石井 秀武議員が一般質問を実施

1 ふるさと意識を醸成する兵庫県民歌の制定について

都道府県を代表するシンボルといえば、「県樹(けんじゅ)」や「県鳥」、「県花」が有名です。ご存じのとおり、本県では、「県樹(けんじゅ)」「県鳥」として「クスノキ」「コウノトリ」を制定しています。また、「県花」として、NHKが郷土の花を募った時に、兵庫県の花として選ばれた「ノジギク」を選定し、郷土愛や連帯感の醸成に一役買っています。この「ノジギク」については、告示が行われていないとのことですので、正式に「県花」として位置づけてもいいのではないかと考えています。

これらのシンボルは、学校教育等で紹介され、子どもから高齢者まで幅広く県民に愛され続けています。そして、これらに続く兵庫県の新たなシンボルとして、私が提案したいのが兵庫県民歌の制定です。

 

現在、ほとんどの都道府県において、公式の都道府県歌が制定されています。主に昭和20年代から40年代にかけて、国体の開催に合わせて、都道府県旗と同様に定めたものが多いとのことです。しかしながら、その住民への認知度は、低いか、無いに等しいのが実態ではないかと思います。

 

そのような中、県内で圧倒的な認知度を誇っている県歌として有名なのが、長野県歌の「信濃の国」です。長野の人々は、国歌「君が代」のように、「県民なら誰もが歌える」と自負し、長野県の調査によると、県歌を「歌える」と回答した県民は9割に上ります。

県内のイベントや自治体の行事はもちろん、全校生徒が集まる朝礼、運動会、終業式、卒業式などの節目の行事に校歌とともに歌われます。また、同窓会や甲子園のアルプススタンドでの応援でも、みんなで歌うといいます。

一方、兵庫県では、兵庫を愛する多くの方々に歌い継がれていくようにと、昭和55年に紙ふうせんの後藤(ごとう)悦(えつ)治郎(じろう)さんから本県に寄贈され、のじぎく兵庫国体、のじぎく兵庫大会の式典音楽になった「ふるさと兵庫」が、県広報テレビのオープニングなどで活用され、県民に親しまれていますが、公式の県歌は存在しません。

平成19年9月定例会で、公明党・県民会議の岸本議員は、この「ふるさと兵庫」を県歌として制定すべきとの質問をされましたが、知事は、直ちに県歌を定めることについては慎重に取り扱わねばならないとのご見解を表明されたところです。

 

少子高齢化が進展し、地域創生の取り組みが本格化する中で、県民の一体感やふるさと意識のさらなる醸成が求められるようになりました。私は、今だからこそ、兵庫県として、長野県の県歌のように、多くの県民に、いつまでも、様々な機会に歌われる県歌を制定すべきではないかと考えています。

2年後の2018年には、兵庫県発足から150 年の節目を迎えます。100年の節目には県民会館などが建てられ、県民の文化活動の交流拠点としてその機能を果たしています。しかし、今は、維持管理にも将来にわたってコストのかかる箱モノよりも、県民のふるさと意識の醸成に向け、「県歌」を広く公募することにより、県民の関心を高め、兵庫の新たなステージへの機運を盛り上げる時代であると考えますが、知事のご所見をお伺いします。

 

 

2 兵庫県立大学の改革について

大学をめぐる環境は、激しく変化し続けています。一段と進む少子化により、18歳人口の減少が加速している一方で、大学数は高止まりのまま推移し、定員割れの大学も大幅に増えており、大学は淘汰の時代に突入しています。

私は、厳しい状況の中で、学生に選ばれる大学であるためには、他の大学にはどこにもない強烈な個性、大きな魅力が大学に不可欠であると考えます。

 

日本経済新聞が昨年発表した、上場企業の人事担当者によるイメージ調査総合ランキングで、県立大学は全国15位、公立大学ではトップにランクされ、同じく大学の地域貢献度ランキングでは、全国3位と躍進しています。

しかしながら、現在の県立大学が、大学受験生に進学したいと思わせるような魅力を持っているかといえば、私は疑問です。

 

特に教育面について言えば、このたびの法人評価委員会の評価結果を見ても、他大学におけるグローバル人材育成に向けた取り組みに比べ見劣り感があると指摘されており、今後、県立大学における海外留学の拡大や留学生の受入促進などを通じた国際人材の育成を一層強化する必要があります。そのためには、海外留学をカリキュラムに取り入れ単位を付与するなど、留学しやすい環境を作っていくことが必要と考えます。

また、研究面では、高度な科学技術基盤を活用した先端研究が推進されているが、今後、県立大学の特色を一層アピールするためには、総合大学としての利点・特徴を最大限に生かし、学部・学科の垣根を越えた研究活動を一層推進していく必要があります。

 

