向山 好一議員が代表質問を実施

質 問 日:令和3年9月27日(月)

質 問 者:向山 好一 議員

質問方式:一問一答方式

 

まずは齋藤知事、ご当選誠におめでとうございます。

齋藤知事は、県政の刷新を訴えて85万票を上回る堂々たる成績で当選され、県民からその若さと行動力に大きな期待が寄せられています。県民は齋藤新知事の最大の公約である「県政の刷新」に対し何をどう刷新されるのか注目しています。私ども「ひょうご県民連合議員団」も勿論その具体的中身に注目していますが、井戸県政のときと同様、齋藤知事に対しても変わらず「是々非々」の態度で臨み、賛同できる政策に対しては積極的にバックアップし、改めるべき政策には遠慮なく苦言を呈し改善を求めていくことをまずは表明致します。

 

1 新県政推進室について

まずは、「新県政推進室」について伺います。

この「新県政推進室」は知事の肝煎りで誕生した新たな組織であり、知事の最大の公約である「県政の刷新」を具現化するものとして注目されています。

「県政の刷新」、私もその必要性を認識している1人ですから、それを否定するつもりは全くありません。しかし、その前提は、これまで長年培ってきた良きものは継続していく、言い換えれば「変えるべきものは変えるが守るべきものは守る」ということが大切ではないでしょうか。例えば兵庫県が行政の基本としてきた「参画と協働」の言葉に表れているように、「県政の刷新」もトップの独断ではなく多くの立場の人々からの声を聞き、出来るだけ県民のコモンセンスを反映させていくべきであります。齋藤知事は先週の本会議で「県民ボトムアップ型県政は私の基本姿勢」と発言されているので、そのことは大切にされると思っています。

今後、行財政運営方針を見直すうえで、まず「課題と検討方向」に沿って具体的な見直しを進め、行財政運営方針の見直し(一次案)を年内に策定し、来年2月に最終案を取りまとめるスケジュールをお考えのようですが、その際に先ほど触れました県民の「参画と協働」をどう担保されるおつもりなのでしょうか。こういった質問をさせていただく背景として、「課題と検討方向」や行財政運営方針の見直し案を考えるのは県庁内の部局、その旗振り役の「新県政推進室」も全員が県の職員、これでは行政サイドから見ただけの「県政の刷新」になりはしないかとの危惧を抱くのであります。

こういった懸念、指摘に対する知事のご見解を伺います。

 

2 知事給与および退職金減額について

次に知事給与および退職金減額について伺います。

この議会に「知事給与30%、退職金50%減額」をする条例改正案が知事より提出されています。知事が「まず隗より始めよ」の言葉の如く率先して行革に取り組む姿勢を示すことを否定はいたしません。しかし、それが何をもたらすのかを地に足を付けて慎重に議論する必要はあると思います。

そこで、まずこの減額案によって県の歳出がどれだけ削減できるかというと年額約1,000万円、本年度の一般会計予算2兆7,300億円に占める割合は0.0004%程度。金額の多寡ではなく姿勢を示すことが重要ということでしょうが、その削減からは残念ながら行革効果は殆ど生まれません。

一方、現在の兵庫県知事の給与126万円、一期4年分の退職金3,860万円という金額は、総務省の地方公務員給与実態調査によると、給与で全国47都道府県のうち上から14番目、退職金は8番目となり、兵庫県の人口、経済規模、県土面積からすると決して突出している額ではなく適切な水準にあると言えます。それを条例案通りに減額すると給与が93.8万円で下から5番目、退職金が2,026万円となり下から2番目となり急激にランクが下がります。

さらに同時に副知事の給与および退職金の減額案も提案されていますが、その内容は根拠に乏しく数字合わせの印象を受けます。

このようなことを踏まえ、知事給与および退職金の減額率がなぜ30%・50%なのか数値的根拠とそこに込めた狙いは何なのか、知事のお考えを伺います。

 

