向山 好一議員が質問(予算審査・県土整備部)

質問日:令和4年3月11日(金)

質問者:向山 好一 委員

 

1 県道に私有地が含まれる問題について

「道路」とは、道路法で一般交通の用に供する道と定義されています。ですから、兵庫県は神戸市域内を除く県道及び指定区間外の国道を一般交通に支障がないように整備する責任があります。しかし、私の地元にある「県道327切畑道場線」の一部に私有地が含まれ、権利を主張する人がいることによって、交通に支障が生じている箇所があります。

私は、令和2年9月に開催された建設常任委員会でこの問題を取り上げ、このように県道に私有地が含まれる箇所は他にあるのかと質問したところ、「兵庫県にどれだけあるのか把握していない」との答弁でした。

ところが、昨年11月に民法テレビ番組で、姫路の県道で私有地が含まれ、その土地の所有者は「県に買取りなどの交渉をしているが取り上げてもらっていない」と報道された。さらにこの問題は5年前から話し合いをしているとのことでした。

この報道を見て、私は建設常任委員会での質疑を思い出し、驚きと動揺を覚えました。あの時の答弁の、「兵庫県にどれだけあるのか把握していない」は間違いでないにしても、5年前に同種のトラブルが既に起こっていたということです。

道路法上で神戸市内の県道の管理者は神戸市とはなっていますが、同じ道路法で県道の敷地は県に属すとなっていることを考えると、この県道のトラブルは決して他人事とはいえず、もし県が神戸市に呼びかけるなどして5年前に県道に私有地が含まれる他の箇所を調査し、適切に対処しておけば、いま「切畑道場線」で起こっているトラブルは未然に防げたかもしれないということです。

そこで、あらためて質問します。県道に私有地が含まれたまま道路として供用していることは放置しておいていいことでしょうか。何か対策を行うお気持ちはあるのでしょうか。

 

2 景観に配慮した防潮堤について

県土整備部は、「高潮対策10箇年計画」を策定し、平成30年の台風21号での高潮被害等を教訓としながら順次防潮堤の改修を行っています。その防潮堤の一部に景観に配慮する目的で「アクリル板付きの防潮堤」を設置されています。

この「アクリル板防潮堤」が兵庫県で初めて設置された場所が洲本港海岸です。この地の防潮堤は元々アクリル板なしの設計で進んでいましたが、平成29年10月の一般質問で、ある議員の「今後の防潮堤建設は景観に配慮したものにすべき」との質問に対し、当時の県土整備部長が「観光地や景勝地、人が多く集まる海岸などに限定して有効な方策として考えたい」と答弁したのを契機に設計変更がなされたのです。そして、そのアクリル板の納入業者は「シーウォール推進協議会」という団体でした。

その後、平成30年2月の一般質疑、平成31年1月の建設常任委員会でも、ある議員から議連を立ち上げた紹介と景観に配慮した防潮堤建設の積極的な働きかけがなされたのです。

そして、令和2年、南芦屋浜の防潮堤にも「アクリル板防潮堤」が設置されることになり、南側海沿いの部分が完成しています。そして、その納入業者はまたもや「シーウォール推進協議会」でした。

ここで、「シーウォール推進協議会」なる団体のことを若干紹介します。この団体は任意団体で代表者は喜田俊雄氏、アクリル板のメーカーではありません。所在地は神戸国際会館の18階、そこには何故か「ひょうご環境推進協議会」なるNPO法人が同居し、そのNPO法人の役員に複数の兵庫県会議員が名を連ね、今は変更になっていますが当時の代表者も兵庫県議会議員でした。

コンクリートの塊の防潮堤よりアクリル板があるほうが景観は優れるのは認めます。しかし、私がこれは問題じゃないかと指摘したいのは、南芦屋浜防潮堤工事の入札希望者へのアクリル板のメーカー選択に関する質問に対する令和元年8月9日付けの回答に、「シーウォール推進協議会の製品を想定している」と明記していることです。つまり、シーウォール推進協議会を通さないと設置できないとなると価格競争が働かなくなるのは火を見るより明らかです。

現に建設費は洲本の場合が1.8倍、南芦屋浜の場合は5億円も追加経費がかかっています。なぜ、「シーウォール推進協議会」限定かのような仕様にしたのか明確なご答弁を求めます。

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