石井 健一郞議員が質問(予算審査・県土整備部)

令和2年 令和元年度予算特別委員会(県土整備部)

 

日 時:令和2年3月12日(木)

質問者:石井 健一郞 委員

 

1 自然災害の復旧工事について

一昨年の7月豪雨では、西日本を中心に全国的に広範囲で記録的な大雨となり、県下各地でも被害が相次ぎました。私の地元である灘区の都賀川上流六甲川でも被害があり、河床がえぐれ土嚢が積まれている状況が続いていました。

県では直ちに復旧工事のための準備を進め、入札を行いましたが、結果としては、不調に終わっています。この不調に終わった原因でありますが、工事金額や工事件数の多さで業者側が嫌がったとお聞きしておりますが、昨年も入札が不調に終わっています。結局、必要な工事が被災してから一年半程放置されたこととなり、住民から苦情が相次ぎました。

もちろん、復旧工事がなされるまでの間、しっかりと管理して頂いていたということは理解しているものの、住民の立場からすれば、「何故、復旧しないんだ」との思いから、苦情を言われることも理解できます。

そこで、こういった災害復旧工事については、入札不調で終わらせずに早急に着手出来るような仕組みを作る必要があるのではないでしょうか。また、どうしてもできないという状況があるならば、住民の不安を解消するためにも地元への説明等を検討するべきではないかと考えますが、ご見解をお伺いします。

 

 

2 淡路島サイクリングルートの整備について

県では兵庫県自転車活用推進計画に基づき、サイクリングモデルルートにおいては、自転車の走行環境の整備を推進し、質の高いサイクリング環境を創出することとしており、特に淡路島を一周するモデルルートであるアワイチについては、国によるナショナルサイクルルート指定を視野に入れた整備を推進するとしています。

アワイチについては淡路島の振興策として大変期待しているところでありますが、今後とも計画的にサイクリストが満足するサイクリングルートを整備することが望まれています。その中でも、旧北淡町域の県道福良江井岩屋線は大変道路が狭くなっている一方で、今までこの地域になかった飲食施設が増え、賑わいをみせていますが、場所柄、車での利用とならざるを得ず、結果として車の通行量も増えていると思われます。また、大型トラックの通行も多く、サイクリングルートとしてはいささか走行環境が悪いですし、その結果、事故が起こる懸念もあります。そのため、私は全線といかないまでも部分的な道路拡幅などにより、早急に自転車の走行環境を改善することが必要と考えています。

そこで、特に観光資源として貴重なアワイチにおいては、県道福良江井岩屋線の問題を解消することが最重要と考えますが、見解をお伺いします。

 

 

3 コウノトリ但馬空港のあり方について

コウノトリ但馬空港のあり方懇話会の第一回目会議が、去る2月6日に開催されました。本年末までに、県民意見も聞いた上で但馬空港のあるべき姿や取り組むべき施策をとりまとめるとのことであり、その報告を見守りたいと考えています。

今回のあり方懇話会については、①10年後の但馬空港の姿を明確にする、②その姿を実現するために早急に取り組むべき施策を提案する、となっておりますが、実態としては、知事のジェット機就航を見込んだ滑走路の延長も含めた検討をしたいという意見表明からのあり方検討です。就航率を上げるということは大切でありますので、その点については、是非検討し、費用対効果の中ではありますが、改善を図るべきです。

そこで、但馬空港のあり方の議論の前提として、やや理解しにくいところがあるので以下、質問したいと思います。

 

(1)滑走路が延長された場合の就航会社の確保等について

滑走路延長はジェット便の就航が確約されることが前提であると考えています。但馬空港開設時には開港前に就航する予定だった航空会社が撤退し、別の航空会社に働きかけ、県が機体を購入し、就航にこぎ着けたという苦い経験があります。その轍を踏まないためにも就航する航空会社の確定は、絶対条件だと考えますが、航空会社の確保に向けた取組状況はどうなっているのか、また、仮にジェット便が就航した場合、但馬・伊丹路線と県が更新したATR機の取り扱いはどのように考えているのか、見解をお伺いします。

 

(2)路線展開の検討について

知事の話では、滑走路を延長してジェット化することにより、航空会社各社の判断で乗り入れを決めれば補助金負担はなくなるとのことでありましたが、実際にはなかなか難しいと思われます。

現状では、伊丹~但馬便は、機材大型化後も4万人程度の利用者であり、他の路線も航空会社は就航判断に至っていません。過去には、但馬~神戸便は東京直行便に資するものではないとのことで、実現しませんでした。また、関空便も利用者がないということで、議論が打ち切られています。

あわせて、東京直行便のある他の類似空港ですら多路線化はうまくいってません。今後、どのような路線展開を検討しようとされているのかお伺いします。

 

 (3)空港の維持及び運営について

但馬空港を南紀白浜空港と比較して考えてみたいと思いますが、南紀白浜空港は和歌山県にある唯一の空港です。当初、但馬空港と同様1,200mで開港しましたが、現在は作り直し2,000mで運営しています。JALが羽田便のみ1日3往復しており、但馬空港もこのような例に習おうとしているのかとも思えます。南紀白浜空港は2019年からコンセッション方式で民営化されていますが、空港本体は和歌山県が所有したまま、着陸料やテナント賃料などの料金収入と、県からの空港運営の補助金を合わせて事業としており、県営時は年約3億円を県が負担していましたが、民営化しても和歌山県からは空港運営費(サービス購入料)として、契約期間の10年間で24億5千万円の補助金を出すこととなっています。

そこで、但馬空港においても、滑走路延長で多額の費用の支出後も南紀白浜空港と同様、継続して県が空港維持費や運営費を出し続ける可能性が高いと考えますが、このことについてどのように考えるのか、あわせて、ジェット化した場合の収支見込について、見解をお伺いします。

 

 (4)首都圏等へのアプローチについて

但馬空港の周辺人口は但馬地域と京都府北部を合わせて約23.6万人ですが、実際は新温泉町の方は鳥取空港を使う可能性もあり、空港利用可能者としてはそれ程までにいないと考えています。補助金がなくなれば高い航空料金を払って利用する地元のお客も減るかもしれない、ということから考えると、滑走路を延長してジェット機を飛ばす意味は、ビジネスというよりも観光客の誘致に尽きるのではないでしょうか。

先程の南紀白浜空港でもやはりどれだけ路線を展開できるかということが課題になっています。そのためには観光資源の磨き上げと認知度の向上が大切です。和歌山県では空港周辺にはビーチや温泉、アドベンチャーワールドや熊野古道等観光資源が豊富にあり、環境としては但馬地域に似ているように感じます。しかし、観光客の75%が関西からで、首都圏では空港の存在を含めて、知名度が低いということが課題になっているようです。

但馬空港も南紀白浜空港とおかれた立場は同様であり、但馬地域、城崎温泉にしても大変魅力があると思いますが、私達が思っている以上に首都圏での知名度は低く、個人的にはその知名度は白浜よりも低いと感じています。また、首都圏周辺には既に魅力的な観光地が多く、但馬までの航空運賃で宿泊できる観光地が近くにあるのに、あまり知らない遠くの観光地を目指して行くということにはならないのではないでしょうか。

そこで、まずは但馬地域を関西圏での観光地として知ってもらうために、首都圏等へのアプローチをどのように考えているのか、見解をお伺いします。

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