栗山 雅史議員が質問(病院局)を実施

和元年度決算特別委員会質問要旨(病院局)

質問日:令和2年10月15日(木)

質問者:栗山 雅史 委員

 

1 県立病院の費用の抑制について

令和元年度の決算は、経常損益では粒子線医療センター等における患者の減に伴う減収、給与改定による給与費の増や薬品費・診療材料費の増などによる収支構造の変化に対応するため、各病院が収益の確保や費用の抑制に努めたものの、新型コロナウィルス感染症の影響もあり、31億円の赤字となりました。そして当期純損益では、旧柏原病院の特別償却費及び旧こども病院跡地の土壌改良対策工事費等19億円を特別損失に計上したことなどから、3年ぶりの40億円の赤字となりました。

建て替え等特別な理由を除き、病院経営を支える収入源は、まず患者の来院ということになります。令和元年度は新型コロナウィルスの影響がありましたが、令和2年度もその影響は続きますし、医業収益、収入は社会環境の変化による変動要因があるということは、今回で身に染みて感じたことと思います。

その一方で、費用についてはどうでしょうか。過去5年の経営成績を見ると、「医業収益 対 医業費用比率」では84、85%前後で推移しています。つまりは医業収益を上回る医業費用がかかっている状況で、政策医療などのための県一般会計からの負担金・交付金があっても、経常損益で過去5年で黒字は1度しかなく、4年は赤字です。この「医業収益 対 医業費用比率」については、私は例えば90%程度を目指すべきだと思いますし、収益をあげるための努力も必要ですが、額の大きい固定経費などの抑制を中心にもっと努力すべきだと考えています。

そこで今回は、この医業費用を構成する「給与費」と「診療材料費と薬品費」について、以下質問します。

(1)給与費について

まず、患者が来ても来なくてもかかる固定経費の給与費、これは令和元年度決算で医業収益に対して60.1%ということでした。過去5年の経営成績を見ると、少しずつ減少しているように見えますが、約60%の水準で続いており、高い水準だと思います。「第4次病院構造改革推進方策」には給与比率の改善として、1つに「業務の委託化や効率化を検討し、給与費の適正化を進める」とあり、2つに「給与比率の抑制を推進する」とあります。

ここでお尋ねしたいのは、「給与費の適正化」とはどういうことを指しているのかということ、そして「給与比率の抑制を推進」とありますが、目標数値としてはどのように考えているのか、まずその2点をお聞きします。

(2)診療材料費と薬品費について

続いて、材料費、詳しくは診療材料費と薬品費についてです。こちらも「第4次病院構造改革推進方策」によりますと、診療材料費の抑制として、コンサルのノウハウを活用する、一括購入に取組む、在庫管理を徹底して使用数量の適正化を図ると書かれています。しかしながら、平成29年度決算によると、平成25年度決算に比べて医業収益比率が11.9%から13.4%に上昇しています。令和元年度においてはどのような結果だったのでしょうか。費用抑制のための使用数量の適正化などは図れたのでしょうか。

もう一つ、薬品費ですが、こちらも低廉な価格での購入や、後発医薬品の使用拡大、医薬品の院内仕様指針(フォーミュラリー)の導入を検討とありますが、先ほどの平成29年、25年決算の比較では16.6%から18.5%に上昇しています。こちらも費用抑制のための取組みはどうだったのでしょうか。お答えください。

 

2 統合西宮病院の配置計画とサービス施設について

統合西宮病院は2020年、令和7年の開院を目指して、現在、県病院局と西宮市で各方面での調整が行われているところだと認識しております。今年の2月の私の一般質問時には、「統合西宮病院に接するJR線で新駅の可能性はあるか」という質問を県土整備部にさせていただきましたが、今回は当該部局である病院局に、この統合病院の建物の構造や周辺環境との調和、院内のサービス施設について質問したいと思います。

(1)病院と周辺環境との調和について

まずは病院と、周辺環境との調和についてです。

今年のコロナ禍があってから、感染症対策のための陰圧室の設置などを検討されると、計画を少し修正されているところですが、今回は病院や立体駐車場と周辺環境との調和について、現在の計画を知りたいと思っています。と言いますのも、県立尼崎総合医療センターができた時に、開院当初は立体駐車場が完成しておらず、周辺道路で渋滞を引き起こしたということを聞いておりますので、統合西宮病院についても、病院や立体駐車場へのアクセスや設置時期、そして動線などについても確認しなければならないと思っていました。

周辺環境との調和、つまりは敷地の周辺との接続についてですが、計画によりますと、国道2号線に面する南側に病院建物、北側に立体駐車場を設置することになっていまして、そのアクセスですが、電車、車、徒歩などで来られる患者さんやお見舞い来訪者などが、安全に、迷わないようにスムーズに、そして渋滞しないように、いろいろな方向から入れるのかどうかを確認したいと思っています。

病院への交通アクセスについて、現在どのように検討されているでしょうか。ご答弁願います。

(2)サービス施設について

次にサービス施設についてです。

最近では公的病院でも、カフェやコンビニなどのサービス施設が充実しているようです。もちろん、現在ある県立病院についても様々なサービス施設が備えられていますが、これからできる新しい病院ですので、この時代、そして将来にどのようなものが必要なのか、私なりに全国のいくつかの病院を調べてみましたので、それをご披露するとともに、県病院局のお考えをお聞かせいただきたいと思っています。

平成15年ぐらいでしたか、私が西宮市議になった頃に、京大病院にタリーズコーヒーが入ったというニュースがあって、わざわざ見に行った記憶があります。あれから17年経過しておりますが、その間、全国各地での病院建て替えとかリニューアルの時にでしょうか、いろいろなサービス施設が病院内に出来ているようです。ご紹介しますと、先にも述べましたカフェやコンビニ(昔は売店でした)は当たり前のようにあり、そして食堂というよりはレストラン、理髪店、ここでは頭髪が治療によって抜けてしまった方へのカツラやウィッグの調製も行うようです。これは現在の県立西宮病院にもあります。その他、浴室・浴場、図書室、音楽室、屋上庭園、日本庭園、ATM、プレイルーム、コインランドリー、お花屋さんなどがあるようです。病院は入院患者さんにとってはまさに生活でもあり、また医師や看護師、事務職員など多くの職員さんもお勤めになりますから、そういった意味でも、病院の診療機能以外のサービス施設も重要になるのではないでしょうか。計画によりますと、民間事業者が病院の立体駐車場に利便施設を設置するとあります。その点も含めて、統合新病院のサービス施設についてどのようにお考えか、ご所見をお伺いします。

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