石井 健一郞議員が質問(予算審査・企画県民部①)

令和2年 令和元年度予算特別委員会(企画県民部①)

 

日 時:令和2年3月6日(金)

質問者:石井 健一郞 委員

 

1 人と防災未来センターのさらなる利活用について

今年で震災25年の節目の年を迎え、人の入れ替わりも多く、また、震災の経験や記憶も薄れてきています。井戸知事も本定例会の冒頭の提案説明において、「必要なことは、過去から学び、未来につなぐこと。風化が懸念されている今だからこそ、この原点に立ち返り、経験や教訓を「忘れない、伝える、活かす、備える」のもと、次なる時代への安全を期さねばならない」と言われています。

兵庫県では、平成14年4月に阪神・淡路大震災の経験を語り継ぎ、その教訓を未来に生かすことを通じて、災害文化の形成、地域防災力の向上、防災政策の開発支援を図り、安全・安心な市民協働・減災社会の実現に貢献することを目的として人と防災未来センターを設置し、世界的な防災研究の拠点として、また災害全般に関する有効な対策の発信地として、これまで役立ててきました。震災から25年が経過した今、改めてその役目や機能を精査し、強化を図る必要があるのではないでしょうか。

令和2年度には人と防災未来センターの知見や阪神・淡路大震災の経験と教訓、災害への備えの重要性を広く発信するため、東京と仙台で出張の展示会をすることとなっており、そのことは意義深いと考えます。しかし、何よりも兵庫県内での震災の記憶の継承、そして防災意識を高めるといったことが大切です。まずは県民の皆さんに、これまで以上に来場していただくことを考えなければなりません。例えば、芸術文化センターで中学1年生を対象にわくわくオーケストラの教室が行われていますが、若者に震災を知ってもらうために、それに合わせて人と防災未来センターにも立ちよっていただくことを教育委員会に提案するようなことがあってもよいと思います。

そこで、震災の記憶の継承や防災意識の向上を図るため、人と防災未来センターの更なる利活用をどのように考えておられるのか、ご所見をお伺いします。

 

 

2 フェニックス共済について

次に、フェニックス共済についてお伺いします。

フェニックス共済は阪神・淡路大震災で学んだ教訓「助け合いの大切さ」を生かした住宅所有者間相互の「共助」の仕組みとして、平成17年9月1日から制度を開始しました。これまでも、県内の自然災害で合わせて約6億8千万円を支給し、被災者の住宅再建の一助を担ってきています。

県では、制度への加入促進を図るため、これまでも加入状況の改善に向けて取り組みを続けてきましたが、近年の住宅再建共済制度の全体加入率については微増であるものの、ほぼ横ばいの状況です。新年度はマンション管理会社に働きかけを強めるとのことであり、そのことは積極的に取り組んでいただきたいと思います。

しかしながら、これまでの取り組みで加入率が伸びない理由はおおむね把握できているものの伸び悩んでおり、抜本的な対策の見直しが必要ではないかと考えます。加入戸数と加入率を見ると、昨年度末で170,211戸、9.6%、本年1月末で172,074戸、9.7%と、この10ヶ月で1,863戸、0.1%の増加となっていますが、例えば、今年度の委託料約1億3,400万円の中で効果を得るために、どのような取り組みの工夫をされているのでしょうか。これからもフェニックス共済を継続していくためには、やはり加入率の向上を図ることが不可欠です。

そこで、今後のフェニックス共済の加入率向上には、抜本的な見直しが必要と考えますが、加入率向上に向けた効果的な取組について、どのように考えておられるのか、ご所見をお伺いします。

 

 

3 災害時の避難者対応について

阪神淡路大震災時には、最大31万人を超える人々が避難し、学校以外、役所や公立ホールなどにも多くの避難者が身を寄せました。しかも、避難生活が長期間に渡ったこともあり、避難所を巡る様々な問題が発生したことから、この時の経験や教訓を今後の対策に生かすため、平成13年3月に「避難所管理・運営の指針」を策定し、市町における避難所の管理・運営等に関する事前対策の具体化やマニュアル作成を進めるうえで、基本となる考え方を明らかにするなど、その対策に取り組まれています。

このように避難所や避難者への対応は原則市町となり、現在は災害対策基本法により各市町による指定避難所や指定緊急避難場所が指定されているところではありますが、大きな災害が発生すれば県などの関連施設にも近隣の方が避難してくる可能性も十分にあり、また、発災直後にたまたま兵庫県を訪れていた方が、指定避難所等がわからず、避難者として来る可能性もあると思われます。しかしながら、その場合の対応については、十分に議論されているのでしょうか。

基本は市町が対応すべきであることは理解しておりますが、実際に避難者があれば、そのことに対応する職員が必要であったり、食事や布団等の手配もしなければならないことになります。そうなれば、県としての災害対応や災害時でも必要な行政機能に支障が生じることとなります。

そこで、県の関連施設にも避難者が来ることを想定し、いつまで、役所を避難所として開放するか等、事前に十分な議論が必要だと思いますが、見解をお伺いします。

 

 

4 防災人材育成拠点の整備について

来年度、広域防災センターの機能強化を目指すため、センターが有する施設、設備を活用し、多様な防災人材育成拠点として宿泊プログラムを実施するための宿泊施設を整備するとしています。センターは災害時は広域防災拠点として機能し、平常時は、消防職員や消防団員などの育成をはじめ、地震体験などの防災体験学習を実施するなど他にはない施設であり、この機能のさらなる活用を図ることにつながることから、整備の趣旨には賛同しています。

しかしながら、その整備にあたっては、広域防災センターのこれまでの人材育成プログラムのニーズを精査する中での発展形として宿泊施設を整備するということではなく、施設の建設を進める中で、対象者を見極める、これからプログラムを作っていくということであるならば、整備する宿泊施設が有効に利用されるかどうか疑問に感じるところです。

そこで、整備にあたっての考え方、及び宿泊施設の有効利用をどのように図っていこうとされているのか、ご所見をお伺いします。

NEWS

一覧を見る