上野 英一議員が質問(公安委員会)を実施

平成30年度決算特別委員会 公安委員会

質問日:令和元年10月10日

質問者:上野 英一 議員

 

 

1.警察官の不祥事とその対応について

9月29日に鉄道警察隊所属の27歳の女性巡査長がJR相生駅のトイレに拳銃などを一時置き忘れる事件がありました。しかも、本人は忘れたことに気づかず、その後の勤務を続けたと報じられています。幸い約1時間半後にトイレに入った女性客の通報により事なきを得ましたが、私には信じ難いことでした。

拳銃は、帯革という警察官が腰に巻いている革のベルトに警棒などの装備品とともに携帯されていますが、トイレで用を足す際に取り外し、そのまま忘れてしまったのだと思います。

うっかり忘れるということは、人間であれば誰にもあり得ることだと思いますが、その後も気が付かないことがあるのだろうかと考えてしまいます。

また、この不祥事に関連して、内容は全く異なりますが頭の中に浮かんだことがあります。それは、昨年4月に彦根市河瀬駅前交番で起こった19歳の新人巡査による上司の警察官射殺事件と、2005年のJR宝塚線脱線事故で問題になったJR西社による日勤教育です。

普通の状態では、いつも身につけて勤務している拳銃を忘れるようなことは、まずあり得ないと思います。それを忘れるということは、忘れた本人がかなりのストレスを感じており、その影響が不祥事につながったのではないかと懸念するところです。

これまで、度々不祥事が発生するたびに対策を取られてきておられますが、不祥事をなくすためにはマニュアル的な対応に加えて、メンタル面でのフォローも重要であると思います。

そこで、これまで5年間における傾向別の懲戒処分者数の推移を伺うとともに、原因分析の結果を踏まえた再発防止対策について、ご所見をお伺いします。

 

2.警察署の適正配置について

次世代に向けた兵庫県警察の組織の在り方を考える懇話会の答申に基づき、警察署等の再編整備(素案)が示され、適正配置に向けた取り組みが始まりました。再編整備案は、小規模警察署の事態対処能力の強化等に置いたものであると謳ってありますが、兵庫県町村会から「兵庫県警察組織の再編整備に関する緊急要望」が出され、「犯罪の高度化、複雑化、広域化をはじめ、時代の変化に的確に対応しうる警察組織の再構築の必要性については理解できるところであるが、住民生活の安全、安心の確保に重要な役割を果たしている小規模警察署、警部派出所や交番及び駐在所の再編整備の検討にあたり、関係自治体住民や関係機関等との十分な意見調整を行い、再編整備を進めること」との要望が出されています。

また、町村会長の庵逧佐用町長は、「管理部門の集約合理化を行うと聞くのだが、少人数の署よりも都市部の多人数のところでの集約合理化の方が、効果が大きいのでは?」と仰っていました。

私は、再編にあたり気になる点として、1点目は欠員の多さです。警察官は体力的にも精神的にも非常に大変で、マンパワーが必要な職業だと思っています。そのため、離職率が高いなどの理由で欠員が多くなるのは仕方がありませんが、再編整備計画を考える上で、この欠員を減らすような検討もあわせてされているのでしょうか。また、2点目は警察署によっては警察官1人あたりの刑法犯認知件数に大きな差があり、これを解消するために集約をされるのは一定必要なことと考えておりますが、集約しても機動的に動ける体制となるよう検討がなされているのでしょうか。

そこで、これから丁寧に関係自治体住民や関係機関等との十分な意見調整を行われると思いますが、再編整備にあたりどのような検討がなされたのかお伺いします。

 

3.高齢者の免許更新、自主返納について

(1)免許更新手続きについて

高齢者のアクセル・ブレーキ踏み間違い等による重大事故が数多く起こっていますが、高齢者の運転免許証更新状況について伺います。

県内の自主返納(全部取消)は、平成24年中で5,490人、うち経歴証明書発行は4,508人で、65歳以上の占める割合はそれぞれ約95%です。その数は年々増加し、平成30年中では、自主返納が21,026人、うち経歴証明書発行は19,744人、65歳以上の占める割合は約96%となっています。また、平成30年中で、免許更新時の認知機能検査を受検された方が74,833人で、うち認知症の恐れと判定された方が1,549人でした。

私の近所で満93歳の方が昨年3月に免許更新されたのですが、少し耳が遠いのと背中が少し曲がっているぐらいで、普段から農作業や古文書・歴史の研究をされていた方ですが、12月に突然夜と昼が逆転するなどの認知症の症状で入院、退院後は車いす生活となり、今年の7月に老衰で他界されました。身近でこのような普通に生活されていた方が急に認知症を発症し、亡くなるといった経験をしたものですから、免許の更新時に、例えば認知症の兆候などが本当にわからなかったのだろうかと感じるところです。

また、事前にお聞きした認知症機能検査を受検された方は74,833人であり、そのうち1,549人が認知症の恐れと判定されたとのことでしたが、これは約2%程度であり、厚労省の発表した65歳以上の高齢者の約7人に1人が認知症(2015年時点)という発表からすると、非常に少なく感じます。

団塊の世代が75歳以上となる2025年問題など、今後も高齢者が増加し続けます。そのため、免許の更新時にしっかりと歯止めをかけるような対策をとらないと、今後も高齢者の事故が減少していかないのではないでしょうか。

そこで、免許更新にあたって認知機能検査の内容とその後の手続きについてご所見をお伺いします。

 

(2)免許証の自主返納促進策について

高齢者の安全運転対策について、本定例会で急発進防止装置の設置補助制度が可決されましたが、免許証の自主返納を進めるための施策についても必要ではないかと考えます。

自主返納により免許がなくなることから、身分証明のその一つに、運転経歴証明書交付があります。この度、免許証の更新を受けなかった者に対しても5年間遡り交付されることになり、手数料徴収条例も改正されることとなりました。

県全体でいろいろの施策を展開されていますが、自主返納を促すにあたっては返納のインセンティブをもたらす補助制度の創設なども有効であると考えます。

私の近くの福伸電気株式会社が電動カートを作られておりますが、時速2~6㎞で、連続走行距離29㎞です。都心部では勧められませんが、交通量の少ない郡部では最適だと思います。郡部では車がなければ移動が非常に困難となります。自主返納で公共交通機関の割引等はありますが、そもそも公共交通機関が少ない状況があります。そのため、例えば、地域で行う交通安全イベントなどで、このような代替案を紹介し、自主返納につなげては如何でしょうか。

そこで、地域によって自主返納に向けた取組を工夫する必要があると考えますが、現状どのような取組をされているのか、ご所見をお伺いします。

 

 

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