越田 謙治郎議員が質問( 財政状況)を実施

質問日:平成29年10月6日

質問者:越田 謙治郎 議員

 

1 経済成長と財政収支見通しの考え方について

(1)  平成28年度の本県の経済成長率について

兵庫県の財政収支見通しは、国と県の経済成長が同水準となることを前提としている。私たちは従来から、県政のレベルでは景気をコントロールできないからこそ、県の経済成長を国と同水準であることを見込むことに対しては懐疑的である。決算特別委員会であるので、まず昨年度の実績として、昨年度1年間の県の経済成長率、国とのかい離についてお伺いする。

 

(2)  平成31年度以降の財政見通しの考え方について

平成28年度決算では、法人関係税等が150億円減収した。減収部分は、減収補てん債を発行して当年度の財政状況には影響がないかもしれない。しかし、償還財源のうち75%は交付税で後年度に補填されるというスキームになっているとはいえ、県の実質的な負担額は約38億円となっている。

さて、財政調整基金が十分に積まれるなど財政のバッファーがある自治体であれば、多少の収支見通しのぶれや減収部分は、飲み込めるところであるが、事実上綱渡りとなっている兵庫県の財政状況の中では、わずかなブレが直ちに県民生活に影響を与える危険性は否定できない。自治体の財政は、地方財政計画で大枠を管理されているため、税収見込みだけでは最終はコントロールできないため、自治体だけで判断することは難しいとは思うが、今後の県の基本的な考え方は整理しておくべきだと考える。

具体的には、今後の予定について平成31年度の見通しはできるだけ、国の経済成長率と同様ではなく、抑制的に見積もっていくべきだと考えるが、平成31年度の財政収支見通しの考え方について伺う。

 

2 将来負担の考え方について

(1)  将来負担比率が全国ワーストであることへの評価について

平成20年度以降の改革の取り組みにより、単年度の財政収支不足は改善

してきた。ただ、財政状況の持続可能性はフローである単年度収支ではなく、

ストック指標である将来負担比率こそが今後の財政を見通すうえで重要であることは言うまでもない。県としての将来負担比率が高止まりしている状況への評価ならびに平成31年度以降の展望をどのように考えているのか伺う。

 

(2)  一人当たりの県債残高の抑制について

財政指標の一つである将来負担比率は、将来の財政負担の目途ではある

が、分母は現在の充当可能財源である。ということは、人口が減少し歳入

が減少していくと、充当可能財源も減少していくわけである。

つまり、従来と同じ財政運営を行うことは困難であり、歳入を増やすか

県債の発行を抑制していくのかを決断しなければならない。

さて、兵庫県民の一人当たりの県債残高は、同規模の自治体の中でもトップである。今後、現在の一人当たりの県債残高を維持したとしても、2040年には3.8兆円程度まで抑制しなければならない。そのような視点にたったとき、県として毎年の発行可能財源はどの程度になると考えるのか伺う。

 

3 公共施設等総合管理計画における施設の除却費用の捻出方法について

公共施設等総合管理計画において、何も取組を行わなかった場合に建物は今後45年間で約1兆円、土木インフラは今後50年間で約2.6兆円必要と見込まれるなど、その更新費用等が明らかになった。人口減少を前提として、中長期的な視点からの取り組みであり、今後さらなる取り組みを期待したい。

ただ、その財源をいかにねん出していくのかということが大きな問題になってくる。公共施設の建設に関しては、当然のことであるが、効用が世代を超えるため、県債を発行していくということに異論はない。また、毎年のランニングコストに関しては、受益者である現役世代が負担をしていくということが、財政としての王道である。それでは「壊す」ための費用は、どのように考えているのか。

国では計画に基づき公共施設等の総量を抑制していく場合、「除却債」の発行を認めているが、受益を得ない世代に負担を先送りする除却債は、過去から我が会派は反対の姿勢を明らかにしてきた。公共施設等総合管理計画ができた今、改めて除却等に関する見解をお伺いする。

4 業務委託の見直しについて

(1)  広報紙の業務委託見直しに関する効果について

財政健全化が短期的な課題であれば、人件費削減や事業費の一律削減と

いった量的な改革で十分である。しかし、人口が減少し、高齢化率が高くなっている中では、税金の使い道を見直す「質的な改革」が必要であるということを主張させていただいている。昨年度の決算特別委員会において、「県民だよりひょうご」については、契約額が高止まりしている状況を問題点として指摘し、業務委託について改善を求めた。その後、どのような取り組みになったのか、取り組み状況と効果について伺う。

 

(2)  業務委託の全般的な見直しについて

過去のやり方を見直すというのは、担当にとっては難しいことではあるとは思うが、行政サービスの内容を変えることなく財源を生み出したという方法は、厳しい財政状況の中でも、まだ改善の余地があるということだと思う。

さて、昨年の決算特別委員会では総括審査の中で西上部長は「私どものやり方がベストだとは思っていないので、常に良くなるよう努力させていただきたいと思う。見直しは毎日、毎年やらせていただく。」という答弁をいただいた。当然のことながら、その後全庁的な見直しをしていると思うが、検討結果についてお示しいただきたい。

 

5 税等の軽減措置等について

(1)  昨年度の税軽減措置について

昨年度の税軽減措置の影響額について、まず、県税の徴収に関しては市町との連携の中で徴収率の向上に取り組み、年々成果が上がっていることに感謝申し上げる。ただ、今回の決算特別委員会では、新たな視点として税の軽減措置のあり方について議論をしたいと思うが、その中でも県が独自に実施している軽減措置に着目したい。県が課税している税に関しては、様々な軽減措置が課せられている。私は、政策的な観点から軽減措置を行うことについて異論はない。

しかし、問題は条例等で軽減措置が行われたとしても、その実績については、予算書や決算書に掲載されることがなく、2月ごろに発行される「税務年報」に一部が示されているだけである。私は、制度は一定期間がたてば見直すことが前提であると思っているが、見えにくい状況では、制度の見直し、軽減措置による効果の検証が困難であると考える。そこで、昨年度の県税における軽減措置の実績についてお伺いする。

 

(2)  使用料等の減免措置の見える化について

軽減措置の見える化について今回の決算委員会では、県税の軽減措置に関して質問をしたが、決算書には載らないものはまだある。たとえば、公共施設等との使用料等の減免措置もその一つである。当然のことながら、障害者に対する使用料の減免等を行うことは重要であるが、税の軽減措置も使用料の減免も、形を変えた補助金であるからこそ、いくら減免されているかを明らかにしていくことが重要だと考える。

そこで、それらを県民に分かりやすく説明をしていく必要があると思う。具体的には、行財政構造改革推進方策の報告書等で、明らかにするべきだ

と考えるが、いかがか。

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