栗山 雅史議員が質問(県土整備部)を実施

質問日:平成29年10月16日

質問者:栗山 雅史 議員

1 交通不便地域のビジョンについて

交通空白地域・不便地域の解消等を図るため、市町などの基礎自治体では主体的にコミュニティバスを計画し、運行されています。兵庫県内においても、多数のコミュニティバスが運行されていまして、昨年度に県が支援したコミュニティバスは27市町363系統で、補助額は5,264万円となっています。利用者数は約320万人と年々増加傾向にあります。高齢化、地域の過疎化・空洞化が進む中、日々の生活に欠かせない交通手段となっており、最近では運転免許証を返納する高齢者も増加するなど、コミュニティバスなどの公共交通に頼る人々も増えてきました。

その一方で、乗客数の少なさなどから運行を中止、あるいは見直しする路線もあり、コミュニティバスの継続的な運行にあたっては、人口動態やニーズなどの地域の動向に配慮しながら柔軟な運行が求められるところです。路線が決められたコミュニティバスは、どうしても目的地よりも大回りして時間がかかったり、あるいは本数が少なかったりして不便だという声もあります。そんな中、現在注目されているのは「デマンド型交通」です。

「デマンド型交通」は、行きたい場所と時間を予約すれば、運行会社が無駄のないような運行を実現するものです。柔軟性に優れた交通手段であり、高齢者の期待を集めているようです。

人口減少下にある中、コミュニティバスをはじめとする県内の細やかな生活交通バスについては、市町を中心に不断の見直しや最適化を図られていると思いますが、兵庫県として、将来の生活交通バスについてどのように見通しておられるでしょうか。平成28年度までの取組みを総括するとともに、デマンド型交通も含めた今後の県内交通不便地域のビジョンについてご所見をお伺いします。

 

2 日本風景街道の活用について

皆さん、日本風景街道というものがあるのをご存知ですか?実はこの日本風景街道、2005年(平成17年)から検討されて2007年(平成19年)、今から10年前に登録をされ始めたものですが、現在全国で139ルートが登録されておりまして、兵庫県内では3ルートが登録されています。その3ルートがどこにあるかご存知でしょうか。

一つ目は「たんば三街道」。これは篠山市、丹波市の水分れ街道、丹波の森街道、デカンショ街道、川代恐竜街道だそうです。2つ目は「但馬漁火ライン」。これは豊岡市から香美町~新温泉町の国道178号、及び山陰海岸国立公園沿いを走る県道香美久美浜線などです。そして3つ目は「新因幡ライン」で、宍粟市の山崎インターと鳥取市を結ぶ国道29号と国道482号などの22町を中心とする「因幡街道」と呼ばれた沿線です。正直、私は不勉強で知りませんでした。

日本風景街道は、「郷土愛を育み、日本列島の魅力・美しさを発見、創出するとともに、多様な主体による協働のもと、景観、自然、歴史、文化等の地域資源を活かした国民的な原風景を創成する運動を促し、地域活性化、観光振興に寄与し、国土文化の再興の一助となることを目的する」と書かれてありました。まさに「ふるさと兵庫」を醸成するのに相応しいものではないかと思いました。また、県内の世界遺産、日本遺産に次ぐ誇るべき地域の財産であり、観光ルートとして国内外の方々に知っていただき、行ってみたいと思わせる取組みや仕掛けを進めていくべきではないかと感じました。

しかしながら、この日本風景街道の県内3ルートの認知度はどうでしょうか。これらの街道を通って目的地を目指すというパッケージプランとしての提案ができれば、ストーリー性があって観光をもっと楽しんでもらえるのではないでしょうか。

また、街道を契機としてイベントなどが開催されているようですが、沿線エリアの方々が中心になっておられるかと思いますが、街道を走ってみて、通って見てこそ、その良さがわかるのだと思います。県が目指されている「交流人口の増加」に繋げていけば良いのではないかと思いました。

そこで質問しますが、この日本風景街道についての県民の認知度についてはどのようにお感じでしょうか。また、県内登録の3ルートでの平成28年度を含むこれまでの取り組みについてご答弁をいただくとともに、今後の3ルートの活用の可能性についてどうお考えか、ご所見をお伺いします。また、短い距離でも日本風景街道に登録できるような街道は県内にほかにないでしょうか。ご答弁ください。

 

3 津門川地下貯留管の整備について

西宮市南部を流れる二級河川の津門川の流域は、高度に都市化した西宮市の中でも、商業施設や阪急・JRの鉄道、国道2号などの阪神間を結ぶ重要な交通網が密集している地域であります。その津門川流域では、過去から豪雨による浸水被害が度々発生し、近年では平成11年、25年に床上浸水等の被害が発生し、周辺住民の皆さんから浸水被害を軽減する対策が長年求められてきました。

そこで、県では現在5年に1回程度の降雨に対する洪水にしか対応できていない津門川に、地下貯留管を整備する計画を立ててきました。地下貯留管は、水位が一定以上に上昇した際に、雨水を一時的に地下へ貯留させるもので、これによって20年に1回程度の降雨で発生する洪水に対しても安全を確保できるようになります。この事業は社会基盤整備プログラムの中に組み込まれ、早期の着手が求められてきましたが、一度計画が延期され、今年度ようやく設計に入ったところです。

ゲリラ豪雨や台風の被害が多くなり、不安を感じることも多くなりました。地域の住民の命や暮らし、経済活動等への被害を軽減し、住民などが安全で安心して暮らしていくために、今後は計画通りに地下貯留管の整備を進めていただき、目標の平成35年度の完成を切に願っておりますが、今後の見通しについてご答弁ください。

 

4 通学路の安全対策の推進について

県では、歩行者の安全を確保するため、自動車交通量が多い箇所、通学路、歩行者の通行に支障がある箇所などで歩道等の整備を推進しているところです。特に、通学路は市町が策定する「通学路交通安全プログラム」に基づいて、学校や教育委員会、警察や道路管理者で連携し、効果的な対策を順次講じています。

そんな中、県は1日に4,000台以上の自動車交通量がある通学路については、平成26年度から平成30年度にかけて43kmの歩道等の整備を目標にされていていまして、現在のところ順調に取組んでおられると聞いております。

そこで2点お伺いします。1つ目は、平成28年度の取組みについてどうであったか、お答えください。2点目は平成31年度以降についてです。県は「自動車交通量が多い通学路」としては、県内全体で654kmと認識されております。次の段階として、14,000台未満の交通量の道路についても歩道等の整備を計画していく予定はあるでしょうか。ご答弁ください。

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