関西広域連合(仮称)の設立に対する会派意見の開陳

 8月20日開催の委員会において、関西広域連合(仮称)の設立に対する各会派の意見が開陳されました。我が会派として、次のとおり意見を陳述しました。

関西広域連合(仮称)の設立に対する意見について

 関西広域連合(仮称)の設立について、民主党・県民連合の意見を表明します。
 昨年の8月末の総選挙における政権交代以降、この国のあり方を大きく転換する改革の一つとして、我が民主党は、地域主権改革を強力に推進しているところであります。
 中央集権型の画一的な行政では、多様な地域ニーズに沿った政策の実現には限界があり、住民参加による行政を実現するためには、地域主権の徹底が不可欠であります。
 地域主権改革が目指す国と自治体のあり方は、国と地方の役割分担に係る「補完性の原則」に基づき、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねることを基本とし、基礎自治体が広く事務事業を担い、基礎自治体が担えない事務事業は広域自治体が担い、国は、広域自治体が担い得ない事務事業を担うことで、本来果たす役割を重点的に担っていくべきと考えております。つまり、広域自治体が担える事務は、国ではなく、広域自治体が担うとしております。その考えに基づき、国では現在、地域主権戦略大綱を今年6月に定め、各地の要望を踏まえつつ、権限や財源の移譲を進めようとしております。

 このような状況の中で、今、進めようとしている「関西広域連合(仮称)」の設立については、民主党が推し進める地域主権改革を地方から推進しようとするものであります。
 「関西広域連合(仮称)」の設立のねらいの一つとして、地方分権改革の突破口を開くためとしておりますが、中央集権体制と東京一極集中が進む中、地域の自己決定、自己責任を貫ける分権型社会を実現にあたっては、道州制など国からの動きをただ待つのではなく、地域が主体的に行動し、国の地域主権改革を先導する意気込みを持って行うものであり、評価できるものであります。
 また、設立のもう一つのねらいである国の地方支分部局の事務の受け皿づくりを目指すことについては、現在、地域主権戦略大綱に沿って進められている「国の出先機関の原則廃止」の議論の中で、各省庁は「府県域を超える広域事務は、府県では処理できないために国がやらざるを得ない」と地方支分部局の存在を正当化しているが、この理屈を打破し、地方支分部局の必要性を解消させ、国の出先機関の見直しの議論を一層促進するためにも、府県域を超える事務の受け皿となる関西広域連合の早期設立が必要であります。
 そして何よりも、中央集権体制と東京一極集中が進み、地盤沈下している関西経済の浮上にあたっては、産業や観光振興などの多様化する地域課題に対応するために、関西のことは関西が決定し、実行できる自立型の行政システムを確立する必要があり、まさにこの関西広域連合がその役割を担うものであります。
 よって、我が会派は、「関西広域連合(仮称)」の設立については、賛同するものであり、まずは、本格的な広域行政の実現に向けた第一歩として、機構を立ち上げることが必要であります。それを契機に、国に対して予算措置や移譲が可能な事務・権限を強く求め、県民のためにも、地域から地域主権改革を求めていくべきと考えます。

 なお、今後の関西広域連合の設立、検討にあたって以下の点に留意するように求めます。
 まずは、広域連合における意思決定権は、法律上、広域連合長にありますが、一部の自治体等の考えで動くことがないよう、関西全体の総意として動くためにも、広域連合長の合議機関として位置づけられている広域連合委員会での意思決定については、全員一致の原則を取ることが必要であります。
 次に、広域連合議会について、まず役割については、現時点では、県民から見ると明確でないことから、例えば、広域連合の意思決定の過程に連合議会が参画できる仕組みを付加するなど、県民からも見てわかるような議会の役割を検討するべきであります。
 また、議員報酬については、年額制はコスト面で優れているかもしれませんが、議会という流動性のある機関から選出されるなどの特性から年度内の途中交代等もありうることや、他の行政委員会等の報酬が日当制で提案されていることからも、額の多寡よりも日額制が望ましいと考えます。
 議員定数について、まず、簡素で効率的な必要最小限の体制とし、小規模県の参加を図るために調整した結果ではありますが、配分は人口比とかなりかけ離れています。今後、事業が拡大するにあたって、事業内容や組織体制に相応しい議員定数とし、各府県の人口比に十分配慮した配分とすべきであります。
 また、住民等からの意見を聞くために設置する広域連合協議会については、関西の課題と今後のあり方を踏まえた広域連合の将来像を議論するものであることから、委員については、地域団体・経済団体代表のみならず幅広い分野から選任を行い、一丸となって関西の浮上を諮る仕組みを構築することを求めます。
 また、関西広域連合について、市町や県民にとっては、自分たちの問題としての認識が乏しい状況であることから、市町や県民への周知を更に努めるように要望します。

 最後に、関西広域連合(仮称)の設立や今後の運営にあたっては、全関西の府県の参加が重要であり、今回参加を見送った奈良県のほかにも、参加の態度を明確にしていない府県もあります。引き続き、兵庫県としても参加への呼びかけが必要であり、他府県とともに足並みを揃えて、規約案を各議会に上程することが重要であることを申し添えて、民主党・県民連合の意見とさせていただきます。

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