前田 ともき議員が代表質問を実施

質 問 日:平成30年9月28日(金)
質 問 者:前田 ともき 議員
質問方式:一括

1 多様な寄付金による収入確保について

(1)寄付獲得に向けた取組について

税金の使い道は自分で決めたい。社会のために役立てて欲しい。そんな思いから、個人寄付は2009年5,455億円から2016年7,756億円、法人は5,467億円から7,909億円と増加しています。ただ、GDP比で見た場合日本0.14%、アメリカ1.4%と1/10の水準です。今では、欧米に引けを取らない税制が整備され、自治体には新たな、そして大きな収入確保策として期待できる分野ではないでしょうか。

ふるさと納税は2013年の145億円から2017年3,653億円と大幅に伸びました。返礼品ではなく、魅力的な資金使途でふるさと納税をクラウドファンディングで集める方法を5年ほど前に議会で提案しました。今ではガバメントクラウドファンディングとして、多くの自治体で採用されています。兵庫県のふるさと納税はまだまだ改善の余地があり、広報官のアドバイスも受けながら改善すべきことを指摘しておきます。

県立大学や高校も取り組みが必要です。日本の大学収入の寄付は公立で1%たらずであり、研究者は研究費の少なさや助成金の書類に忙殺されると聞きます。筑波大学は研究開発費の募集でreadyforとタッグを組み、落合陽一研究室では1,900万円を獲得しています。また、文科省は40校にファンドレイザー雇用の助成金を支給するなど国も寄付金獲得の推進を支援しています。母校に恩返ししたいという気持ちをどうすくっていくか、「その研究って面白いね!」という気持ちを寄付につなげる発想が必要です。他にも、病気や怪我でお世話になった病院、美術館など、自治体は寄付を期待できる素材を多く持っています。

そこで、これまでの兵庫県の寄付獲得に向けた取り組み状況と課題について、当局のご所見をお伺いします。

 

(2)多様な寄付金による収入確保とファンドレイザーの設置について

次に、3点、提案します。

遺贈寄付は遺言で財産を子や兄弟などの法定相続人以外、つまり県に寄付してもらおうということです。

年間相続額は52兆円と推計され、遺贈してもよいと思う人は約5割。遺贈理由の1位は「何処に遺産を託すか自分で決められること」が46%、「社会や周囲への恩返し」が37%。つまり、社会のために自分の財産を使って欲しい、寄付したいというニーズは非常に大きいのです。また、国や地方公共団体に寄付した金額は相続税の対象から控除されるようになったのも大きな追い風です。

次に、寄付型私募債は企業が資金調達のため発行する債券で、金利や手数料の一部を学校やNPOなどに寄付する仕組みです。2016年度の関西における寄付型私募債は前年度3倍の390億円とCSRの観点から大幅に増加しており、0.2%が寄付と想定すると8,000万円となります。金融機関と提携して、様々な寄贈先の紹介を行ってはどうでしょうか。また、保証協会の保証料を寄付の原資として提案するのもどうかと考えます。

最後に、ファンドレイザーは寄付獲得の専門人材です。これまでの指摘、全てに共通する課題が人材です。個別部署や学校、市町村ごとに寄付を募集するのでは、人員不足、ネットワーク不足、提案力不足に陥ります。兵庫県出身者などの名簿整備、金融機関や会計士・弁護士などの富裕層を顧客に持つ組織とのネットワーキング、加えて寄付者のニーズに合わせた多様な寄付使途を提案する必要があります。金額によっては、冠基金や資金使途をオーダーメードで設計するのも必要です。このような業務はジョブローテでは難しく、また、市町村も単独では非効率です。兵庫県がハブとして役割を果たしていくべきではないでしょうか。仮に間接費込みで年間800万円の人件費がかかっても、寄付は100%収入なので攻める人材採用です。

そこで、遺贈寄付や寄付型債権など新しい寄付をどう推進していくのか。また、兵庫県全体を所管するファンドレイザーを採用し、体制整備を図るべきではないかと思いますが、当局のご所見をお伺いします。

 

 

