどのような検討を行ったのか伺います。

 

3 人口減少に対する兵庫創生のビジョンについて

最後の質問は、もう一つの事業「地方創生先行型」に関連して人口減少に対する兵庫創生のビジョンについて伺います。

安倍政権が訴えている地方創生。民主党政権においても地域主権改革を訴えてまいりましたが、地域のことは地域で決める。という方向性に相違はないと思います。

この創生という言葉は、全く新しく創造し、生まれ変わるという意味です。

急速な人口減少と高齢化の進展など、かつてない課題に取り組む日本においては、創生の字の通り、まったく新しい政策の創生も、また求められています。

今回の補正予算における、地方創生先行型の交付金は大項目として、人口の自然増と社会増が挙げられております。平成27年度からスタートする、兵庫県地域創生戦略の策定に向けた実験的取り組みもあろうかと思いますが、従来通りの自然増と社会増で、はたして十分なのでしょうか。

2年ほど前の本会議一般質問において、私は急激な人口減少に対応するには自然増・社会増対策では不十分であることから、インフラを使うから捨てるへ、縮小都市へ方針転換が必要であり、今後は集落や小規模都市の緩やかな移転・消滅・統合に軸足を置いた施策も実行すべきと提言致しました。

その後、日本創成会議による「消滅可能性都市」は大きな反響を呼び、国土交通省は限界集落を維持したコストと地域拠点に移転したコストの比較検証を始めることを決定しました。地域住民の方の感情や意向に十分配慮する必要はもちろんですが、判断の基準となる定量的な試算を今の段階から進めていく必要があります。

そういう中で、本補正予算においては、兵庫県版の人口ビジョン・総合戦略として「兵庫県地域創生戦略」策定予算が計上されています。秋ごろの策定に向けて検討中かと思いますが、急激な人口減少が想定される中、単独維持・拡大ありきの都市政策からパラダイムシフトし、縮小都市・集落の移転や統合も地方創生に資するテーマとなってくるのではと考えます。

また、人口の社会増対策として、農業版設備貸与制度といった今までになかった独自策も本補正予算では計上されています。とはいえ、社会増対策は全都道府県が同じように実施をしているわけであり、今後はより兵庫県の地域性や独自性が求められてくると考えます。

そこで、兵庫県地域創生戦略の策定に当たっての急激な人口減少に対する知事の兵庫創生にかけるビジョンについて、人口の社会増対策として、他の都道府県にはない人を魅了する兵庫県としての政策も含めてお伺いします。

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