◆18年2月定例会 討論

概要 代表・一般質問  議案に対する態度と考え方  討論

平成29年度補正予算案に係る討論(賛成)/越田 謙治郎

ひょうご県民連合議員団を代表いたしまして、知事から提出された第162号議案平成29年度兵庫県一般会計補正予算(第7号)について賛成の立場から討論を行いますが、今後の県政運営や地域創生のあり方について問題提起をいたします。
今回の補正予算は、知事の提案説明でありましたように、そのほとんどが事業の進捗状況に合わせた措置であり、当初から見込んでいたものもあることから問題はありません。ただ、指摘しなければならない課題は、むしろ今定例会開会日の2月16日に経済活性化対策のための29年度補正予算として提案され、可決成立した北淡路地域活性化プロジェクト・水産技術センター機能強化事業・工業技術センター先端記事導入事業において、当初見込んでいた歳入が入らず、繰越明許費として補正することとなったことです。
内容は、国の地方創生拠点整備交付金を活用する予定が、国に先導性の理解が得られず不採択となったとのこと。国の補正予算に合わせて予算化しようとしたものが、国の採択を得られなかったのであれば、一度立ち止まって、事業を再度見直すという選択肢もあったのではないでしょうか?
もちろん、北淡路活性化プロジェクトについては、民間負担を求めるなど財源の確保にご尽力いただいていることは、理解をしています。ただ、実質的な地方の負担なく事業を行うことを前提にした事業と、県としての負担をともなう事業では、前提条件がことなるはずです。
もちろん、それぞれの事業の是非については、前回の補正予算の中で議論をしておりますので、これ以上申し上げません。
ただ、今回の件で私が指摘したいのは以下の2点です。
まずは、現在の地域創生交付金等のメニューは、議会で議決した内容であっても、予算化されないという状況にあります。もちろん、無駄な事業を選定しているとは思えませんが、事業実施はあくまで費用対効果にくわえ、財源の裏付けが必要であることは言うまでもありません。財政制約の中で事業を取捨選択するべきです。つまり、採択されなかった場合のルール化をする必要があるのではないでしょうか。
また、国が地域の先導性を審査するという手法では、地域の自主性が発揮されるとはいえません。私たち地方自治体が求めているのは、あくまで地域の自由度の高さであり、それは党派を超えて必要なものです。井戸知事におかれましては、兵庫県内の多くの自治体が思っているこの状況をしっかりと国に伝え、制度改善を強く求めていただきたいと思います。