2 県民サービスの向上について

人口減少対策に住民を県外から呼び込もうと多様な施策・税金が投入されています。例えば、東京・神戸にはカムバックセンターを設置しており、今年度の予算は約4,500万円で、開設から2年7ヵ月の累計実績で44組75人となっています。

営業戦略で知られることに、1:5の法則があります。新規顧客の獲得には既存顧客の維持コストの5倍かかるというものです。人口流入より、流出対策に資金を投じる方が効果的でないでしょうか。また、県の施設やサービスは県民の税金で生み出されているのですから、県民優先の発想で見直しをすべきでないでしょうか。

例えば、私立高校の授業料への補助について、お子さんが神戸市から奈良県の高校に通っている方からメールを頂きました。国の就学支援金は受けられるのに、県の授業料軽減補助は大阪や岡山など隣接府県が対象で奈良や滋賀はもらえないとのことでした。

教育のために引っ越しする人も多いですから、県外流出してもおかしくありません。しかし、長い通学時間・高い交通費を払いながらも兵庫県で居住を続ける、県に納税していただいている、そんな人が隣接府県でない、ただそれだけで助成を受けることができないとはおかしくないでしょうか。このような制度で県に住んでいてよかった、税金払っていてよかった、これからも住み続けようと思っていただけるのか。極めて疑問です。

他には、ウェスティン淡路ですが、行くたびにいいホテルだな、朝のブッフェ最高だな、もっと多くの人に利用してもらいたいなと思います。これも県民の税金を使って建てたホテルであり、フル活用していただきたい。ウェスティン淡路の客室単価は約16,500円、稼働率68%で、実質1部屋売上は11,200円です。そこから、旅行会社に支払う仲介手数料を15%として控除すると、1室9,500円となります。だったら、県民は直前予約なら1部屋1万円で提供してはどうでしょうか。

ウェスティン淡路は収益アップ、県民は割安に泊まれてラッキー、淡路島は観光振興と三方良しです。

さらに、県立大学で言えば、人生100年時代に学びなおす重要性が指摘されています。自己啓発後は年収が15.7万円の増加、非就業者は就業率14%増と効果的です。日本は学び直しがOECD11%以上に対して2%、リカレント教育の充実が求められています。県立大学の聴講生制度は1単位14,800円と高く、10人程度にしか使われていません。講義なら、参加者増加のコスト増はほぼゼロです。ハーバードが授業をオンラインで無料公開する時代、例えば県民を対象に月1万円、講義出席し放題にしてはどうでしょうか。ルールを変えるだけで、県立大学には収入を、県民には学びの場を提供できます。

今ある施設や施策もうまく知恵を絞れば、県民に新しいサービスやメリットを財政負担なく提供できるのではないでしょうか。

そこで、住んでいてよかった、納税してよかったと実感いただける県民優待・サービス充実が必要と思いますが、当局のご所見を伺います。

 

 

3 国民健康保険の適正化対策について

本年1月、兵庫県国民健康保険の運営方針が策定されました。

そこで、運営方針に記載されていない事項、県が主体的に行うべきと考える事項について、現状と対策を伺います。

1つ目は、柔道整復療養費です。

全国の柔道整復療養費は平成27年度で3,789億円。「接骨院にいくと保険でマッサージ」そんな声を聞いたことはないでしょうか。肩こりや筋肉疲労に保険が使われている実態が多くあります。他に、肩・腰・ひざなど一度に多くの部位の施術費を請求する事例もあります。平成23年度で見ると、兵庫県は3部位の請求率が50数%、全国平均で40数%、最下位は山形県の10数%とかなりのばらつきがあり、不正請求の懸念があります。柔道整復師に対しては、指導・監査の実施を徹底すべきであり、また患者調査は県が一括して行ったほうがよいのではないでしょうか。

2つ目は、医科・歯科・調剤の保険診療です。

厚生労働省の発表では、2016年度の返還を求めた金額は約89億円。群馬大学病院では死亡事件をきっかけに監査が行われ、5年間で13億4500万円の返還がなされるなど、不正・不当請求の実態は全国で我々の予想を超える規模かもしれません。

近畿厚生局と連携した合同指導・監査は適正にされているでしょうか。従来は不正請求の回収は市町村が行っていましたが、法改正で、県による回収が可能となりました。指導・監査権限を持つ県が一括で広域的に・効率的に行うべきではないかと考えます。

