黒田 一美議員が質問(予算審査・健康福祉部)

質問日:令和3年3月9日(火)

質問者:黒田 一美 委員

 

1 国際人権法について

(1)県の認識について

兵庫県は、日本海から瀬戸内海、淡路島を含む五国が集まった広い県土に、人口約540万人の県民が住んでいます。外国人県民をはじめ、全ての県民の方々の人権が守られる豊かな兵庫県を求めます。県民一人一人の人権について、世界の一員として国連で議論され、守られています。

第二次世界大戦後すぐに結成された国際連合で各国の代表は、人権を軽視することが戦争につながり、戦争でさらに人権が侵害されることを重視して、「人権」を国連の重要課題としました。

そして1948年に「世界人権宣言」が定められ、今日まで約30と言われる法的拘束力を含む国際人権法が定められていると言われています。

自由権規約、社会権規約、人種差別撤廃条約、女性差別撤廃条約、子どもの権利条約、障がい者の権利条約、人身売買禁止条約、難民条約、拷問等禁止条約等、主な人権条約を日本政府は締結しています。

しかし、日本政府は残念ですが、人権規約に認められた権利を侵害された個人が国連の機関に救済を求めることができる「個人通報権」を認めていません。

個人通報制度は、人権侵害を受けた個人がその国において国内の救済措置を尽くした後であれば誰でも通報することができます。

いずれにしても、そういった日本政府の課題がありますが、国連が世界大戦の反省のもと、多くの世界の人々の人権のために国際人権法、人権条約を採択、発効していることを、もちろん条約は国を対象としていますが、広い県土を有し、多様な地域と文化を有している兵庫県としてどのように認識しているのか、お考えをお聞きします。

 

(2)県民への啓発および周知について

国連、国際人権法では、私たち県民一人一人の身近な人権を守ることが規定されています。

子どもの教育の権利、結婚の自由、居住の権利が奪われていないか、医療、福祉の権利が保障されているか、ホテル、飲食店、喫茶店、劇場、公園等一般公衆の使用、サービスを利用する権利が奪われていないか等々、本当に身近な人権を条約には規定され、国連の関係機関が審査します。

私たち県民の人権を守るための身近な条約ですが、まだまだ県民に周知されているとは言えません。

私たち県民一人一人の身近な人権の擁護が世界、国連で議論され、国際人権法、人権規約で保障されていることをしっかりと県民に周知、啓発する必要があると思いますが、当局のご所見をお伺いします。

 

2 国連人権理事会の存在と活動の県民への啓発および周知について

県民一人一人の身近な人権の擁護を、世界で、国連で取り組む機関として国連人権理事会があり、スイス、ジュネーブに会場があります。

国連人権委員会が、2006年に国連安全保障理事会に並ぶ、人権理事会として発展しました。

理事は47国であり、任期3年で、日本政府は現在5期目で20年から22年の間の任期中の理事国です。

関係する国連拷問禁止委員会では、日本国の人権状況も審査があり、2013年には、精神障がい者の入院、身体的拘束が過剰であると日本政府に勧告しています。

2017年には、人権の視点で、日本の放送メディアの独立性の強化の必要が報告されています。

日本政府も理事となり、身近な人権課題、人権活動を行なっている国連人権理事会の存在と活動の県民への周知、啓発がもっと必要であると考えますが、当局のご所見をお伺いします。

 

3 「兵庫県人権教育及び啓発に関する総合推進指針」の実施状況について

人権をめぐる国際社会の取組の中で、国連は1995年から2004年を「人権教育のための国連10年」と決議、さらに「人権教育のための世界計画決議」を2005年から現在も数次にわたり採択され、日本政府も共同提案しています。

政府も国内行動計画を策定し、兵庫県でも「兵庫県人権教育及び啓発に関する総合推進指針」が平成28年3月に改定され、県内の広範かつ多種の取り組みが記載され、なかでも5「県職員等への啓発」には、①全庁的な職員研修の充実、や②特定職業従事者に対する研修の充実として、教職員、警察職員、消防職員、医療、保健関係者、福祉関係者と具体的に挙げられている。

そこで、人権意識を高めるためにどのような取り組みをされているのでしょうか。

特に、このコロナ禍において、コロナ感染関係で人権侵害の課題も起きています。関係する職種でもありしっかりとした人権研修が必要です。

 

4 子ども食堂のさらなる普及と充実、行政支援の取組について

私の地域、小学校区で子ども食堂が開設され、私もメンバーの人として、また妻がスタッフとして月2回活動しています。そこでは子どもが1時間勉強して、その後、食事をします。

来年度県の予算案において、「子ども食堂」応援プロジェクトに関するものが計上されているが、子どもの貧困対策として開設された子ども食堂が地域の子どもの居場所になっています。

このコロナ禍においても、スタッフは感染対策を徹底して実施を続け、子ども達にも保護者にもとても喜ばれています。

その体験から、子ども食堂の活動は、もちろん子ども、また保護者のみでなく、その地域が子どもを大切にする地域、子どもに意を持つ温かい地域となり、高齢者、障がい者の方々、人を大切にする豊かな地域につながっていると実感します。

そういった意味でも子ども食堂のさらなる普及、充実が必要であると思いますが、当局のご所見をお伺いします。

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