木戸 さだかず議員が質問(企画県民部②)を実施

平成30年度決算特別委員会 企画県民部②

質問日:令和元年10月8日(火)

質問者:木戸 さだかず 委員

 

1 自治体クラウドの推進について

自治体クラウドの取組が全国で進んでいます。自治体クラウドとは、情報システムを庁舎内で保有、管理せず、外部のデータセンターで保有、管理することで、災害などで庁舎の情報機器が壊れても、クラウド化している他の自治体から情報を引き出せるというもので、各自治体が同じフォーマットで情報共有することで経費の削減にもつながるという、大変優れモノの取組です。

本県でも、県内市町のクラウド化に向けて取り組んでいますが、平成30年4月時点で、自治体クラウド導入済の自治体が、養父市、朝来市の2団体で、単独でクラウド化している自治体が、13団体、そして、未だクラウド自体を導入していない自治体が26団体となっており、自治体クラウド導入は約5%、単独クラウドと併せても約37%と、半分にも満たない状況となっています。

一方で、全国では、自治体クラウドは約23%、単独クラウドは40%で、全国で61%、1067団体がクラウド導入しています。

兵庫県は、この流れに後れをとっている状況です。

クラウド化については、その導入効果として、一つに、情報システムに係るコストの削減があります。これについては、アンケート調査では、全国の導入自治体のうち、8割以上が期待どおりのコスト削減効果があったと答えており、コスト面での効果が期待できることが明らかとなっています。

次に期待できるのが、情報システムの管理、運用業務の軽減です。これについても、導入自治体の9割が想定どおりの効果があったと回答しています。

その他、クラウド化は、業務プロセスの標準化による業務の効率化、情報セキュリティの確保、住民サービスの向上、そして災害への対応強化と、実に多くのメリットを得ることができます。

特に、災害への対応強化については、我が県は、阪神・淡路大震災を経験したことから、防災、減災対策には特に力を入れており、広域災害等を考えると、早期の自治体クラウド導入が必要ではないかと考えます。

県内市町で、自治体クラウドが進んでいないのは、帳票の様式や事前処理方法の統一や標準化への抵抗感や、システム移行に伴う作業増加への抵抗感があると聞きます。

しかし、標準化し、システム移行をしてしまえば、便利で安心安全なメリットが大きいのです。

現在、本県では、自治体クラウド研修会の開催や、地域研究会の立ち上げなどの取組を進められていますが、研修会を通じた自治体クラウドに対する各市町の反応や、今後の見通しはどのような状況となっているでしょうか。当局のご所見をお伺いします。

また、自治体クラウドの推進について、意気込みをお聞かせいただければと思います。

 

2 交通安全対策について

(1)飲酒運転根絶に向けたキッズ交通保安官の取組について

キッズ交通保安官は、子供たちを「キッズ交通保安官」に任命し、家庭や地域の中で活動することにより、飲酒運転は絶対に許さないという社会機運を醸成し、兵庫から飲酒運転を根絶することを目的として制度設計されました。

正直、私自身は、今までキッズ交通保安官の存在を知りませんでした。

それもそのはずで、キッズ交通保安官は総勢で744名しかいないのです。イベントでの活動といっても、それほどの期間、活動するわけではないので、イベントに遭遇しなければ知らないままなのです。

イベント風景や制度の趣旨を見ますと、とても効果がありそうな取組で、自分の子供がキッズ交通保安官になったら、親は絶対に飲酒運転はできないだろうと感じます。是非、これからも積極的に取組を進めていってほしいと思います。

一方で、キッズ交通保安官は、創設された平成19年度は896名が任命され、次年度は1,027名が任命されるなど、最初は順調な滑り出しを見せましたが、平成23年度には募集人数を500人、平成25年度からは募集人員を300人に削減しており、年々規模が縮小されています。

保安官の任命状況を見ても、募集人員は毎年300人なのに対して、ここ数年、ずっと定員割れの状態が続いています。そして、平成30年度は、166名で、定員の半分程度の任命となりました。

この原因については、応募要領において、親の同意を必要としており、イベントなどで応募用紙を置いて広報しているが、こどもは希望して応募用紙を書いても、親が取り消しをする、小学生自身が忙しく、活動できない、といったことがあると聞きました。

せっかくの取組が、広がりを見せていないのは非常に残念ですが、同時に、キッズ交通保安官は、たとえイベントに出られなくても、子供たち自身が、自分はキッズ交通保安官だと自覚し、親や周りの大人にPRをするだけでも十分に効果があるのではと考えます。

