石井 健一郎議員が質問(病院局)を実施

令和2年度決算特別委員会 【病院局

質問日:令和3年10月15日(金)

質問者:石井 健一郎 委員

 

1.コロナ禍で県立病院が果たした役割について

新型コロナウイルス感染症対策においては、県立病院が県下最大の病床数を有するとともに、高度専門、政策医療を提供しており、他の公立病院をはじめ、医療機関を牽引していく必要がある。そういった意味においても、コロナ禍において県立病院がどのように動いていくかということについては、他の病院に与える影響は大きいと言える。

そういった中で「新型コロナウイルス感染症拠点病院」である加古川医療センター、「新型コロナウイルス感染症重症特定病院」である尼崎総合医療センターを中心に、重症者を積極的に受け入れているほか、第二種感染症指定医療機関の指定を受けている丹波医療センター、淡路医療センターをはじめ、その他の県立病院でも一般医療の状況等を見ながら患者の受入を行うなど、コロナ対応において先駆的な役割を果たしてきたと考えている。

その一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大により、受診控えや予定手術の延期など一般医療にも影響を及ぼしており、国の空床補償等の支援制度はあるものの、今後も厳しい経営状況が続くことには変わりないと思われることから、経営改善を図りながら、県民の命を守る最後の砦としての県立病院の使命を果たすべく、ご尽力いただきたいと考えている。

令和2年度は特に手探りの時期であったと思うが、コロナ禍で県立病院が果たした役割について、どのように総括しておられるのか、見解を伺う。

 

2.第4次病院構造改革推進方策に対するコロナ禍の影響について

県では、「県民と地域から信頼され安心できる県立病院づくり」を基本理念として、「より良質な医療の提供」「安心できる県立病院の実現」「持続可能な経営の確保」「安定した医療提供体制の確立」の4つの柱を掲げた「第4次病院構造改革推進方策」を平成31年4月に策定し、病院の構造改革に取り組んでこられた。

令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、県立病院全体における入院患者数・外来患者数が大きく減少し、入院収益・外来収益の合計は前年度と比べて約67億円の大幅な減収となった。その一方で、診療報酬の増額や空床補償等により、減少分が補填され、経常損益は結果として約7.4億円の黒字となったが、今後コロナ禍が落ち着いてきたときにしっかりと収益を確保できるのか、「持続可能な経営の確保」という点では今後心配されるところである。

また、「より良質な医療の提供」という点では、このコロナ禍で新型コロナウイルス感染症以外の医療分野の診療にもしわ寄せがあったと認識しているが、推進方策に掲げておられた診療機能の高度化や効率化等を推進するにあたっても、かなり影響を受けたのではないかと考える。

そこで、第4次病院構造改革推進方策の推進にあたり、コロナ禍の影響があったと認識している点を伺うとともに、推進方策の実現に向けて今後どのように対応していこうとされているのか、見解を伺う。

 

3.県立病院における人材確保・育成について

次に、第4次病院構造改革推進方策の4つの柱のうち、「安定した医療提供体制の確立」に繋がる医師・看護師の確保対策、医療事務等に関する専門的人材の育成について伺う。

(1)医師の確保対策について

まず、医師の確保対策について伺う。県立病院ではかねてから医師確保対策を推進しているところであり、県立病院の常勤医師数については、関連大学に対する医師の派遣要請や公募の実施等により、全体的には増加傾向にあるものの、地域偏在や特定診療科での医師不足が課題となっていたと認識している。

この対策として、当局では県立病院群のスケールメリットを活かした研修の充実や、医師の定着が難しい地域における医師修学資金制度の実施など、医師育成システムの構築等に取り組まれるとともに、高度先進医療機器の導入や女性が働きやすい環境整備の推進など魅力のある勤務環境を整備するなどとされていた。

コロナ禍において、こうした医師の確保対策は計画どおり進んでいるのか、お伺いする。

 

(2)看護師の確保対策について

次に、看護師の確保対策について伺う。県立病院では、これまでも看護師を安定的に確保するため、積極的に採用試験の充実や魅力ある職場環境づくりに取り組まれてきたと認識している。採用にあたっては、コロナ禍においても安定的な看護師の確保を図るため、採用試験の実施方法の見直しや採用広報活動の強化などに取り組んだ結果、令和3年度の上期に実施した2回の試験において、過去の実績を上回る受験数を確保できており、明日の3回目の試験においても、昨年度を上回る受験申込みがあったと聞いている。このことから、予定どおりに採用選考が進んでいるのではないかと考えている。

また、現職看護師の離職を防止するため、様々なキャリア支援や業務負担軽減策をはじめ、コロナ禍におけるメンタルケアの実施など魅力ある職場環境づくりに取り組まれてきたものと思われる。

今後、はりま姫路総合医療センターの整備や新型コロナヘの継続的な対応等により、県立病院における看護師の確保がますます必要になると思いますが、これまでの取組の成果とともに、今後どのような取組を行っていこうとされているのか、見解を伺う。

 

(3)医療事務等に関する専門的人材の育成について

最後に、医療事務等に関する専門的人材の育成について伺う。以前、監査委員をさせてもらっていたこともあり、病院の医療事務に関する監査もしていたが、県立病院の事務等に対する指摘・指導は毎年よく似ているというのが私の感想である。

ただ、県立病院は数も多く、規模も大きいのでやむを得ない部分があるとは感じている。また、公立病院である以上、経理にしろ、医事にしろ、専門性が求められる職員が一定の期間で異動するということが避けられない上に、日常の多くの業務を裁かなければいけないという現状も認識している。

診療機能の高度化・専門化等に対応するため、病院局では、経理に必要な簿記の研修や医事の業務でも専門性を高められるような取組をしていると伺っているが、これまでの取組状況と、それを踏まえた今後の取組方針について、当局の所見を伺う。

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