3つ目は外国人の国保不正利用です。

最近では、医療のために在留目的を偽って訪日する外国人への懸念が高まっています。高額療養費制度を活用すれば、治療費が年間1,000万円かかっても自己負担は月数万円です。保険制度のない海外から見れば天国のようです。海外療養費にも不正の懸念があり、自治体でできる対策はないのでしょうか。在留外国人は約250万人ですが、今後、農業や建設等5業種で2025年までに50万人の外国人労働者の受け入れを予定しており、協会けんぽや国保に大きな影響が予想されます。

そこで、これら国民健康保険の不正請求に関する指摘事項を踏まえた国保療養費の適正請求の現状と対策について、当局のご所見を伺います。

 

 

4 住宅セーフティネットのあり方について

公営住宅は住宅に困窮する低額所得者を中心に、三世代入居やDV被害者など様々な方が入居しています。2017年度の応募倍率は2.8倍ですが、本当に必要な人に供給できているのでしょうか。民間との競合になっていないか、また入居できた人、できなかった人の公平性はどうなのでしょうか。立地や間取りでオーバースペックになっていないかなども考えていく必要があります。

例えば、入居要件は収入/資産を厳格化すべきではないでしょうか。相応の収入や資産を保有している方には民間に住んでいただく必要があります。収入基準を超える方には明渡努力義務が発生しますし、高額所得者には、近傍家賃の2倍まで引き上げることが可能ですが、対応はどうなっているでしょうか。所得がなくとも資産がある人もいます。資産の申告義務化、虚偽申告への罰則や金融機関への調査も必要ですし、本当に困っている人のための県営住宅なのか検証する必要はないのでしょうか。

また、1戸当たりのコストを削減していく必要があります。

例えば、公営住宅は一等地にもありますが、地価の高い公営住宅は建て替え時に売却し、安価な立地に建て替えして財源を生み出してはいかがでしょうか。また、最低面積は25㎡ですが、賃貸サイトで調べると、県内で5.8万件の物件がヒットし、25㎡以下は1.3万件と約2割も占めます。自力で家賃を払う人が狭い住宅に住み、税金の補助で住む人が広い家に住む、何か違和感を感じないでしょうか。面積を2割カットして、浮いた財源で供給数を2割増やす考えもあるのではないかと思います。

ちなみに、私が20代の時は年収が同世代の倍はありましたが、家賃圧縮のためハウスシェアをしていました。多くの人は何かを得るために何かを我慢しているのです。

さらに、県営住宅の駐車場は約2.6万区画に対して、空き区画は9,350と利用率は64%、県営住宅に1つはカーシェアリングを設置すべきです。そうすれば、経済的に車を持てない人や通院などで一時的に必要な人も安価で利用でき、利便性が高まるのではないでしょうか。

誤解ないよう再度指摘しますが、公営住宅に入居できた人と入居できない人の公平性に大きな格差が生じてないか、立地の組み換え、居住面積・建築スペックの見直し、入居審査の厳格化や駐車場の外部開放のさらなる推進などで財源を生み出し、その分を入居できない人に還元すべきだということです。

また、昨年10月に住宅セーフティネット法が改正され、兵庫県も関連計画を策定中です。これは、県内で35万以上ある民間の空き物件を活用して、高齢者、低額所得者、子育て世帯などに住宅を提供し、低額所得者には家賃補助が行われる制度です。2013年の空き家率が13.0%、民間予測では2030年に27%と人口減少に伴い急上昇が見込まれる中、民間住宅の活用はすばらしいと思います。加えて、利用者にも立地・間取り・入居時期など民間住宅の方がメリットは大きいのではないでしょうか。また、県営住宅は建てたら70年は運用していく必要があります。将来の住宅需給に対して、超長期のリスクをどれだけとるのか、住宅セーフティーでリスクヘッジをすべきでないかと考えます。また、先に指摘したオーバースペックについて、この制度なら登録住宅の面積も自治体裁量で引き下げが可能です。県営住宅と入居対象も重複しますし、ひょうご県営住宅整備・管理計画にある2025年4.8万戸は、セーフティネット住宅も含めた数値に変更すべきでないでしょうか。

