迎山 志保議員が質問(財政状況)を実施

令和3年度決算特別委員会 【財政状況】

質問日:令和4年10月5日(水)

質問者:迎山 志保 委員(ひょうご県民連合)

1 2021年度決算収支について

(1)過去最大約218億円の黒字収支について

2021年度決算の実質収支は217億8100万円の黒字となり、実質単年度収支もほぼ同額の217億7200万円の黒字である。私が県会議員になったのが2011年。
その2011年度以降の10年間の決算をみると、実質単年度収支は黒字が9年で赤字が1年。黒字の9年の中では2017年度決算の4億6600万円が最高で黒字が5億円を超える年はなく、過去10年間の実質単年度収支の合計額は約28億円である。2021年度単年度の218億円という黒字の数字がどれほど大きな額かということである。
ここまで大きな金額の黒字を単年度で出すことについて、会派の重要政策提言の際に、決算の方法について知事が出された指示や方針について会派から尋ねた。齋藤知事からは「特段なんかこう操作するとか指示はしていません」というものだった。
財政当局とすればこれまでと桁違いの大きな黒字決算となることをただ平然と数字をそのまま出すかというと、いくらボトムアップ、部局マネージメントとはいえ少し考えにくい。予算執行の段階から、地方交付税の減額精算や国庫返納金など、後年度に精算が必要な金額を基金に積むことで、精算後の34億円という姿の黒字を出すことも可能だったとは思うが、あえて218億円というありのままの数字を出された。財政当局として思案もあったと思うが、知事のありのままで、という判断の結果かと推測する。少なくとも私はそう受け止めたがこの認識でよいか。

 

(2) 新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金活用事業等の国庫返納金について

約218億円の単年度の実質収支の黒字だが、普通交付税の減額精算や新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金活用事業等の実績減に対する国庫返納金など、後年度に184億円の精算が生じる見込ということで、実際は184億円を減額して34億円が真の黒字という説明である。また減額分のほとんどが新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金等の国庫返納金ということだがどのくらいの金額を見込んでいるのか。

(3)黒字分の財政基金への積立について

過去に例のない218億円という実質収支の黒字が出たことについて、それをどう活用するかという点でもう少し詳しく伺う。地方財政法では決算で生じた剰余金の処理の方法について規定がある。「地方公共団体は、各会計年度において歳入歳出の決算上剰余金を生じた場合においては、当該剰余金のうち二分の一を下らない金額は、これを剰余金を生じた翌翌年度までに、積み立て、又は償還期限を繰り上げて行なう地方債の償還の財源に充てなければならない」となっている。
つまり218億円の2分の1、109億円については基金に積み立てるか、地方債の繰り上げ償還に充てなければならないということになる。
先に決算についてふれた重要政策提言での知事の発言を紹介したが、知事は「黒字が一定出た時には財政基金に積み立てるということも(考えている)。県債管理基金の不足を埋めるのも大事なんですけど、やっぱり貯金できるときには、貯金していくということも私は大事かなと思います」という話をされていた。
これを素直にきくと、剰余金、黒字を「県債管理基金」に積んで、地方債を繰り上げ償還するというより、「財政基金」に積んで、今後の行政需要に備える方針であると言うふうに聞こえたが、財政当局としてどう受け止めているか。

2.2000年度(平成12年度)から20年以上継続する管理職手当減額措置の終了時期について

2021年度の決算を踏まえ、純然たる34億円の黒字額、その半分については、県債管理基金か財政(調整)基金かいづれかの基金に積み立てられるということになるが、財政(調整)基金の積立ても検討しているなら、20年以上継続する管理職手当減額措置の終了についてもそろそろ検討すべきものではないのかという観点で質問したい。

管理職手当における給与抑制措置について、昨年度の県人事委員会報告では、
「本(2021)年度は、本県の財政状況や他の地方公共団体の状況等を踏まえ、管理職手当の減額措置が減額率を10%から12%に引き上げた上で行われている。これは、県議会の議決を経て制定された「行財政の運営に関する条例」及び「兵庫県行財政運営方針」に基づくものであるが、本委員会の勧告に基づく給与改定とは別の観点から実施されており、あくまで期間を限定した緊急的・臨時的なものであることが求められる」と明記されている。
管理職手当の削減は今に始まったものではなく2000年度から現在まで22年もの長期間継続されている。こうした減額措置の継続は、慢性的なものであって、緊急的、臨時的なものではない。管理職の成り手不足やモチベーションの維持の点からも少なくとも減額措置期間の明示や減額措置の終了に関する目安などを出すべきではないか。

3.将来負担比率の全国ワーストからの脱却について

最後に前年度2021年度決算に基づく全国の財政指標、特に兵庫県が指標導入以来全国ワーストを続けている将来負担比率について伺う。本県では本格的な行革措置を新たな地方財政健全化法の施行による財政指標の導入がなされた2007年度から15年間も実施してきた。財政悪化の原因とされる阪神淡路大震災からは27年が経過する。そんな中で財政指標は改善されているのか。
2020年度の47都道府県の決算における将来負担比率のワースト3は①兵庫県337.3%、②北海道325.6%、③新潟県324.1%であった。2021年度決算において兵庫県は22.2ポイント改善し315.1%となった。2020年度決算の北海道の数値よりよくなっている。2021年度決算で兵庫県のワースト脱却があるのか。また今後ワーストを脱却する見通しがあるのかについて伺う。

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