沢山の子供たちがバッジをつけて、キッズ交通保安官として生活するだけで、飲酒運転撲滅の機運は一気に広がりを見せる気がします。

そこで、キッズ交通保安官の現在の取組状況に対する評価と、周知状況、今後の取組方針について、当局のご所見をお伺いします。

 

(2)交通事故防止対策について

兵庫県の交通事故発生状況については、近年減少傾向にありますが、交通事故による死者数は、平成29年6月末時点で全国ワースト4位、平成30年6月末時点で全国ワースト5位、そして、令和元年6月末時点で、全国ワースト10位と、全国でも下から数えたほうが早い状況となっています。

また、平成30年の人身事故件数も全国ワースト7位となっており、交通事故対策は大きな課題となっています。

最近は、特に、高齢運転者の事故、特にブレーキとアクセルを踏み間違えるといった事故がテレビや新聞で取り上げられ、社会問題となっており、県では、高齢者ドライバーの安全対策として、アクセルを踏んでも急にスピードが出ない装置の取り付けに助成金を出すことになり、この社会問題に対する取組を始められることには敬意を表します。

しかし一方で、実は、ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故は、高齢者に限ったものではありません。

兵庫県における、ブレーキとアクセルの踏み間違い事故の各年代別の状況を見てみますと、平成30年の20歳代の件数は39件、70歳代の件数は35件となっています。20歳代と70歳代の年代別の免許保有状況を見ますと、どちらも全体の約11~12%となっており、免許保有者数は同程度となっています。

つまり、この踏み間違いによる事故件数は、特に20歳代、70歳代が多くなっており、高齢になると踏み間違い事故を起こす可能性は高くなりますが、一方で、20歳代も踏み間違い事故が多いということを示しています。

これは30~60歳代の事故発生率と比較しても非常に多い数字となっています。

そこで、交通事故防止対策について質問いたします。交通事故発生件数が全国ワースト上位の本県においては、これら20歳代のドライバーに対する交通事故防止対策を講じていく必要があるかと考えますが、平成30年度、この年齢層に対して、どのような取組をされたかお聞かせください。

今後、20歳、30歳代の年齢層に対して積極的なアプローチをかけていくことも、交通事故防止に対して効果的と考えます。この点についても、当局のご所見をお伺いします。

 

3 ひょうご出会いサポートセンターについて

(1)これまでの取組の評価と改善した取組について

ひょうご出会いサポートセンターに関しては、これまで多くの議員が、その効果の検証、民間委託の提案、PR方法の提案などをしてきました。

つまりは、この事業は、多くの人が関心を持ち、サポートセンターの必要性を感じているからだと思うところです。また、その一方で、事業に改善の余地があるから、質問が多いのではないかとも思っています。

今回、私も、本事業について、現状と今後の在り方について、当局のご所見をお伺いしたいと思います。

出会いサポートセンターは、現在、お見合い会員数が減少傾向にあります。平成28年度は会員数が5,596人であったのが、平成29年度は5,347人、平成30年度は4,978人と、ここ2年間で618人も減少しています。

これを、男女別でみると、男性が83人減少したのに対して、女性は535人の減少と、女性の減少が際立っています。会員数の減少は、成婚率に大きく影響することが推察されます。

平成31年3月時点で、累計795組の成婚が生まれたこの出会いサポートの取組は、今、岐路を迎えているのかもしれません。同じ事業を続けることは、知らず知らずのうちにマンネリ化を生み出すこともあり、今後に向けて、大きな変革が必要なのではとも考えます。

そこで、出会いサポートセンターの取組について、女性の会員減少について、どのような理由があり、これを改善するためにどのような取組が必要と考えておられるでしょうか。

また、サポートセンターとして、これまでの取組への評価と、これまで多くの議員からの提案も踏まえて、改善された取組みについて当局のご所見をお伺いします。

 

(2) 地域に根差した出会いサポートの取組について

出会いサポートセンター事業では、専門職向けイベントが平成29年度から本格実施され、平成30年度は19回開催し、113組のカップルが誕生したということでした。

自治体が支援すべき出会いサポートは民間ができないところに支援することに意味があります。

県内には、過疎化が進んでいる地区の若者たちが立ち上がり、自分たちで婚活イベントを立ち上げ、地区の独身男性たち向けの婚活イベントを開催したことがあります。

残念ながら、このイベントでカップルは誕生しませんでしたが、地域で婚活イベントを盛り上げるような小さな取組を展開していくことが、市町の元気につながっていくように感じており、こういった取組支援は行政にしかできないように思います。

今後、行政ならではの意義のある取組として、市町と協力して、こういった地域に根差した出会いサポートの取組を期待しますが、この点についても当局のご所見をお伺いします。

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