そこで、公営住宅の最適化の考え方についてお伺いするとともに、あわせて住宅セーフティネットの活用を踏まえた住宅確保要配慮者向け賃貸住宅供給促進計画について、どのように進められようとしているのか、当局のご所見をお伺いします。

 

 

5 eスポーツへの対応について

eスポーツへの取り組み方針について伺います。

eスポーツとは、1人でコツコツするテレビゲームではなく、対戦相手や仲間を必要とする競技です。例えば、シューティングや野球、サッカーなど、本物さながらのフォームで全身を使って操作する動きもあり、スポーツとして捉える流れになっています。世界中で競技人口が既に1億人以上。ゴルフが6,500万人、野球が3,000万人ですから相当な規模です。2019年の茨城国体では競技会が決定し、2022年のアジア競技大会の正式種目化、2024年のパリ:オリンピックでも正式種目を検討中とのことです。

どうやら単なるブームではありません。また、老若男女や障害者のインクルーシブ性や大規模施設が不要な点はリアルスポーツよりむしろ優位性があるといえます。

 

(1)eスポーツの部活化について

専門指導者は不要ですし、サッカーなら部員は最低11名必要のところ、eスポーツなら数名なので小規模校にはリアルよりいいかもしれません。しかし、私も中高校生時代に母から言われました。「ゲームしないで勉強しなさい」。今も保護者にはそのような考えを持つ人が大勢を占めていると思います。

しかし、全米州立高校協会は高校でeスポーツを採択し、中国は「体育種目」と認定しました。海外の国や教育現場で採用が進んでいるということは、一考の余地があるのではないでしょうか。新規の部活は校長判断ですが、eスポーツって何?と言うレベルでしょう。

そこで、部活への導入について、教育委員会が方針を出すべきでないかと考えますが、教育委員会のご所見をお伺いします。

(2)産業振興の促進について

新産業として先手で施策を考えるべきでないでしょうか。

驚くべきことに、お隣の韓国では「国家と自治体はeスポーツ振興のために必要な施策をしなければならない」「自治体はeスポーツ施設の造成や大会の開催支援をすること」などeスポーツ振興の法案整備がされてます。さらに、2020年までに約9億円の予算で常設競技場を3カ所新設するとのこと。台湾でも法改正でスポーツ産業と認めました。しかし、国内では金沢市がeスポーツ活用検討費を120百万円つけたくらいで競合はいません。今なら先行者メリットが取れます。

例えば、産業振興につながる取組のひとつとして大会誘致が考えられます。東京オリンピックのプログラムとしてeスポーツを行い、関西に誘致すれば、インパクトが大きいのですが間に合いそうにありません。そのため、ワールドマスターズゲームズ2021関西にeスポーツを追加提案、もしくは関連イベントの実施を検討してはどうかと考えます。

そこで、eスポーツイベントの誘致や今後の産業振興策について、当局のご所見を伺います。

 

 

6 プログラミング教育のあり方について

第3期のひょうご教育創造プランの検討が進んでいます。県の役割が期待されるのは、特にプログラミング教育ではないでしょうか。

プログラミング的思考を含む情報活用能力は新学習指導要領において、言語・問題発見・解決能力と同様に学習の基盤となる資質・能力として位置付けられました。単なるコーディングではなく、将来どのような職業に就くとしても、時代を超えて普遍的に求められる力として「プログラミング的思考」を育むのです。2020年度から小学校では、算数や理科、総合学習など教科横断で学ぶことになります。高等学校では、全ての生徒が履修する「情報Ⅰ」を新設し、プログラミングやネットワーク、データベースについて学ぶこととなっています。

日本では、授業でコンピューターを使っている生徒の割合はOECDで最も低い水準です。ハードの整備、教師の能力向上などまだまだ対策が必要です。文科省は2018年6月に市町村の教育委員会の取り組み状況を公表しました。現状では、「特に取り組んでいない」が57%と進んでいません。

また、2020年は英語や道徳も教科化するなど、教職員の努力だけでは限界があります。従って、外部人材の活用や企業との連携が重要ですが、各学校・小規模教育委員会で個別に対応することは難しく、効率性の面でも課題があるため、県教育委員会が主軸となり対策が求められるのではないでしょうか。

