竹内 英明議員が一般質問を実施

第343回 定例県議会 一般質問要旨

質問日:平成31年2月21日(木)
質問者:竹内 英明 議員
質問方式:分割方式

1 公立高校入試について

(1)調査書の学習評定の基準明確化と共通ルールづくりについて

公立高校普通科の入学者選抜の場合、中学校の通常の学習評価である調査書の学習評定の点のことを、その昔は内申点といったが、これが250点満点、学力検査の点数が250点満点、合計500点満点で合否が判定される。当日の試験である学力検査はさておき、自分の調査書の評定が何点なのか。

ある受験指導のHPサイトでは、兵庫県では中学3年生の2学期の評価がそのまま調査書の評定となるといった誤った記載や1学期、2学期の成績だけが評定となるとの記載も見られる。

県教委が公表している平成31年度兵庫県公立高等学校入学者選抜要綱では、得点換算の元となる「第3学年の評定は、平成31年1月以降において、第1、第2学期の成績を十分参考にして行う。この場合、生徒全員について、教科ごとに、5段階とする」と記載されている。確かにこれだけを見ると、1、2学期の成績のみが評定に反映されると誤解してもおかしくない。実際に現場の教員に確認すると第3学期の初めに実力考査を行うので、その結果と1、2学期の成績を含めて、改めて評定をつけるとの答えだった。私も誤解していたが、このような誤解が堂々と世間にまかり通っていることはよくない。調査書の評定の仕組みをもう少しわかりやすくすべきではないか、当局の所見を伺う。

また、この調査書の評定については、合否決定後の情報公開について手続きを定めているものの、事前の公表については明文化されたルールは存在しない。

やはり、志望校を決める三者面談等の場で保護者が担任の教諭から評定を聞き出すことがあるようで、市町や学校、教員によってその開示基準が異なるという。ある中学校関係者が言うには、個別の評定の公表は控えているものの、問われた場合には9教科の合計点(45点満点)を教えているという話だった。個別の評定を事前開示すると保護者から「なぜうちの子の国語の評価が低いのか」などのモンスターペアレンツのような事例が出て学校が混乱することを避けるためでもあるそうだ。よく理解できる。杓子定規に全て教えないのも冷たいし、特定の生徒だけが自分の評定を全て知っているという状態は受験に際して公平ではない。県教委として最低限のルールを定めておく必要があると考えるが、当局の所見を伺う。

(2)推薦入学・特色選抜の合否判定の透明性確保について

毎年2月に実施される推薦入学・特色選抜入試は、一般入試と違い、入試を実施する高校ごとに一定のルールを決めているが、中学校側からすると、想定外の結果が出ることがあるという。特に運動部活動が盛んな学校で面接や小論文等の評価が難しい試験項目がある場合、中学時代での運動部成績が内申点の差をはるかに凌駕したものになる事例などもあると聞く。そうであるならば、事前にそうした合否基準を推薦する中学校や生徒側に開示してほしいとの声をきいた。

現在の規定では高校側は、独自の推薦入学の結果を県教委に報告することになっているが、80人受験して60人が合格した、といったごく簡単な報告が必要なだけで、ある関係者は「推薦入学の合否判定はブラックボックス」と言っていた。

推薦入学・特色選抜を実施する場合は、合否判定の点数内訳を事前に公表すると共に、その個別の合否判定内容を県教育委員会に報告するか、または当該学校関係者以外の第三者が時に監査する制度のようなものを導入すべきではないか。学校が運動部等での活躍を期待して恣意的な合否判定をしているとの中学校側からの疑念が微塵にもあってはならない。そうした生徒を取りたいならば、当初から運動部の大会成績等を大きな加点要素とするならその得点枠を示し、その内容を公表すれば問題はないと考える。こうした公表された一定のルール、公平なルールを用いるべきだと考えるが、当局の所見を伺う。

 

2 学校給食における「まるごと兵庫県給食」の実施について

昨年2月の本会議一般質問において、県政150周年給食として県内小学校を対象に神戸ビーフ又は但馬牛を使った県下一斉給食を提案した。当時の高井教育長は、「大胆な提案だ。神戸ビーフだと100g3,500円として、1人50グラムでも29万食で5億円ほどかかる」と難色を示されたが、私は諦めていない。食を通じた県民意識の醸成、特に子どもの頃の感受性が豊かな時期にこうした取組をしておくことが、将来的なふるさと意識につながると確信している。

