竹内 英明議員が質問(予算審査・企画県民部①)

令和2年 令和元年度予算特別委員会(企画県民部①)

 

日 時:令和2年3月6日(金)

質問者:竹内 英明 委員

 

1 ふるさと納税を活用している高額納税者の実態把握と控除上限の設定について

ふるさと納税を推奨する民間仲介会社のサイトやテレビCMを見ると、ふるさと納税は節税もできてかつ返礼品ももらえるからお得、とよく言われるのが、2,000円の負担でお肉などの返礼品がもらえるという話である。しかし、ふるさと納税には所得に応じた上限限度額があり、その限度額を超える額については節税効果はなく本当に寄付しただけになる。

若くして起業、成功したある有名経営者の方が20億円を自分の生まれ育った故郷である千葉県館山市にふるさと納税制度を活用して20億円の寄附をしたと報道された。その方は上場企業の経営者で、1億円を超える役員報酬があるためその報酬金額は有価証券報告書によって公表されている他、自ら創業した当該上場企業の株式を譲渡したことも公表されており、莫大な収益があることもわかっている。そうした所得を推計したサイトによると、所得金額で1500億円を超えるとされ、住民税の20%にあたる特例控除の上限に達する寄附金限度額は35億円にもなると推計されている。つまり20億円ふるさと納税をしても限度額内。2000円の負担の範囲内で返礼品を受けとることができると。20億円の上限30%の返礼品をもらったとしたら6億円。この方は、返礼品は不要と最初から宣言をされた。

しかし、国やこの方が現に住んでいる自治体側からすればどうだろうか。国の所得税と居住している市町村と都道府県の住民税をあわせて、逆に20億円の減収となる。この制度を利用するため先の経営者の追加負担はたった2000円だ。

自治体の住民税がふるさと納税による流出で減収となる場合は、その金額の75%が地方交付税措置されるが、地方交付税というのは国民の税金である。もし6億円の返礼品をもらったら純然たる6億円の減税となるということだ。サラリーマンの生涯獲得賃金の3人分。控除に上限がないからこんなこともありうる。高額納税者に控除の上限を設定するなどしないといけないのではないか。

本県の2018年度の状況でも、本県のふるさと納税受け入れ額は1億4千万円に対して翌年の県民税控除額が58億円となるなど流出金額が前年比で33%も増えており、その影響は深刻である。県は国に対して返礼品制度そのものを廃止するよう提案しているが、国や当制度で潤っている自治体からは見直しに慎重な声もある。まずは影響の大きい高額納税者によるふるさと納税利用の実態、どこに流れているのかなどの把握と控除上限金額の設定について質問する。

 

 

2 個人県民税の特別徴収に応じない悪質な事業者名の公表について

県の個人住民税の特別徴収のHPに「兵庫県及び県内41市町は、平成30年度から個人住民税の特別徴収を徹底しています!!」と記載されている。特別徴収とは、事業主の方が、所得税と同様に給与を支払う際に、毎月の給与から個人住民税を天引きし、従業員に代わって毎月納入する制度である。

この制度は、地方税法第321条の4及び各市町の条例の規定により、原則として所得税の源泉徴収をする全ての事業主の方に実施が義務づけられている。事業主の方に一定の負担をお願いせざるを得ないが、所得税の源泉徴収と比べ、税額の計算は市町が行いますので、税額を計算したり、年末調整をしてもらう手間はなく、所得税の源泉徴収をしているならその追加負担はさほどでもない。

また、従業員が常時10人未満の小規模な事業者には、申請により年12回の納期を年2回にする特別徴収における特例もある。

地方税法第321条の3において、「ただし、当該市町村内に給与所得者が少ないことその他特別の事情により特別徴収を行うことが適当でないと認められる市町村においては、特別徴収の方法によらないことができる。」とも明記されており、難しいと判断されるところは除外される。

つまり指定されたら特別徴収しなければならない。地方税法第 321 条の 5 の規定では、特別徴収義務者は特別徴収税額決定通知書に記載された税額を納期限内に納入する義務があり、特別徴収を拒否した結果、納期限を経過した場合は、税金を滞納していることとなり、地方税法第 331 条に基づく滞納処分を行うこととなる。加えて、地方税法第 324 条第 3 項の規定により、「納入すべき個人の市町村民税に係る納入金の全部又は一部を納入しなかった特別徴収義務者は 10 年以下の懲役若しくは200 万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」こととされている。大変厳しい規定であり、これは実際には行われていない。

そこで、こういった法の施行の前段階として、特別徴収事業者として指定されながら特別徴収を行わない悪質な事業者を公表するというのはどうか。真面目にやっていることが馬鹿を見ない社会にしなければならない。公表はかなりのインセンティブになると思うのだがどうか。

 

 

3 兵庫県競馬組合について

(1)16年振りの配分金について

今年1月、姫路競馬が7年半振りにレースを再開した。公営ギャンブル以外のレジャー産業の広まりなどから売得金が減少し、2010年度には5億5100万円の赤字を計上。以後、2014年度までの5年間を存廃の見極め期間として、累計が赤字となった場合は廃止になる可能性もあったが、2012年度のJRAのネット販売システムを使った地方競馬の馬券発売が始まり、SPAT4・楽天競馬・オッズパークなどのネットによる売上が大幅に伸び経営は改善し、存続が決まった。2012年度、売得金が299億円だったものが、毎年売上は増え、2018年度は654億円となっている。2019年度も好調に来ていたようで、来年度は2004年度以来16年振りに県に対して配分金がもたらされると聞いている。

兵庫県競馬組合を構成している県と姫路市、尼崎市への配分金額について伺う。

 

(2)新型コロナウイルス流行の影響について

新型コロナウイルスが発生し、園田競馬では無観客でのレースとなっており、JRAの姫路の場外発売も含めて競馬場での販売が中止されるなど、ネット以外の販売チャネルが失われ一定の影響があると見込まれる。現に3月3日から13日までの間、7日間にわたって園田競馬ではレースを実施しているがその影響について伺う。

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