小池 ひろのり議員が質問(教育委員会)を実施

令和元年度決算特別委員会【教育委員会】

質問日:令和2年10月14日(水)

質問者:小池 ひろのり 委員

 

1.部活動の社会教育化について

私は、欧米のように部活動は、社会教育に移管すべきと長年訴えてきました。特に、最近ますます強く思うようになった理由を述べます。

まず、少子化に伴う児童・生徒の減少で、学校単独でスポーツチームの編成が出来なくなっている現状があります。そのため部活動を続けるためには、地域の複数の学校でチーム編成をせざるを得ません。

次に、部活動の指導者不足の問題です。現在は、教師が部活動の顧問を担っていますが、クラス数が減り、教師の数も減り、複数の部活動の顧問を受け持つ教師が増えています。そして、教師が全く経験のない部活動を担当することもあり、技術的な指導が出来ず負担が大きくなっています。また、活発な部活動の場合、生徒も保護者も顧問への期待は大きく、特に熱心な教師の異動で顧問を引き継いだ場合などは、競技経験のない顧問にとっての負担は大きく、大変な状況が生じてきています。

私は、特に試合などの勝負にこだわる部活動は、学校教育と言うより社会教育の方が相応しいと思っています。欧米での部活動は、ほとんど社会教育の管轄で、学校の教師の手を煩わすことはありません。そして、教師は学校教育に専念しています。それに対して日本では、部活動の試合に、休日であっても教師が出かけて行くこともあります。

このため文部科学省も教師の長時間労働を是正するため、休日の部活動を地域に移管する改革案を提示しました。教師の指導は希望者のみとし、2023年度から段階的に実施するという内容です。また、「部活動は必ずしも教師が担う必要のない業務」と位置づけ、休日は「部活動の指導に携わる必要がない」と指摘しています。私は、なぜ休日だけに限っているのか理解できませんが、学校現場の理解を示した一歩前進した施策だとして歓迎しています。

部活動の顧問を管理職の説得に応じて、受けざるを得ない現状は、生徒・教師にとっても不幸なことだと思っています。部活動の指導に、有能な地域人材を活用したり、水泳教室のような地域の民間業者に委託することは、学校の負担軽減のみならず、部活動の活性化にも繋がり、子供たちの能力をより伸ばすことにもなります。そして、関係する子供・教師・指導者の皆さんに、良い影響を与えるものと思っています。

積極的に部活動を社会教育として、地域へ移管することを求めるものですが、県教育委員会のご所見を伺います。

 

2.教科としての小学校英語導入について

これまでとかく受験英語に偏っていた傾向を改め、小学校から英語を楽しむことから、いわゆる外国語活動の取り組みを9年前に開始し、今年から小学5・6年生に教科としての英語を本格的に導入することとなりました。

しかし、今回の小学校英語導入は、拙速な変更で、準備不足という面は拭われず、予算の裏打ちも十分でないままの施行で、様々な問題が生じてきています。

ここで現場の教師からの不安の声を紹介し、問題点を指摘したいと思います。

まず、小学校教師の中には「英語が嫌いだ」という人もおり、教科担任制の中学・高校を好まず、子供が好きで初等教育を勉強し、英語を除く全教科を担当する小学校教師を選んだという人が多いと思います。また、小学校教師の多くは、大学で英語の教授法は全く学んでいません。にも拘らず、文部科学省は専科の英語教諭を小学校に配置することなく、一部の小学校教師に数時間の英語研修を行い、教材を配布し、ALT等の補助教師を配置することで英語教育を賄おうとしています。

そこで

問題1.あまりにも多忙過ぎる小学校教師に、更に英語を週1~2コマの増加させることは、ますます教師の負担を増大させます。➡

(負担軽減の施策のないまま、教師負担増は多忙化対策に逆行します)

問題2.英語教授法の経験もなければ勉強もしていない小学校教師に、数時間の研修だけで英語が教えられるようになるものでしょうか?➡

(私は、高校英語教師でしたが、まず大学で4年間英語を専科で勉強し、教授法を学び教育実習を経験し、専科の採用試験に合格して英語教師になる資格を得ました。それでも授業展開は難しく、そんな簡単なものではありません。ましてや教材を与えられただけで教えられるものではありません。)

問題3.ALTは英語を話す能力には、たけていますが、教授法を学んでいません。初等教育の免許を持った教師とALTだけで、英語教授法を学んだ教諭を配置することなく英語を教えることには無理があります)➡

(仮に貴方が、日本語が喋れるからと言って、「明日から日本語で算数や理科を教えてください」と言われて、系統だって教えられると思いますか?!)

問題4.遊びのうちは良いのですが、教科として教える以上、教授法の勉強は必須です。➡

(シラバスや系統だった指導計画を理解し、自らが教授法を組み立て、中心的に教えらえる専科の英語教師が、最低各校に一人は必要です。)

以上述べたことは、基本的に県教育委員会の問題ではなく、文部科学省の責任だと思っています。しかし、現実に今年の4月から兵庫県下の小学5・6年生に、教科としての英語を教えなくてはならない教師から、不安と困っている声が寄せられています。このような現場の声にどう応えていくつもりか、また県教育委員会として、どう指導していくつもりかご所見を伺います。

 

3.教育におけるICTの必要性について

AIやIT等の先端技術は、今、世界中でどんどん普及しています。ICT機器を使ったSTEAM教育が、欧米・豪州・中国・シンガポールを中心に取り組まれている中で、日本におけるICT活用状況は、世界から大きく遅れていると言えます。私は、日本のICTの遅れは、教育に最大の原因があると思っています。

これからはグローバルな世の中、ICT活用が日常化していく中で、日本の子供が取り残され、世界から遅れたままであって良いはずはありません。これまでも私は、豪州やインドのICT教育を視察した経験から、日本の教育におけるICT教育の必要性を訴えてきました。是非、ICT教育の推進を図ってもらいたいものです。

2020年度から、やっと日本の小学校でも、プログラミング教育が必修化され、タブレット端末も一人1台の整備で、情報教育の充実など、ハード・ソフト両面から教育改革がされることになりました。現在、人工知能、ビッグデータ、ロボティックス等の先端技術が高度化し、あらゆる産業や社会生活に取り入れられるようになりました。そのために、社会に対応できる教育現場の環境整備が、今、喫緊の課題となってきています。次代に対応できる若者を育てていくためにも、情報活用能力を高め、言語能力、問題発見・解決能力、数学的思考力を育成していく必要があります。

ICT導入で、昨今のようなコロナ危機で、遠隔授業も出来ます。また、ベテラン教師の最高の動画を一斉授業で用いることで、余裕が出た時間を利用して、教師がトップクラスや丁寧な説明を必要とする生徒に合わせた個人指導も可能となります。こうしたICTの多様な活用で、まさに生徒の個性にあった授業展開も期待できるようになります。

そのためにも、今、教育におけるICT教育の環境を整え、適切に活用した学習活動の充実を図ることが必要と思われます。

そこで、教育におけるICT導入についての現状と課題、今後の方針について県教育委員会のご所見を伺います。

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