実は県下一斉給食というものを実施している都道府県がある。たとえば昨年山形県で、まったく同じ日に山形県の小中学校すべてで、山形県が開発したお米、新しいブランドである雪若丸を給食で一斉に使った。群馬県ではぐんま・すき焼きの日オールぐんますき焼き給食、愛知県では愛知を食べる学校給食の日、鹿児島県の鹿児島をまるごと味わう学校給食の日といった事例もある。

県費を多く使わなくても、市町に協力してもらい、県産食材のものでなんとか給食ができないか。長崎県では、年2回、県内まるごと長崎県給食ということで、各市町が献立を考え、その食材は必ず長崎県内で採れたものを使って実施しており、テレビなどでも取り上げられた。子どもの頃からそれが当たり前の文化になっているという。

他府県の事例を見るとその実現はそれほど難しくないと考えられる。神戸ビーフや但馬牛にこだわらないので、兵庫県でも県下一斉に県産食材を使用した給食の実施を提案するが、当局の所見を伺う。

 

3 はりま姫路総合医療センター(仮称)の救急機能の充実について

平成30年4月の保健医療計画の改定において、中・西播磨圏域が統合され、播磨姫路圏域となった。今年度は、保健医療計画の圏域版の策定作業がすすめられており、先日パブリックコメントの募集が行われ、当圏域の重点取組として救急医療の推進方策などが検討されている。

現在、当圏域の3次救急については、県立姫路循環器病センター及び製鉄記念広畑病院がその役割を担っており、整備がすすめられているはりま姫路総合医療センター(仮称)開院後は、新病院がその機能を引き継ぐこととなっている。また、新病院の整備に併せ、圏域外に移動している高度急性期及び急性期患者への対応強化を図るため、診療機能の拡充も検討されていると聞く。2022年度の開院に向け着実に整備事業が進むことを期待する。

しかし、救急医療を充実させるには、搬送された患者への診療機能を充実させることも重要であるが、早期の治療を行うために、ドクターヘリはもとより、ドクターカーなどを配備し、できるだけ早く救急の現場にかけつけることが重要と認識している。さらには、現場から的確に受け入れ病院を探し搬送するには、地域の救急搬送を担う市消防局との連携も重要と認識している。

そこで、はりま姫路総合医療センター(仮称)の整備について、診療機能の拡充や、早期治療を実施する救急体制の整備などについて、今後どのように取り組んでいく方針か、当局の所見を伺う。

 

4 河川整備について

(1)二級河川 大井川整備事業について

大井川は姫路市の中心市街地西側、姫路市町坪から西庄、西今宿へと続く山すそに沿って流れ、水尾川に流れ込む夢前川水系の二級河川である。河道断面が小さく、昭和51年(1976年)には台風17号による豪雨で1,300戸もの家屋が浸水し、昭和58年、平成2年にも多数の家屋が床上浸水するなど、頻繁に浸水被害を起こしてきた。そこで、50年に一度の大雨にも耐えられるように河川改修計画を策定し整備を進めている。二級河川ということで法律上は県が管理する河川だが、姫路市が整備することを前提に河川法による二級河川として指定した過去の経緯があり、姫路市が国・県の補助を受けて実際の整備を進めている。

本改修事業は私の生まれる2年前の1972年(昭和47年)度に事業化し、2019年度で47年目となる。今でも毎年のように床下浸水が起きている。最も被害が大きい西庄町では25歳から45歳までの若手が西庄自治消防団という任意のボランティア団体を作り、大雨の予想される夜には徹夜で警戒及び水防活動にあたり、高齢者の住宅を守るために頑張っていると聞く。

事業開始からほぼ半世紀。計画終了年度は平成35年つまり2024年度となっているが、2024年度では事業完了は難しいという話もある。これ以上の事業の遅れは許されない。2024年度で完了するのか。事業の進捗、財源の確保について当局の所見を伺う。

(2)夢前川の被災箇所の復旧について

昨年7月の西日本豪雨の際に姫路市内各所で被害が出た。そのうち県管理二級河川の夢前川、書写橋下流付近では、護岸と床止めの2箇所が被災している。

護岸の被災箇所は、堤防上には往復2車線の姫路市道があるが、被災箇所はブルーシートで覆われたまま、片側通行となっており、仮設信号機が設置され、交互に通行している危険な状況である。

