石井 健一郎議員が質問(予算審査・県土整備部)

予算特別委員会(予算審査・県土整備部)

質 問 者   石井 健一郎 委員(民主党・県民連合)

1 但馬空港について

(1)機材更新について

来年度、当局は平成6年以降但馬-伊丹間を就航しているSABB機を更新するとして、但馬空港ターミナル(株)(TAC)から運航事業者である日本エアコミューター(株)(JAC)に支払う機材購入費の前金として、1億3,500万円の予算を計上している。更新事業としては28年度から30年度を予定し、全体事業費は27.3億に上る。

しかしながら、平成22年度の予算特別委員会において私がサーブ機が購入から既に15年が経過し耐用年数を迎えるとした指摘に対し、JACからはメーカー側から安全かつ経済的に飛行できる基準として今後15年程度は運行可能であると聞いているとわざわざ申し添えている。また、25年度の建設常任委員会では、フライトの頻度を勘案すると、JACからはあと10年程度は持つと聞いていると答弁しているが、今回の機材更新にあたって県当局による説明が変化し、その理由として、安全で安定的な運航を維持するためと資料に記載されていることは釈然としない。また貸付金約6億が全額回収されたことが挙げられ、県にとっては損ではないとのことであるが、結果として更新のサイクルが早まるとは県費支出が早まっていくことと同意であり、損害が生じていないとは言い難い。JACの機材更新の考えを、直前まで把握できていなかったとは考えにくいが、このようなことが起こったことは問題である。当局の所見を伺う。

 

(2)ATR機について

このたび更新を予定しているATR機だが、48人乗りで、現状では但馬空港に離発着できる唯一の機材である。SAAB機は36席であったが、それでも約62%の搭乗実績であったことを考慮すると、今後、運航の収支不足額への運航補助が増額になるのではないかと懸念している。収支状況の改善に向けた取組みが今後さらに必要になると思うが、当局の所見を伺う。

また、ATRの購入には約27億円とSAAB機のほぼ倍の費用を要するが、利用計画の違いから補助と貸付の割合はSAABが54:46であったのに対し、ATRは60:40と異なるとのことである。そういったことから考えると県の補助金は16.2億円、10.8億円の貸付金となり、前回より負担金額が大幅に増えるが、貸付金の返済計画はどのように見込んでいるのか、あわせて伺う。

(3)羽田直行便以外の路線開拓について

昨年5月に作成された「コウノトリ但馬空港の利活用方策」を見ると、但馬~関西国際空港路線の記載はあるものの、途中経過の議論においては様々な意見が出ていたようだが、結論はやはり羽田直行便実現への強いこだわりが感じられるものになった。羽田便直行便の開設により東京からの交流人口の増加や雇用の可能性を期待されているが、逆に但馬地域の人口流出、さらなる人口減少につながる可能性もある。

また、そもそも但馬地域は人口減少が大きな課題であり、航空機の搭乗率を今後上げるためには、他地域から但馬地域に観光・ビジネス客を呼び込むしかない中、羽田直行便の実現は一つの目標としても、但馬空港のさらなる利活用促進のためには、考え方を変え、関西国際空港路線に限らず、他路線の開拓に着手すべく、その可能性を運航事業者であるJACと協議すべきではないか。当局の所見を伺う。

 

(4)地元負担について

仮に定員50人の機材で1日1便の羽田直行便が実現するとしても、気になるのは、「コウノトリ但馬空港の利活用方策」で、「県が但馬~伊丹路線と同様に運航事業者に対し機材を無償貸与すると、採算を確保した運航が可能である」としていることである。

考え方として非常に認識が甘いと言わざるを得ない。今でも収支均衡不足額の補助を行っている中、このような考え方では県民の理解を得ることはできないと思われる。但馬空港の利活用が地元の総意であるならば、今回の機材更新費用等についてもある程度の地元負担に踏み込む必要があるだろう。そうすることで、地元の但馬空港に対するさらなる意識醸成につながり、ひいては但馬空港の更なる利活用に向けた但馬地域の熱意が県全体に伝わることとなるのではないか。

そのためには、例えば天草エアラインを抱える天草市のように、ふるさと寄附金の活用を働きかけることも有効な手段だと思うが、地元負担のあり方について、当局の所見を伺う。

 

2 商店街の活性化とまちの再整備の推進について

2日前の産業労働部の部局審査において、「商店街の活性化」について質問を行ったところだが、本日は産業労働部とともに商店街の活性化とまちの再整備モデル事業に取り組まれている県土整備部の部局審査において、同様の趣旨で質問する。

近年、商店街を取り巻く環境は厳しさを増している。大規模店舗の進出やインターネット販売の拡大に加え、商店主の高齢化や後継者不足等により、廃業する店舗が増加している。

私の地元である神戸市灘区の水道筋商店街一帯でも、東部の市場エリアでは空き区画が増加し、シャッター街の様相を呈するなど地元商業者は危機感を感じており、このまま手をこまねいていては、地域が衰退するのではないかという危惧を抱いている。

しかしながら、水道筋商店街では、空き店舗活用の起業講座を受けた方が新たに開業されるといった歓迎すべき動きが見られるほか、若手商店主でつくる「わくわく水道筋会議」による情報を掲載した小冊子の発行や、様々なイベントを実施するなど集客力アップに取り組んでいる。昨年10月には、近畿経済産業局から「近畿のイケテル商店街」に選出され、近く開業される「JR摩耶駅」からの誘客を具体的に検討するなど、今のところ一定程度にぎわいを維持しているという見方もできる。

県では、今年度から商店街の活性化とまちの再整備を総合的に支援するモデル事業を実施しており、水道筋地域はモデル地区に指定された。現在、地元が主体的にまちなか再生計画策定に取り組んでおり、私自身もまちなか再生協議会の顧問として、微力ながら活性化支援を行っているところである。

水道筋地域の活性化は端緒についたばかりであるが、今後どのようにこの区域の活性化を進めようとしているのか当局の所見を伺う。

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