向山 好一 議員が一般質問を実施

質 問 日:平成30年10月1日(月)
質 問 者:向山 好一 議員(ひょうご県民連合)
質問方式:一問一答

 

1.県民緑税の見直しについて

兵庫県では、平成18年度より「県民緑税」を創設し、県民税に個人は800円、法人には資本金等の額に応じて超過課税し、年間24億円程度の収入を見込んでいます。

一方、政府は平成30年度税制改正の大綱で、仮称ですが「森林環境税」の創設を決定し、現在の方針としては国税として、国内に住所を有する個人に対して、年額1,000円を課することになっています。「森林環境税」の課税自体は5年後の平成36年度からとなっていますが、その税収を当て込んで地方に配分される、こちらも仮称ですが森林環境譲与税は、来年度、平成31年度から交付されることになっています。

「県民緑税」の目的は、「森林の防災面での機能強化とまちなみ緑化」。

一方、「森林環境税」の目的は、「温暖化防止や災害防止」。事業主体が県と市町の違いがあるにしても、森林を整備して環境対策と防災面の強化を図っていこうとする大きな方向はさほど違うものではなく、二重課税になるのではないか、との疑問が拭えません。

また、「森林環境税」の課税が始まる5年後というのは、平成26年度から同額1,000円を加算しているいわゆる東日本大震災の復興特別税が終了する翌年にあたり、住民から徴収している税金を廃止することなく名称を変更して継続して徴収しようとする国の姑息な考え方が透けて見える増税路線です。兵庫県は、国のこの悪のりに便乗することがあってはならないのではないでしょうか。

以上の観点から、平成32年度までを第3期として課税している現在の「県民緑税」の事業について、「森林環境税」での事業との関連性をしっかり検証し、県民緑税を早急に廃止するか、減額すべきではないでしょうか。

知事のご見解をお伺いいたします。

 

 

 

2.神戸市の認知症事故救済制度について

神戸市は、今年の4月に「認知症にやさしいまちづくり条例」を制定しました。その条例の第8条に「認知症と診断された人による事故について給付金を支給する」となっています。そして、その事故救済制度にかかる経費として年間3億円、その財源として来年4月より市民税に上乗せとして400円の超過課税を予定しています。

確かに、高齢者事故、特に認知症と診断された者による事故は加害者も被害者も悲劇であり、社会全体で救済しようとする趣旨に異を唱えるつもりはありません。しかし、その給付金の財源を公平性と公正性が厳に求められる税によるとなると、私は多くの疑問を抱かざるを得ないのです。

その1つが事故とは何をさすのかという点です。やはり最も社会問題となっている交通事故を含まないとなると、この制度の意義を失うのではないでしょうか。仮に含むとなると、現在の制度では、医師の診断の結果、認知症と判断された場合は運転免許の取消し等の対象となりますが、現行の道路交通法と整合は図られているのでしょうか。

次に、いったい対象をどう規定するかという点です。神戸市が現在検討しているものは、加害者が神戸市民であれば被害者が市民であろうと市外住民であろうと給付金の対象となり、被害者が神戸市民であれば加害者が市民であろうと市外住民であろうと給付金の対象になります。つまり、認知症の東京都民が神戸市に来て、神戸市民に事故を負わせたら、加害者であるにも関わらず、神戸市民の負担で救済が行われる制度になるのです。

これは神戸市民の理解が得られるのでしょうか。事故というのは、どこで起こるかわからないし、事故の補償というのは、被害者救済と加害者救済とがセットで成り立っていることを考えると、このような救済制度は広域で対応すべきものであり、国の制度にすべきものであります。

兵庫県として、神戸市が創設しようとしている認知症事故救済制度が良い制度だと思っているのであれば、せめて兵庫県としても取り組むべきではないでしょうか。県のご見解を伺います。

 

 

 

3.神戸市内での公営住宅の統合整理について

県営住宅の整理統合について伺います。

私、以前より不思議に思っていることが1つあります。それは、同じ公営住宅法に基づく県営住宅と市営住宅が、別個に建設し、別個に募集し、別個に管理していることです。つまり、住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与するという同じ目的のためなら別個に事業をする必要がないのではないか、という単純な疑問です。しかも、同じ行政サービスに兵庫県は平成29年度決算ベースで、一般会計から48億円投入しています。