また、下流の床止め被災箇所は、河床の低下により、床止めが折れ曲がった状況となっている。

地元の話では、被災箇所の河川中央部に土砂が堆積し中州が形成され、水の流れが両岸に分かれ、直接護岸に沿って水が流れたため、洪水時の水の流れの力により、護岸を浸食し、また河床の土砂を流出させ被害が発生したのではないかとのこと。いずれにしろ周辺住民の不安は大きい。護岸と床止めの復旧に向けた県の対応状況と今後の見通しについて当局の所見を伺う。

 

5 近隣自治会等が反対する山林における太陽光発電への規制について

山林等での大規模な太陽光発電施設については自然との調和の観点から昨年3月に条例基準を強化し、50ha以上の特に大規模な施設については事業区域内にある森林のうち60%を残すこと、国立・国定・県立自然公園を含む場合には森林のうち80%を残すこととされた。再生可能エネルギーの理念から、CO2を吸収する役割もある森林を削減してまで行うことに疑問を感じてきた私の立場から、基準改正に賛同の意思を表明したい。

また、先月21日に行われた県市町懇話会の場で庵逧佐用町長から事業者間の転売等で実際の所有者が分からなくなって、問題が起こった時に対応がされなかったり、固定価格買取制度が終了し、高額での買取が行われなくなった際にそのまま放置される懸念、その積立金等の課題について発言があったそうだ。

私が昨年の本会議で取り上げた姫路市砥堀の甲子園球場43個分の大規模計画の事業者はシンガポールに本部を置く外資グループが出資した特定目的会社(SPC)であり、この点でも住民は懸念をしている。昨日も1万5千人の追加反対署名を自治会から中播磨県民センターに届け、これまでの提出数とあわせて4万8千人の署名が提出されたと聞いている。大変な数である。

そしてやはり最も反対している点は、山の斜面等からの太陽光パネルの崩落や森林伐採による保水力の低下による山崩れなどへの懸念である。

この点では姫路市林田町下伊勢、国道29号沿いで、昨年7月に大雨により崩落し未だに撤去されずに放置してある太陽光パネルに、地元住民が不安を持って暮らしているという現実がある。

このことについて、県としてどういった対応をしているのか、今後の見通しについて、また転売の繰り返し、事業者の倒産や清算等で所有者が不明となり、撤去計画が不履行となる場合、県として対策を考えているのか、当局の所見を伺う。

 

6 国民健康保険被保険者証の氏名へのフリガナ記載の必要性について

日本は国民皆保険制度の国である。議場の皆さんはどんな健康保険に加入しているであろうか。どんな健康保険証をお持ちだろうか。皆さんの健康保険証の氏名の欄にフリガナはついているだろうか。

私の場合は姫路市発行の国民健康保険の保険証であるが、フリガナはついていない。聞けば、国民健康保険法施行規則の保険証様式にはフリガナは入っていないそうだ。一方、県の行政職員が加入している地方職員共済組合、学校の教職員が加入している公立学校共済組合の組合員証、一般的には保険証であるが、フリガナ入りだ。県内の中小企業の従業員が加入している全国健康保険協会管掌健康保険(いわゆる協会けんぽ)でもフリガナ入り。大企業等が個別に運営している健康保険組合でもその多くはフリガナ入りと聞いている。

兵庫県の国保について調べると発行する市町によってフリガナがあるところとないところがあるそうだ。なぜ私がこの質問をするか。

私の知人で小児科診療所に勤務しているスタッフが待合で患者である国保加入者の子どもの名前を呼ぶ時に保険証を見て呼んだのだが、名前を正しく読むことができなかった。患者の親から怒られたそうだ。最近の若い人の漢字の名前をフリガナ無しで全て読めるだろうか。私も卒業式に来賓として行く機会があるが、一体どんな漢字を宛てているのだろうという名前がかなりある。診療所や病院では個人の特定に問診票等で留意をしているとはいえ健康保険証は重要な個人特定の証明書である。個人の特定に資する保険証へのフリガナ記載が必要だと思う。政府も行政機関が住民の氏名のフリガナを正確に登録活用するための統一的な運用方針を策定することになったと報道されている。

国保はこれまでは市町の事務だったが、2018年度から国保の都道府県単位化によって保険者に兵庫県が加わった。医療機関等での患者識別等の重要性にも鑑み、国民健康保険証の氏名のフリガナ記載を市町に助言していく必要があると考えるが、当局の所見を伺う。また、現在、フリガナ入りの保険証になっている県内自治体名についても併せて伺う。

NEWS

一覧を見る