県立大学は、平成25年に公立大学法人へと移行し、自主的な取り組みを進めてきました。平成26年11月には、創立10周年・創基85周年を迎え、さらなる発展に向けて、兵庫県立大学創基100周年ビジョンを公表し、努力を続けていくことを学内外に宣言しました。

これを実現し、日本を代表する大学を目指すためには、経営面での安定化を図ることはもちろんのこと、教学面についても新たな視点で強化していく必要があります。

そのために、県立大学の執行体制について、理事長と学長を分離する方針が提案されているところですが、このことはわずか3年で方針を大転換することであり、そのことの意義を当時議決した議員の一人として真摯に受け止め、分離されることによって、今後は、学長が教学に専念し、グローバル化への対応や学生ニーズに合った教育研究改革を行うとともに、理事長については、経営面について斬新な経営感覚を有する人材が担うなど、ガバナンスの強化を一層図っていくことが必要であると考えます。それ故に新たな体制のもと、大学改革を担う人材にはかなりの見識が求められ、期待されるものも大きいのではないでしょうか。

 

そこで、県立大学が時代の変化に対応し、大学間競争に打ち勝ち、生き残っていくためには、今こそ大胆な大学改革が必要ですが、具体的にどのような取組を進めていくのか、ご所見をお伺いします。

 

 

3 兵庫に外国人観光客を呼び込む取り組みについて

昨年、日本を訪れた外国人観光客は、日本政府観光局及び観光庁の調査によると、一昨年に比べ47%増の1,974万人に上り、滞在中の飲食や買い物、宿泊等で消費した金額が3兆円規模に達したとのことです。

このような中、関西広域連合では、関西を海外から見て魅力ある文化観光圏とするため、「関西観光・文化振興計画」に基づき、関西が一体となって戦略的に事業を進められています。その結果、昨年の関西の訪日外国人訪問率は、観光庁の調査によると40%となっており、海外から年間約790万人、延べ宿泊者数1,592万人が来訪する、首都圏に次ぐ国際観光圏になっています。

一方、京阪神3府県の外国人観光客の動向を見ると、観光庁の調査では、昨年の大阪府への外国人観光客の来訪数は91%増の716万人、京都府が64%増の481万人、兵庫県は54%増の128万人、うち神戸市は108万人で、兵庫は大阪、京都に比べて、大きく遅れをとっています。

また、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの推計では、近畿2府4県の外国人観光客の消費額は、2014年に約4,138億円で、このうち大阪府が約2,420億円と6割近くを占め、京都府は約1,134億円、兵庫県は約359億円と1割にも満たないという厳しいデータもあります。

府県の枠組みを越え、関西をひとつとして捉える観光振興は、当然、大きな意味があり、今後も積極的に進めなければなりません。しかし、これと同時に、今以上にこの外国人観光客の流れを兵庫に導く努力を行う必要があると考えます。東京、京都、大阪間の「ゴールデンルート」に、兵庫も乗せる仕掛けが必要です。

 

幸い神戸は、異人館など近代的で異国情緒あふれる町並みや、ジャズ、洋菓子をはじめとする数多くの神戸発祥文化を育み、港町神戸として多彩な魅力があります。六甲山も、夜景の名所だけでなく、身近な登山ルート、避暑地としての機能をはじめ、六甲山牧場や六甲高山植物園、冬季には外国人が好む六甲山人工スキー場など、神戸中心部から比較的近距離にあることによる、高いポテンシャルを有しています。

 

さきに触れましたように、兵庫のインバウンドの8割以上が神戸に集中しているということを踏まえると、まずは兵庫県と神戸市、そして地元観光業界が強力なタッグを組み、民間資源なども活用しながら、専門的な知見を活かしていく必要があるのではないのでしょうか。県下に総花的にインバウンドの対策を施すよりも、まさに「選択と集中」による戦略的な手法を取ることにより、徐々に県下にその効果をもたらしていく、2段構えの手法を取っていくべきではないかと考えます。

 

5年前より産業労働部に観光監というポストを設置し、観光に力を入れてきた本県において、インバウンドでは出遅れ感が否めない中、現実を直視し、いかに効果を上げていくのか。また、それを検証できるような仕組みを構築し、強気な数値目標を設定すべきであると考えますが、ご所見をお伺いいたします。

 

 

4 神戸西部地域における東西交通の円滑化に向けた取り組みについて

神戸西部地域は、関西地域と九州・四国地域を結ぶ東西交通の要衝で、交通混雑が著しい地域です。慢性的に渋滞が発生している国道2号や第二神明道路の交通を分散させ、神戸西部地域の道路ネットワークを強化するため、昭和63年度より、神戸市の垂水ジャンクションから明石市の石ケ谷(いしがたに)ジャンクションを結ぶ神戸西バイパスの整備を進めています。

