小池 ひろのり議員が質問(企画県民部②)を実施

質問日:平成29年10月10日

質問者:小池 ひろのり 委員

1.再犯抑制と地域安全について

現在、一度罪を犯し、服役して刑を満期した人が、再び事件を犯してしまう人の割合は、48%という大変高い数値になっています。特に、知的障害者や高齢者の再犯率が高く、65歳以上で5年以内の再犯率は、約70%に達していると聞きます。考えられる理由は、一つ目には、生活が苦しく自立するのが困難である事。2つ目に、刑務所の方が安定した生活が出来るからという事を聞いたことがあります。

これは、再犯抑制に向けた施策が、ほとんど取られてこなかったからだと言えます。刑を満期した人は、前科者として不利益を被らないよう個人情報が守られ、完全に一般人と同じ扱いになっています。しかし、就労にしても、一般人と同じ扱いでハローワークでの仕事探しでは、なかなか仕事に就くことが難しいと想像します。再犯した人の約80%が、無職であることからも、この事が裏付けされています。

罪を犯すには、それなりの理由があり、その環境が改善されない限り、再び犯罪に走る場合が多いのではないかと思われます。

それに対して、現実には出所者に対する、就労・住宅・福祉の面での連携した支援の対策が遅れています。いや、ほとんど連携はないと言っても過言ではありません。

そこで、私は4年前に、再犯抑制と地域安全について、県会本会議でも取り上げ、国・県・市町の関係機関が連携して対策に取り組むよう求めました。そして、翌年、兵庫県では全国初の再犯防止関係機関連絡会議が創設されました。しかし、同連絡会議が発足して今年で4年目になりますが、期待に反して、ほとんど実績が上がってないのが現状です。

その理由は、各機関とも担当者が2~3年で変わってしまう事や、同会議の構成機関が34機関と余りにも多くなり過ぎ、年一度の会議では詰めた議論が出来ないままの状態になっていることだと考えます。

そこで、これまで同連絡会議は、どのような活動をし、また、課題をどのように認識しておられるのか、お伺いします。

 

 

2.犯罪予防のための再犯防止の促進について

この問題を取り上げるのにあたって、私はいろいろな機関や県の部局と話し合いをしてきました。犯罪予防で、強いて担当と思われる所へ行くと、「この担当は、うちとは違う」と言われ、最終的には「警察が担当では?」と言われました。

しかし、警察は罪を犯した人を逮捕する組織で、罪を犯しそうな人だからといって、動けるような組織ではありません。犯罪予防で動けるのは、唯一DV関係だけで、数年前から警察が担当することになりました。

確かに、今の縦割り行政の基で、犯罪予防の適切な管轄を見つけることは難しく、これまで犯罪予防が、ほとんど取り組まれて来なかったと言うのが現実です。

しかし、生活が安定すれば、犯罪発生率は低下すると思われます。そのためには、出所後、生活の安定に不可欠な就労支援では、ハローワークや県のしごと支援課が担当になります。また、経済的に生活困窮の場合は、生活保護などの福祉事業が必要な場合があります。これは、市町が担当だと思われます。住む家が必要となる場合は、公営住宅等の斡旋で、県住宅管理課が担当になるかもしれません。また、高齢や障害を有する出所者への地域生活定着の福祉支援など、県の対応が必要となる場合があります。要は、決して一つの部局で解決出来る問題ではないということです。

更に、予算が伴う問題となると、尚更難しくなります。成果と言う見返りがなければ、余計に取り組まれることが困難となるでしょう!

大局から見れば、犯罪予防の段階で取組めば、犯罪を抑え込むことが出来ることは明らかです。

1件の犯罪に対して、犯人逮捕・審判・刑務所の維持管理などの一連にかかる費用として、300万円以上の税金が投入されています。この数値を考えるならば、犯罪が起こってからの対応ではなく、犯罪予防の段階で、もっと税を投入すべきと考えます。せめてその1割でも、予防に予算を付ければ、社会はもっと安全になることは確かです。犯罪を抑え込めば、ニューヨークのように観光客は増え、警察官の増員も必要がなくなり、何より被害者を出さなくてすみます。また、安全・安心して暮らせる社会にすることが出来ます。

更に、税の費用対効果という観点からも、事件が発生してからの対策よりも、予防の段階にもっと力を入れるべきだと考えます。

なぜ出所者に対して、特別な支援をするのかと言う声が聞こえて来そうです。しかし、一般の人が罪を犯す率は、0.2~0.3%と聞いたことがあります。それに比べ、再犯率は48%と言う極端に高いと言う事実を見れば、安全・安心して暮らせる社会を実現するには、再犯を起こさせないことを重視する施策が必要だと考えます。そのためには、国・県・市町・関係団体等、関係機関と思われる横の連携が、絶対必要条件になってくると思います。

そこで、犯罪予防のための再犯防止の促進について、どのように考えておられるのか、また具体的にどのような施策に取り組んでおられるのかお伺いします。

 

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