兵庫県の説明は、「県営住宅の役割は、市町域を超えた広域需要への対応、広域行政の利点を活かした緊急的な需要への対応」であるのに対し、「市営住宅の役割は、市域内の需要に特化した対応、地域に密着した一時的需要への対応」として役割が違うと仰っています。ごもっともなことのように聞こえますが、私には違和感があります。

昭和26年に公営住宅法が出来、高度経済成長期には人口が急激に伸びるとともに都市化が急速に進み、公営住宅の供給が不可欠でした。しかし、現在はどうでしょうか。人口減少・超高齢化社会を迎え、若年者の都市部への流入の受け皿というよりは、実情は単身高齢者の割合が増え続け、広域需要から地域に密着した福祉的見地での対応が主流になっているし、さらに今後も傾向が顕著になっていくという時代に変わっています。

このトレンドを見て、平成28年の兵庫県・神戸市調整会議では、「県営住宅と市営住宅の連携強化」が議題になり、新長田の新合同庁舎での運営団体の同居やHPのリンク、共通募集チラシの作成などを手掛けておられますが、根本的な解決になっていません。

この似通った行政サービスは、まずは政令都市である神戸市の市営住宅と県営住宅の統合を図るべきではないでしょうか。既にお隣の大阪府と大阪市では実現していますし、新潟県と新潟市でも移行段階に入っています。

兵庫県のご見解を伺います。

 

 

 

4.ラグビーワールドカップ2019の盛り上げ策について

(1)大会全体の盛り上げ策について

日本ではもちろんアジアでも初めて開催となるラグビーワールドカップが1年後の来年9月20日に開会されます。日本での認知度はあまり高くないですが、このラグビーワールドカップは、オリンピック、サッカーワールドカップと併せて世界3大イベントと位置づけられるほどの世界中が注目する一大イベントなのです。現に、前回の開催地イングランドでは観客数だけで250万人を数えています。

その一大イベントの試合が神戸のノエビアスタジアムで4試合組み込まれています。兵庫県でのラグビー人口の裾野を広げたり、インバウンド増を図る絶好のチャンスを迎えています。

しかし、どれだけの神戸市民、兵庫県民がそのことを知っているでしょうか。残念ながら県下での盛り上がりを感じることはほとんどありません。

神戸市が中心となり体験型イベントやバナーの掲示、あるいはKobelco Steelersチームとタイアップしてイベントを開くなど数々の盛り上げ策を実施、あるいは実施予定とされてはいますが、地味な取組が中心で認知度と盛り上がりはイマイチと言わざるを得ません。

ここで提案ですが、今大会を一過性のものとすることなく、レガシーを残すことを重要視した盛り上げ策として、例えば「ふるさとひょうご寄附金」を活用してはどうでしょうか。「ふるさとひょうご寄附金」の応援メニューに追加し、広く県民に「ふるさと納税」を呼びかけ、大会の認知度を高めてはどうかと考えます。寄附金の使い途としては、例えば、モニュメントを会場の「ノエビアスタジアム」敷地内に建立したり、青少年のラグビースクールを開催している小野浜グラウンドの芝生化など、後世に歴史を伝えるものが考えられます。

そこで、県としてラグビーワールドカップ神戸大会の認知度向上や盛り上がりに向け、どのように取り組んでいくのか、「ふるさと寄附金」の活用も含め、当局の所見を伺います。

 

 

(2)インバウンド対策について

2点目はインバウンド対策です。

先ほども申しましたが、前回大会では250万人の観客がスタジアムに訪れ、テレビ視聴者は40億人と言われています。開催期間もオリンピックの17日間に対し2.5倍の44日間、開催地が全国にまたがる、さらに参加国がヨーロッパ、オセアニア地域等世界各地ということを考えると、来訪者は長期滞在と高消費単価が見込まれます。自国の試合の観戦に来られた外国人観光客をいかにして兵庫・神戸に長期滞在型で呼び込むのか、これからの兵庫のインバウンド対策上、非常に重要だと思いますが、どのような戦略的マーケティングやプロモーションをお考えでしょうか。当局の見解を伺います。

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