栗山 雅史議員が質問(企画部、県民生活部、部外局)を実施

令和3年度決算特別委員会 【企画部、県民生活部、部外局】

質問日:令和4年10月6日(木)

質問者:栗山 雅史 議員(ひょうご県民連合)

 

万博客をいかに兵庫県に呼び込むかについて

この議会、本会議においても、「ひょうごフィールドパビリオン」についての質問が多数あり、その意義や活用、位置づけ、シビックプライドなど様々な観点から質問がなされてきました。「ひょうごフィールドパビリオン」について、議会でも、県内各地でも盛り上がることは尊いことでありますし、大いに結構なことだと思いますが、私はどうしても、その「ひょうごフィールドパビリオン」に、万博客を本当に呼び込めるのか、どの程度の方々が兵庫県に来てくれるのか、というのが未だに心配でなりません。

「万博客を兵庫県に呼び込みたい」という表現がよくなされますが、これは言い換えると「おこぼれをもらいたい」ということなのでしょうか。「万博」という強力な誘因コンテンツが前提として存在していて、万博に行く前後ということでしょうか、ついでになのか、万博に加えて絶対に行きたいという「ひょうごフィールドパビリオン」になりえるのか、そのあたりを想像すると、果たしてどの程度の方々が万博会場から完全に離れた兵庫県内各地の「フィールドパビリオン」に来てくれるのか、戦略がないと簡単には来てくれないんじゃないかと思っています。

よく似た話で、コロナ前に、大阪入りしたインバウンド客をいかにして兵庫県に来てもらうか、というようなことを過去に議論してきました。「ひょうごゴールデンルート」というものも設定しましたし、兵庫県への誘客についての様々な取組みがなされてきました。それでも、ある資料では、当時のインバウンド客の約5%しか兵庫県に来てもらえなかった、というデータがありました。これが事実かどうかわかりませんが、いずれにしても、兵庫県にお客様を呼び込みたいのなら、お客様の様々な分析や呼び込むための戦略、工夫がより一層必要であることは間違いないと思います。

では、この「万博客」について、簡単ではありますが、私なりに分析をしてみたいと思います。

大阪・関西万博の総来場者数は、「2025年日本博覧会協会基本計画」によると約2820万人と想定されています。そのうち、海外からの来場者は10%超となる約350万人だとか、予測されています。つまりは、逆に言い換えると「万博客」の約9割は国内客であるということなんです。そして、大阪府を中心とした兵庫県を含む隣県からのお客様が約1560万人、関西以外の日本全国からのお客様が約900万人と言われています。海外からのお客様は決して多くはないのです。

これらのように、「万博客」の居住地の属性、ボリュームの大きいところから言いますと、関西圏のお客様、関西以外の日本全国からのお客様、そして海外からのお客様となりますが、これらのお客様を兵庫県、「ひょうごフィールドパビリオン」に呼び込むためには、自宅からの距離や旅としての日程的なものなど、それぞれに来てもらえる可能性が異なるのではないか、アプローチも変えていかなければならないのではないか、と考えています。

例えば、海外客や関西在住以外のお客様は、おそらく宿泊を伴う旅行として、万博を観光のメインとして来られるのでしょう。日程的には、長いものから短いものまであるとは思いますが、当然、滞在日数は限られてきます。万博のパビリオンが1日で回り終えられるようなら、万博会場を出て、兵庫県など他のエリアへ足を向ける可能性もあるのでしょうが、これまでに開催された各地での万博などを私たちも経験していますが、決して1日や数日ですべてを体験できることはないと思います。ということは、あくまでも「万博」がメインになりますし、それ以外のエリアに足を運ぶと言っても、関西圏のよほどの強力な観光コンテンツ、例えば京都や奈良、姫路城などですが、そういったところにしか、足を運ぶ余裕がないのではないか、と想像します。そんな中で、これから新たに立ち上げるものもあります「ひょうごフィールドパビリオン」に、果たしてどの程度の方々が来てくれるでしょうか。来てもらえるとしたら、相当の戦略が必要ではないでしょうか。

一方、関西圏のお客様は、「ひょうごフィールドパビリオン」に来てもらえる可能性が大いにあると思います。その理由としては、居住地と兵庫県は、ある程度距離が近いということ。そして、万博の会期期間は約半年間あり、日程的な制約がないこと。思い立てば気軽に行くことができます。しかし、これもまさに打ち出し方、プロモーションがうまく出来ていないと、やはり大きな観光コンテンツ「万博会場」に見劣ってしまう可能性があります。「ひょうごフィールドパビリオン」は、「兵庫県でも県内全域で万博をやっていますよ。新しいコンテンツ、パビリオンがありますよ。」と売り込むことになるのかなと思いますが、関西の方々にどこまでその存在や魅力を遡及できるのか、これは当局や関係各位の腕の見せどころだと思いますし、当然、細かな戦略と工夫が必要だろうと思います。

という訳で、「万博客をいかに兵庫県に呼び込むか」について、現在、当局はどのように考えておられるのか、ご所見をお伺いします。

NEWS

一覧を見る