平成10年には、明石海峡大橋開通に合わせて、第二神明道路北線とその側道部分が供用され、これと並行する第二神明道路の伊川谷JCTから東側の区間では、渋滞回数が約9割減少し、交通混雑が緩和されるとともに、死傷事故率も伊川谷JCTから西側の区間に比べて約半分程度に抑えられています。

 

しかしながら、永井谷JCT以西が未だにミッシングリンクとなっており、バイパスとしての役割が十分果たせていない状況にあります。今年度事業化が決定した大阪湾岸道路西伸部と一体となった道路ネットワークの構築により、関西都市圏が持つ産業・経済のポテンシャルを十分発揮するために、また、災害発生時の救助・救援活動や物資輸送のルートの確保のためにも、少しでも早い事業推進が不可欠です。

 

私の地元神戸市西区の櫨谷地区では、3年ほど前に、神戸西バイパスの一部となる西神地区への橋梁と数本の橋脚の工事が行われ、完成しました。地元住民は、地域の利便性が向上すると喜ばれていましたが、その橋梁は現在に至っても供用されず、橋脚はそのまま放置されているという状況で、地元の強い期待を裏切る結果となっています。

 

一方、神戸西部地域の東西交通を確保するという観点から、神戸市域は玉津大久保線及び明石市域は江井ヶ島(えいがしま)松陰(まつかげ)新田(しんでん)線(せん)として昭和41年11月に都市計画決定されている道路も、重要な役割を果たすと考えられます。この道路のうち、未整備である国道175号の神戸市西区玉津町小山と明石市大久保町大窪を結ぶ区間を整備することにより、現在、地域内を通る狭隘(きょうあい)道路(どうろ)しか確保されていない東西交通を補強し、国道2号と県道神戸明石線の渋滞緩和等の地域課題を解決することが期待されています。

神戸市と明石市に跨がって道路が計画されており、神戸市西区平野町で圃場整備の一環として、一部の道路用地を確保しているものの、事業が進んでいない状況にあります。神戸市と明石市は、平成26年から神戸西部地域の渋滞緩和を図るための連絡調整会議を設け検討を進めているとのことでありますが、その目処はついていないと聞きます。私は、県として、広域的な交通政策の観点から、神戸市と明石市に対して関与し、渋滞の緩和に努めていくべきであると考えます。

 

先ほどの広域交通を担う神戸西バイパスと、補完的幹線道路である玉津大久保線及び江井ヶ島松陰新田線を整備することで、神戸西部地域の東西交通の円滑化が図れると考えられ、関西の経済成長を加速させるとともに、県民生活においても、アクセスの向上、事故の未然防止、災害発生時対応の確保などが期待されます。

そこで、これらの事業が円滑に進むよう、広域的な観点から、県として積極的に関わっていく必要があると考えますが、ご所見をお伺いします。

 

 

5 日本スポーツマスターズ2017兵庫大会に向けた取り組みについて

昨年の12月定例会に引き続き、私は開催種目の1つである自転車競技の団体の会長でもありますので、そのことを中心に、現段階で抱える問題点などを指摘し、また昨年の12月にご答弁いただいたことについても確認しながら質問いたします。

今年の秋に関西ワールドマスターズゲームズ2021の競技種目別の開催地決定が正式発表されます。私は、その開催に向けて手を挙げ、また、関西広域連合議会においても受け入れについて手を挙げてきました。自転車競技では、3会場がその候補に名乗りをあげていますが、交通利便にも恵まれた県立明石公園内にある自転車競技場での開催は、先般行われました日本スポーツマスターズ2016秋田大会の参加者からも大変期待されたところです。全国規模の大会が開催されることにより、県内唯一の自転車競技場に対して、国体以降老朽化する施設の大規模改修にも目を向けていただけるものと期待しています。なお、会場決定に至るプロセスを透明化していただくのは言うまでもありません。県としてもさらなる誘致への働きかけをお願いします。

 

また、昨年の12月定例会において、私は、日本スポーツマスターズ2017兵庫大会が行われるこの機を捉え、施設の管理運営の方法について、関係者が協議を行っていただきたいと質問しました。高井教育長からは、「競技団体の考えを当該施設の運営に反映させることが大切であるという趣旨であるので、そうした趣旨であれば、これは例えばですが、競技団体、体育協会、園芸・公園協会などの関係者の施設運営に関する協議の場づくりが有効ではないかと考え、今後関係機関とともに、そのありようを検討してまいりたいと考えている」との答弁をいただきました。しかしながら、この協議の場づくりは、本年6月に付け焼き刃的に1度開催されたものの、その後も今日に至るまで、競技団体との協議の場を持てていません。このような状況の中で、来年行われる兵庫大会に大変不安を持っています。

 

