前田 ともき議員が質問(県土整備部)を実施

決算特別委員会  [ 10月20日(火)(県土整備部・前田 ともき委員 ]

1 安全安心な我が家のための建築確認検査体制の在り方

阪神・淡路大震災を契機とし、施工不良や法令違反が原因とみられる被害が発生したことを教訓に、平成10年に建築基準法の改正がされた。中間検査制度の導入や建築確認・検査の民間開放、姉歯事件を契機に一定規模以上の建築物は構造計算適合判定の導入など大改正がなされている。

現在は、建築確認、中間検査、完了検査と3つ段階で、建築物をチェックする体制となり、安全性の確保はなされていると思われた。

しかし、ここ数年は違法・手抜き工事が、またもやニュースをにぎわす状況になっている。横浜の大型マンションでは不十分なくい打ちによる傾斜、セメント量のデータも改ざんの報道が。昨年も都内の複数の億ション、日本を代表する大手ゼネコン物件が補強筋やスリーブが一部入っていないことが発覚し、契約白紙などに至っている。

大手事業者・大規模・高額物件で工事監理に十分手当ができそうな物件でもこのありさまである。中小事業者・小規模マンションや戸建ての物件の信用はどう担保されるのか、今までの様々な改正の実効性はどうなのか、また行政の役割がどのように果たされてきたのかにも疑義を感じる。

 

(1)指定確認検査機関や建築士事務所への指導

特定行政庁は報告を受けた確認が建築基準規定に適合しない場合は、通知により確認済証を失効させるなど指導監督を行っている。建築確認や検査のシェア9割以上を占める指定確認検査機関や設計通り工事が施工されているか確認する工事監理者、つまり建築士への指導の現状と実効性についての評価も合わせて伺う。

 

(2)兵庫県建築物安全安心実施計画と見直し

第5次兵庫県建築物安全安心実施計画は、確認検査業務の適正化・円滑化、建築規制の実効性確保、建築物の 安全性確保を図るため、平成23年度から5か年計画で実施されている。これまでの評価と来年度改正のポイントは何か伺う。

 

(3)中間検査・完了検査・工事監理のランダム実施

現計画の基本的方向にある、建築規制の実効性確保では啓発・指導・書類チェックが中心となっている。建築確認、検査フローの多くを民間の指定確認検査機関が実施しており、また、工事監理者も本来の責務を果たしているとは言い難い。

例えば、

・建築主と工事監理者がグループ会社・下請けであるという問題

・工事監理者が一回も現場に行かないなどの名ばかり、名義貸し問題。

・社会資本整備審議会では、建築主が十分な報酬を支払わないことから、十分な工事監理がなされていない状況が相当数あると指摘されていること、などによる。

性善説、現状のチェック体制では不正に対するガバナンスは効かない。

また、指定確認検査機関の確認で生じた第三者に対する賠償責任も、地方公共団体に帰する最高裁判決が確定された中、不正・不法建築物に対する賠償リスクは自治体にもある。

行政が中間検査・完了検査・工事監理のランダム実施を行うことで、更なる建築規制の実効性を担保し、業者等に対するガバナンスを効かせる必要性があるのではないかと考えるが、所見を伺う。

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