3 コウノトリ但馬空港について

次に、大型投資事業であるコウノトリ但馬空港について伺います。

コウノトリ但馬空港は開港以来27年間、一度として運営収支が見合ったことがなく、近年では空港管理や運営に要する費用として約5億円、航空会社への赤字補填に約2億円、毎年計7億円程度を兵庫県が支出しています。それに加え、羽田からの直行便や各地からの就航に対応することを目的として1,200mの滑走路を2,000mにまで延長する計画があり、その事業費として400億円とも言われる多額の投資を検討しています。

わが会派は、以前よりこのようなコウノトリ但馬空港の今後の在り方について疑問を呈し、幾度となく警鐘を鳴らし続けています。それは、この多額の投資に対しそれに見合った経営改善がなされる見通しが全く存在しないと認識しているからです。

齋藤知事はこれまでのしがらみに囚われず、事業をゼロベースで見直すことを大きな公約に掲げて知事に就任されただけに、この問題に対しても正しいご判断ができると期待しています。知事はコウノトリ但馬空港の滑走路の延長計画に対する費用対効果についてどのようなご認識をお持ちかお伺いいたします。

 

4 コロナ対策について

次にコロナ対策について質問します。

現在進行形の第5波はデルタ株への置き換わりによって感染者数を爆発的に増加させているだけにとどまらず、これまで感染しにくいと言われてきた子供たちを含め若者世代、働き盛りの30代・40代の感染者が大半を占めており、30代以下の感染者の比率が何と60%以上を占め若年化が顕著に表れています。

このことによって新たな課題となっていることは、自宅療養者や宿泊療養者に対していかに適切に医療を提供し重症化を防ぐとともに感染拡大を抑えるかという問題です。現在、減少傾向が続いているとはいえ9月21日時点で兵庫県には宿泊療養者526名、自宅療養者1,678名います。特に、若い人の自宅療養者は容体が急変しても見過ごされる可能性もあり早急に具体的対策が求められています。

その1つとしてお隣の大阪府では入院できない者や基礎疾患の無い40歳未満の者など、宿泊療養の対象にならない若者の軽症者を中心に受け入れる「臨時の医療施設」、いわゆる「野戦病院」をインテックス大阪に10月に開設する方針を打ち出しています。先ほど指摘しました最近の感染者の特徴は大阪と兵庫で大きな違いはありません。医療従事者の確保など課題はいろいろあろうとは思いますが、できない理由を並べるのではなくできる方法を考えてみてはいかがですか。

若者の軽症者を受け入れる「臨時の医療施設」の設置に対する知事の見解を伺うとともに、自宅療養者を減らしていく具体的な対策について伺います。

 

5 播磨灘・大阪湾ベイエリア再生プランについて

知事の大きな公約である「播磨灘・大阪湾ベイエリア再生プラン」について質問します。

兵庫県の海岸線、つまり播磨灘・大阪湾ベイエリアが辿ってきた歴史は兵庫県の歴史、特に経済活動分野の歴史そのものといえます。逆に言えば、ベイエリアの再生は、ものづくり産業の空洞化、観光産業の低迷、人口の転出超過問題など兵庫県が抱える様々な課題に対する回答となる重要な取り組みだと認識しています。

播磨灘・大阪湾ベイエリアは3大工業地帯にあたる阪神工業地帯を擁し、かつては紛れもなく兵庫にとどまらず日本の経済エンジンの役割を担ってきました。しかし、その一方でラストベルト(錆びた工業地帯)とも呼ばれ産業の空洞化が顕著に表れた地帯でもあります。

知事は「播磨灘・大阪湾ベイエリアの再生」を重要視されています。そのことは私も同感ですが、知事はその手法として大規模な集客やIT、医療、金融などの誘致をめざすと仰っておられます。確かに大規模集客施設で人の賑わいを創出することは必要とは思いますが、このコロナ禍で新たなライフスタイルが求められる時代に大きなリスクを伴うことになります。

私は「播磨灘・大阪湾ベイエリアの再生」で最も重要なのは「雇用と所得を生む次世代型のリーディング産業」を集積させることだと思っています。IT、医療、金融などもそれに位置づけされているのかもしれませんが、私は「水素エネルギー産業の集積」を兵庫県の目玉にすべきだと提案します。

このような提案に対する知事のご見解と、知事が描く「播磨灘・大阪湾ベイエリア再生プラン」の方向性について伺います。

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