石井 秀武議員が質問(予算審査・健康福祉部)

予算特別委員会(部局審査・健康福祉部)

質 問 者   石井 秀武 委員(ひょうご県民連合)

 

1 本県の健康づくりの推進について

(1)健康づくり推進プランの改定について

県民が健康で、元気に生活するには、食生活や運動など健康的な生活習慣が必要不可欠です。平成27年2月定例会の一般質問で、私は、「県民の健康増進等による元気な兵庫の実現」について質問し、金澤副知事から「個人のみならず、地域や職場で健康づくりの実践の輪が広がるよう、健康情報の積極的な発信と健康ひょうご21大作戦の展開により、健康寿命の1年延伸の実現を目指す」とのご答弁をいただきました。

県では、平成23年に健康づくり推進条例を制定し、翌24年には、健康づくり推進プランを策定し、県民の健康づくりを総合的に推進してきました。そして、今定例会で第2次プランが議決されました。この間、本県においても受動喫煙防止条例が施行されるなど、県民の健康づくりを推進するにあたり、その社会情勢は大きく変化しています。

そこでまず、健康づくりにおける現状と課題は何か、またそれらを踏まえ、今般の第2次健康づくり推進プランの改定にどう取り組んだのか、お伺いします。

 

(2)健康寿命の延伸に向けた今後の取組について

本県の平均寿命と健康寿命は、いずれも伸びていますが、その差は、縮まっていません。これは、全国的にも同様の傾向にあります。

(県  H22 男1.38歳/女3.07歳 → H25男1.42歳/女3.08歳)

(全国 H22 男1.47歳/女3.23歳 → H25男1.49歳/女3.24歳)

急速な高齢化に伴い、要介護状態の人も増加し、2025年には約39万人に達する、認知症高齢者も約30~35万人になると見込まれています。また、要介護に至る原因としては、生活習慣病と高齢に伴う認知症、身体機能の低下の割合が多くなっています。

平成29年度当初予算においては、新規事業として、医療ビッグデータを活用した健康づくり支援の事業が計上されていますが、健康づくり推進プランの改定を踏まえ、健康寿命を延伸させ、平均寿命との差を縮めるために、今後どのように取り組んでいくのか、ご所見をお伺いします。

 

(3)ロコモティブシンドローム対策について

ロコモティブシンドロームは、第2次プランの「運動習慣の定着」の中で方針が示されていますが、忙しい働き盛り世代は運動不足になりがちです。推計患者数は、予備群も含めると、全国に約4,700万人いると言われており、40歳以上の男女の5人に4人が、ロコモ及び予備群と推定され、将来的に要介護者になる可能性が指摘されています。加齢とともに忍び寄るため、体力の低下が始まるとされる40代後半を前に対策を講じることが有効とされており、健康寿命の延伸に極めて重要と考えています。

ロコモティブシンドローム対策については、平成25年度の予算特別委員会

において、「メタボリックシンドロームに比べてその認知度が低いことなどから、認知度の向上も含めて、スピード感と危機感を持って取り組むべき重要課題である」と指摘しました。

そこで、指摘から4年が経過し、今回、第2次の健康づくり推進プランを策定されるが、ロコモティブシンドロームの予防に向けた働き盛り世代の運動習慣の定着について、これまでの取組の成果をどのように評価されているのかお伺いします。

 

2 残薬問題対策について

医師から処方された薬を大量に飲み残してしまう「残薬」は、患者の健康に悪影響を与えるとともに、医療費も無駄になります。飲み忘れや、自己判断での服用の中止など理由はいろいろ考えられます。処方どおりに服用せずに症状が回復しなければ、医師はその薬は効果がないものと判断し、より強い薬を出し、その結果、患者の健康を害する危険があります。日本薬剤師会の2007年の調査では、75歳以上の残薬の薬剤費は全国で475億円と推計されています。

残薬の確認は、薬剤服用歴管理指導料として、従来から保険調剤報酬の対象業務とされています。加えて、今年度から、「かかりつけ薬剤師・薬局」には、かかりつけ薬剤師指導料が保険調剤報酬で創設され、患者が自分の担当の薬局薬剤師を選択できるようになりました。さらには、健康サポート薬局の届出も始まっています。これらの制度が定着すれば、複数の医療機関からの処方せんをかかりつけ薬局で、一元的に管理することでき、調剤の重複防止に繋がると大いに期待しています。

厚生労働省の発表によると、昨年度末現在の全国の薬局の数は、5万8千軒を超えており、依然として、コンビニエンスストアの店舗数(日本フランチャイズチェーン協会加入の大手8社の店舗数の合計数(28年12月現在54,501軒))を上回っています。このように非常に身近な存在である薬局が、「かかりつけ薬剤師・薬局」として十分に機能を発揮するよう、例えば、在宅患者の服薬状況に応じた処方の変更等の医師への提言や、訪問による服薬指導などが推進されるよう取り組んでいただきたい。

そこで、残薬問題についての県の現状認識と、今後の薬局薬剤師を活用した残薬問題に対する取組方針をお伺いします。

 

3 ひょうご孫ギフトプロジェクトについて

本県では、平成28年9月から、「ふるさとひょうご寄附金」に5万円以上の寄附をした方の孫や子どもに、県内企業が作った子育てギフトを贈るとともに、その寄附金で県内の私立保育所等に、県産木材の玩具を贈る「ひょうご孫ギフトプロジェクト」を行っています。

その実績を見ると、2月までの半年間に39人から2,344,000円の寄附があり、内訳は、県外からは5人、350,000円と少なく、県内からは34人1,994,000円と約9割を占め、これらは本来税として入ってくるべきものです。そして、寄附金の約1割が返礼品の購入に充てられます。

そもそもふるさと寄附金の本質は、経済的な見返りを求めない寄附金であり、過度な返礼品は制度の趣旨に合わないというのが県の考え方で、私もそのように考えています。

「ふるさとひょうご寄附金」は、応援メニューとして、平成29年度からは16プロジェクトを設けていますが、そのほとんどが、児童養護施設等で育つ子どもの応援や県立学校の環境充実のように、県が行う事業を財政的に後押しするものです。

しかしながら、「ひょうご孫ギフトプロジェクト」は、寄附をした人の孫や子どもを対象に、子育てグッズではありますが、税を使ってギフトを贈るという内容であり、どのような効果が期待できるのか。一部の自治体が、多くの寄附金欲しさに返礼品を贈呈し、それを目当てにふるさと納税を行う寄附者が増えていることが問題視されていますが、これと変わらないのではないでしょうか。

さらに、県下900の保育園等に玩具を贈るとのことですが、返礼品代やPR経費等を考えると、各施設へ届ける玩具は微々たるものです。また、県として実施すべき事業か疑問です。

そこで、「ひょうご孫ギフトプロジェクト」は、来年度も実施する方向ですが、事業効果をどのように考えているのか。また、今後とも事業を継続していく意義について、ご所見をお伺いします。

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