さて、日本スポーツマスターズ2017兵庫大会までいよいよ1年となり、県民の参加機運を醸成する取り組みが行われています。私は、9月24日、25日に、本年度開催の秋田大会を視察しました。シニア世代のアスリートによる真剣勝負や頑張りを目の当たりにし、自らも元気や勇気を与えられ、生涯スポーツのすばらしさを改めて実感しています。私が訪れた美郷町立自転車競技場も、町立とは思えないほど整備が行き届き、レースがプログラムに沿って速やかに進められていました。また、競技を観戦された高円宮妃久子さまへの対応も粗相無く行われ、本県においても、周到な準備が必要であると感じたところです。

 

一方、大会本体とは別に、関連事業としての「スポーツ教室」や大会の開催趣旨に賛同した競技団体が実施する「協賛競技会」、また、2002年サッカーワールドカップ大会の日韓共同開催を機に、幅広い年齢層を対象に各種のスポーツ交流を実施することによって、日韓両国の親善と友好をより一層深める「日韓スポーツ交流事業」なども行われる予定で、昨年の石川大会や今年の秋田大会を参考にしつつ、早急に準備を進めなければいけない段階にきています。

 

本年6月には実行委員会が、7月には企画運営委員会が立ち上がったとはいうものの、開催経費を含めまだまだ不確定な要素が多く、大会1年前を迎え、やるべきことが山積しています。国体の時のような体制は取れないまでも、県が一昨年開催県として手を挙げ、決定した経緯も踏まえ、役割と責任を明確にしていく必要があります。

特に、大会本体と日韓交流事業とは分けて対応すべきところであり、競技団体、開催市ごとの個別事情に加え、体力差や温度差もある中で、大会を成功に導いていくためには、県が率先して、競技・開催地ごとにきめ細やかなサポート体制を構築していく必要があると考えますが、ご所見をお伺いします。

 

 

6 警察力の強化を図る神戸西警察署を含めた警察署の整備について

本県の治安情勢を見ると、六代目山口組と神戸山口組の対立抗争をはじめとする暴力団情勢、振り込め詐欺などの特殊詐欺、ストーカー・DV事案などの人身安全関連事案など、厳しい状況が続いており、県民の安全安心な生活の実現に向けて、引き続き警察力の強化が求められています。

私は、この警察力を強化していくためには、治安対策の拠点となる警察署の充実が不可欠であると考えています。

地元の神戸西警察署管内では、刑法犯認知件数や人身交通事故件数は減少傾向で推移しているものの、ストーカー・DVや児童虐待などの事案が増加し、平成28年から過去10年間において、警察官の定員数は25人の増員となり、繁忙な警察署となっています。このため、別館を増築するなど、施設の充実に努めているものの、警察活動そのものに支障をきたすことはないのかと危惧しているところであります。

私は、過去、平成18年11月定例会の一般質問で当局に対して、警察事案の発生増加に伴う警察官の増員等により、神戸西警察署が狭あいとなっていたことから、対策を講じるよう指摘したところ、警察本部長から、県全体で警察業務に必要なスペースの確保という観点から検討を進めたいとの答弁をいただきました。

しかしながら神戸西警察署における現状は、増築を行い、若干の狭あい化の解消を図っていただいたものの、神戸西警察署の利用者からは、駐車スペースが不十分であるなどの声を聞いており、来庁者への利便性、狭あい化への解決に至っていないのが現状であると思います。

さらに、神戸市において、本年度当初予算に、現在、玉津地区にある西区役所の地下鉄西神中央駅前への移転に向けた基本計画の策定が新たに盛り込まれ、西区新庁舎整備について本日までパブリックコメントが行われています。当然、西区役所の移転により、人の流れが変化したり、地区の賑わいが減少したり、治安が悪化するのではないかと不安を感じている住民も多数いると考えます。

私としては、神戸市西区の10年先、20年先を見据えることや、南部地区に犯罪が多発している現状を踏まえると、治安を確保するために拠点となる警察施設も必要ではないかと考えています。

ところで、県内には、昨年、新設された小野署を含めて49の警察署がある。施設の老朽化が進んでいる警察署も多く、現在、耐震改修や尼崎東署の建替、三木署の設計など整備が進められているところであります。

また、県内の犯罪情勢等についても、西区同様で、平成28年から過去10年間において、警察官の定員数も11,685人から11,921人と236人と増員し、体制や機動力の充実強化を図っているが、警察官の定員数が増えることは、すなわち警察署施設が狭あいになっているということでもあります。

そこで、県内の警察署施設の老朽化、狭あい化が進んでいるなか、今後、県民の安全安心を確保するためには、警察力の充実、すなわち警察署施設の確保が必要であると考えていますが、このたびの西区役所移転も見据え、神戸西警察署のあり方を含めた、今後の警察署整備について、どのような方針で進めていくのか、ご所見をお伺いします。

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