◆19年9月定例会 会派提案の意見書案

意見書案 第11号

公職選挙法の改正を求める意見書

民主主義の基本である公職の選挙は、有権者の意思を政治に正しく反映させる重要な役割を担っており、公正かつ適正に行われる必要がある。
しかしながら、今年4月に実施された兵庫県議会議員の選挙を含む複数の地方議会議員選挙において、住所要件を満たしていない者の立候補の届出を選挙管理委員会が受理する事例が発生した。
地方議会議員の被選挙権における住所要件は、地域の代表として地域の問題を把握し、住民意思を正しく議会に反映させるためには必要なものであるが、立候補届出書に記載された住所を確認するための書類の添付が法令上義務づけられていないため、届出時に容易に住所が確認できない状況にあり、候補者から必要書類を形式的に不備なく提出された場合、住所要件を満たしていなくても受理せざるを得ない状況にある。
また、立候補届受理後、被選挙権のない候補者に対する投票は、公職選挙法の規定により全て無効投票として扱われ、結果として多くの民意が失われることとなる。
近年、投票率は低下傾向にあり、今年の統一地方選挙においても多くの地域で平均投票率が過去最低になるなど、その低下に歯止めがかかっていない。そのような中、投票したにも関わらず、有権者には全く責任のない問題で無効投票となることは、選挙に対する有権者の信頼をさらに失いかねない大きな問題である。
よって、国におかれては、住所要件を満たさず被選挙権がない者からの立候補を抑止するため、立候補届に必要な書類として住民票の写しと居住実態を証明する書類の提出を義務づけるよう公職選挙法の改正を強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和元年10月25日
兵庫県議会議長  長 岡 壯 壽

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