上野 英一議員が質問(予算審査・産業労働部)

第339回定例県議会 予算特別委員会 <産業労働部>

質問日:平成30年3月8日
議員名:上 野 英 一

1.ひょうごのツーリズムの推進について

(1)日本遺産「銀の馬車道・鉱石の道」の活用について

ひょうごゴールデンルート推進の2段階目として、神戸、姫路城、城崎温泉の3拠点を中心に据えた外国人個人旅行者誘客の強化、3拠点から丹波・淡路地域も含めた周遊拡大に向けた事業を展開、世界的な事業者と連携したプロモーション、体験型観光・日本遺産を活用した周遊促進、ひょうごゴールデンルート周遊ガイドの育成とある。本県のインバウンド取り込みが、京都、大阪に大きく水をあけられていることは先の代表質問でも指摘があったところである。今後も自治体間の競争が熾烈化していくことが予想されることから、この取組には期待している。

こうした海外からの誘客に加え、国内からの誘客促進もまた重要であり、そのためには、県内の様々な観光資源を生かす必要がある。中でも、力を入れていくべきと考えているのが、姫路と城崎の間に位置する福崎町、市川町、神河町、朝来市、養父市の広域にわたる日本遺産「銀の馬車道・鉱石の道」である。銀の馬車道の取組は当初、民間団体の「市川流域アメニティ推進協議会」による市川の保全と銀の馬車道を通じた地域おこしとして始まった。そして、平成18年に、当時の生野・大河内・神崎・市川・福崎・香寺町と姫路市、中播磨県民局等で、「銀の馬車道ネットワーク協議会」を組織し、取組を進めてきている。

鉱石の道でつながる明延鉱山・生野銀山は産業歴史遺産として姿・形が残っているが、銀の馬車道は、極わずかに神河町内にその原形と姫路市の生野橋の名前に名残がある程度である。このこと自体は残念なことではあるのだが、日本初の高速産業道路というレガシーを基盤にした地域活性化の取組が日本遺産という形で実を結んだこともあり、一層の取組が模索されている。

これまでの取組で一番の成果は、松竹新喜劇にもご指導や協力を頂き、2007年7月に結成された「銀の馬車道劇団」による人情喜劇「銀の馬車道」の取組だと思う。公演自体は年に一度か二度しかないが、劇団員は銀の馬車道沿道に住む地域の人たちを中心に構成されており、大道具も自前、団員は毎年公募され、小学生だった子供が青年となり、舞台指導なども行うようになっており、人づくりと銀の馬車道を生かしたふるさと意識の高揚に大いに役立っていると考えている。

地元の意識は高いので、ツーリズム振興の取組は、日本遺産「銀の馬車道・鉱石の道」も踏まえたものであっていただきたいと考えている。

そこで、日本遺産「銀の馬車道・鉱石の道」のツーリズム振興における活用について、所見を伺う。

(2)プロモーション活動について

国内外からの観光客の目的は、有名観光地や地域の原風景を訪れることのほか、地方の暮らしや歴史に触れたり、文化やスポーツ等を体験すること、に変わっているように聞く。たとえば、神崎郡で言えば、福崎町には柳田國男と河童で有名な辻川界隈、寄棟と日本式庭園が立派な数多くの民家がある、アイアンクラブ発祥の地市川町、14年振りの新設スキー場「峰山高原リゾートホワイトピーク」等々がある。こうした地域資源を点から線・面に展開をするためには、県広域の連携も必要であるとともに、世界的なプロモーションとの連携も必要と考えている。

たとえば、昨年は神姫バスツアーが神戸・姫路城・城崎温泉の中間に位置する峰山高原ホテル「リラクシア」を宿泊地としてコースに入れて、台湾からの観光客500人を誘致した。さらに、先日姫路市が中心になって、日本旅行と一緒にシンガポール・タイからの誘客プロモーションの取組を行うなど、市町、民間それぞれ力を入れているようである。

兵庫県としても、市町等とも連携し、地域資源を生かすプロモーション活動が必要だと考えるが、30年度においてはどのように取り組もうとしているのか伺う。

NEWS

一覧を見る