さらに、教職員に対する研修よりも、県教委で学習動画を作成して、生徒はその動画で学習し、現場の教師はコーチングに専念する、5年前にも提案しましたが、後手に回るプログラミング教育こそ、このような仕組みが求められるのではないでしょうか。

また、高校教育の実施はまだ先ですが、関連授業を先行して拡大させていく必要性があるのではないかと考えます。

そこで、市町教育委員会への支援体制の構築やプログラミング教育に対する考えについて、教育委員会のご所見をお伺いします。

 

 

7 県警のガバナンスに対する監察と公安委員会の役割について

(1)監察体制の強化について

警察庁作成の「監察高度化の報告書」を参考に、我々が重視している点を指摘しながら、県警ガバナンスについて伺います。

報告書では、まず理念。ここが大事です。

監察は非違事案の責任追及、組織上の問題点を把握し、是正や業務改善を行うことで、能率的な職場環境を構築する部署と位置付けています。つまり、「警察の警察」から「警察の組織ドクター」の役割にという考えです。大企業は、過去の不祥事から内部統制について、平成16年に法制化されました。財務の信頼性や資産保全、法令順守に加えて、業務の有効性・効率性の4項目となっています。企業も不正・ミスを防ぐ狭義の監査から、経営管理という捉え方に広がっています。監察官にも業務の効率性・有効性を是正する役割を期待したいのですが、その際、現行の監察体制、権限・人員で十分なのかについても考えていただきたいと思います。

さて、報告書には「無謬性神話」を排し、「非違事案は起こり得るもの」という前提に立つ、とあります。行政に対しては、常々ゼロリスク志向からの脱却を訴えていますが、特に警察が指摘したのは画期的です。非違事案や政策の失敗などをゼロにするのは不可能ですが、「ミス0」を目標にすると隠蔽はもちろん、99.99%のまじめな職員の業務に支障が出る過剰な規制やルールなどにより、組織の効率性が阻害されます。また、チャレンジ精神が失われ、どんどん保守的になり、後手後手の政策しか打てなくなります。失敗はどんな組織でも必ず起きる前提に立った組織体制、ルール整備が現実社会では必要です。

不祥事を低コストで防ぐための方策として一罰百戒があります。処分の基準は厳格に、そして原則公開すべきです。他の県警事例ですが、盗んだクレジットカードで回数券を買った職員について、窃盗・詐欺の可能性が高いが減給以下の懲戒となっていました。身内に甘くないか疑問が残るところです。

懲戒処分の公表基準は警察が一番ゆるいと考えています。多くの都道府県は職務にかかわらず免職、停職、減給、戒告のすべてを発表しており、防衛省も同様です。しかし、警察は減給、戒告は職務に関係しない限り、原則公表していません。県警に対する信頼性、不祥事・不正への牽制という点でも、懲戒基準の厳正化と4懲戒全てを公表すべきであると思います。

そこで、組織管理・効率化まで拡大する監察の役割と課題、独立性や人員など監察体制の強化について伺うとともに、懲戒処分の厳格化と原則公開についても併せて、県警のご所見を伺います。

 

 

(2)公安委員会の役割について

とはいえ、監察はあくまで県警組織です。どこまで本気で切り込めるかという点があります。従って、公安委員会の役割も重要です。

県警本部長は監察の実施状況、四半期ごとに公安委員会に報告しており、公安委員会は、具体的・個別的な事項にわたり指示する仕組みとなっています。

しかし、県警からの情報提供だけでなく、外部・内部通報による情報収集や課題認識も必要です。残念ながら外部からの情報提供を受ける苦情申出制度は、今も文章による郵送・持ち込みのみです。しかも、赤字でご丁寧に電子メールやファックスでの申出は、受け付けておりません、とあります。本当に問題点を幅広く収集し、組織改善に役立てようとしているのかきわめて疑問です。

そこで、公安委員会は県警組織のガバナンスに対してどのような職責を果たしてきたのか、あわせて公安委員会として独自に組織の問題や県民の声を拾う努力をしているのか、公安委員会のご所見をお伺いします。

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