平成30年度当初予算案等に係る討論(賛成)/越田 謙治郎

ひょうご県民連合議員団を代表し、ただいま上程中の平成30年度当初予算、関連条例及び事件決議にかかる議案1号ないし第84号議案に対し、賛成の立場から討論を行います。
県政150周年を迎える本年、大きな時代の転換期において、県民から議席をいただていることへの責任の重さを、総額3兆7,138億円の予算案並びに県民の生活に直結する各議案を議決する責任を改めて感じています。
さて、井戸知事は、「新しい時代の扉を開く」との思いを前面に打ち出し、施政方針の中で地域創生への強い決意を述べられました。社会が大きく変わる中で、従来の発想にとらわれず、新しい社会のあり方をデザインしていかなければなりません。
我が会派としても、昨年11月には「予算編成に対する申し入れ」を行い、その後の政務調査会、今定例会での代表質問や一般質問、常任委員会での審査、予算特別委員会における質疑・質問を通じて、来年度予算について慎重に審議を行ってまいりました。
以下、来年度当初予算案を中心に、評価すべき点や積み残された課題について、意見を述べます。
まずは、予算編成全体・財政状況等について意見を申し上げます。
本議会で上程された平成30年度予算案は、阪神淡路大震災以来続いてきた財源不足を解消し、財政収支均衡を実現したものとなりました。
県民の皆さんのご理解やご協力、さらには職員の皆さんの努力の賜物でもあります。
もちろん、財政収支均衡が果たされたとはいえ、兵庫県財政は厳しい状況にこれをもって財政制約がなくなったわけではありません。震災時に発行した県債は依然として約3,600億円に上ります。また、この10年間で発行した退職手当債や行革推進債もあわせて約4,000億円、さらに本来積み立てておくべき県債管理基金の不足額も1,425億円に上ります。
中長期的な視野に立ち、人口減少に合わせたストックの総量の見直し、一人当たりの将来負担の軽減をしていく取り組みを強く求めます。
また、予算委員会では、知事査定やそれに至る事業選定のあり方について議論いたしました。行政評価との連携した事業の見直し、政策決定過程の透明性の確保、事業選定における説明責任を果たすことが重要です。
次に、地域創生について、意見を述べます。 
懸命の地域創生の取り組みにもかかわらず、少子化に歯止めはかかりません。毎年44000人の出生を目指していましたが、残念ながら平成29年はわずかに届かない状況でした。また、人口流出超過数も「下げどまり感」があるものの、依然として全国ワースト2位という状況に危機感を覚えます。
ただ、東京・首都圏への一極集中という状況は、人口減少下では時代の大きな流れだとも言えます。そのような時代に適応するためには、県が前面に出て地域創生を行うという役割から、市町が行う地域創生に対し、専門性と広域性の観点からサポートしていく、伴走者としての役割へと変化していくことが求められています。そのような中、平成30年度よりスタートする「ひょうご地域創生交付金制度」は、県が市町を伴走者として支援しようとする象徴的な事業だと考えます。執行段階においても、県内の市町間で住民の奪い合いをするのではなく、連携しあうことで地域の価値を高めていただくことを期待しています。
こののちは、ひょうご県民連合が特に強く主張している分野において、意見を述べさせていただきます。
まずは、医療・福祉分野において意見を述べます。今年度は保健医療計画の改定という大きな動きがある1年です。2025年を見据えた取り組みが重要です。今年度予算では、在宅医療・在宅介護の充実が図られるほか、医療・介護人材の不足への対応も進められてきています。今までの地域社会を支えていた人材そのものの高齢化、単身家庭の増加などに家族の介護力の低下など、今までの社会を支えてきた前提条件が大きく崩れていく中で、将来ビジョンを描きながら、地域包括ケアシステムが十分に機能するよう、その強化に向けた取り組みが最優先課題です。
また医療における地域間格差の解消、障がい者への支援拡充、とりわけ「親亡き後」の問題など、どんなに厳しい財政状況であったとしても、政治の温もりが必要なところに届くような財源の配分を求めていきます。
産業分野に関しては、過去から大きな問題の一つであった事業承継の問題に関しては、国や関係機関との連携の中で事業承継ネットワーク事業がスタートします。
またIT企業の誘致対象区域が拡大する等の取り組みが進められています。また、中小企業の人手不足対策としての実施している兵庫型奨学金返済支援制度は、昨年度の討論の中でも訴えてまいりましたが、制度としての拡充が実現しました。ただ、常任委員会の場でも指摘しましたが、利用者が想定を下回る状況を考えると、さらなる周知徹底などを求めてまいります。
子育て・教育分野については、我が会派としては「未来への投資」を最重点課題の一つとして掲げていることから、特に意見を述べていきます
代表質問や一般質問等でも指摘をしていますが、現在兵庫県内の子育て環境を語るうえで、待機児童の問題は避けて通れません。
共働き世帯が増加している中、私たちも前提を変えていかなければなりません。そのような中、保育定員の拡大に対する補助制度が予算化されたほか、私たちが過去から強く求めていた延長保育の充実などに取り組まれていることは大いに評価できるものです。
また、教育分野においては、最重点課題である教員の負担軽減に向けた取り組みの一環として「スクール・サポート・スタッフ」の配置が決定しました。本年度の取り組みを検証し本格実施されることを望みます。
次に農政環境分野においては、議案45号で主要農産物種子生産条例を全国に先駆けて提案する等の素早い対応に敬意を表します。農業の持続性をいかに担保していくのか。県としての取り組みに期待しています。
その他、災害対応などの危機管理、快適な地域づくりに向けた取り組み、共生社会に向けた取り組みなど、県として取り組まなければならない課題は決して少なくありません。繰り返しになりますが、社会の前提条件が変わる中で、
従来の発想にとらわれない、新たな発想での行政運営を強く期待をいたしま
す。
最後に、あらためて今回の議会を通じて、私たちの立ち位置、私たち政治家が取り組まなければならない課題について明確にしていきたいと考えています。
世の中には、多くの不条理があります。それぞれの人生の結果は、最終的には自分にしか帰結できないとはいえ、一人では向き合うには大きすぎる課題がいくつもあります。そのような中、それらの不条理に向き合い、それぞれの立場の人に寄り添い続けることが政治家としての役割です。
私たち兵庫ひょうご県民連合議員団は、今年度も県民の視点に立ち、議会のもつ行政への監視機能を執行段階においてもしっかりと担っていく覚悟をもって今後も議会活動に取り組むことを表明し、討論を終わります。

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