小池 ひろのり議員が質問(予算審査・企画部・県民生活部・部外局)

質問日:令和5年3月2日(木)

質問者:小池 ひろのり 委員

 

1 刑務所出所者支援について

刑務所出所者の再犯率が非常に高く、社会復帰のために就労支援について、以前、産業労働部にお願いしました。その後も出所者支援が定着しておらず、犯罪の大きな要因となっています。安心・安全な社会にするためには、この再犯抑制が大変重要な今日的課題であると考え、再度取り上げます。

刑務所を出所する場合、主に仮釈放と満期出所の2通りがあります。受刑態度が良好で、身元引受人がいる場合に刑期満了前に、約半数が仮釈放で出所しています。そして、仮釈放から刑の終了までの期間、保護司が寄り添い大きな成果を上げています

一方、更生意欲に乏しく身元引受人がいない等の事情を抱えた満期出所者がいます。この場合、出所した途端に一般人になるため、保護観察のような支援制度がありません。職も住宅も自分で見つけねばならず、社会も出所者を温かく迎えるという状況ではないため、多くの問題を抱えていると言えます。実際に、再入所者のうち7割以上が再犯時に無職というのが現状です。

また、身寄りがなく福祉的支援もない高齢者や知的障碍者の再入所が問題になっています。65歳以上の満期出所者に限って言えば、2年以内の再入率は20.7%で、知的障碍者の再犯の動機は生活苦が42.9%、無職が84.6%です。出所者にとって最も大きな課題は、住宅支援と就労支援です。更に仕事が出来ない人には、福祉支援が必要な場合もあります。しかし、このような人たちの中には、支援の受け方すら知らない人も多く、行政の方から積極的に支援の手を差し伸べる必要があると思います。

こういった人達に、行政がもっと就労支援・住宅支援・福祉支援をしていかねばなりません。

「なぜ出所者に、そんな手厚い支援をするのか?」という意見もあります。しかし、一般人が刑法犯に触れる割合は、0.1%、つまり約1,000人に一人に対し、犯罪歴のある人が再犯する割合は、約50%、2人に一人と比べ物にならないほど高い数値です。

更に、犯罪者を逮捕してから刑務所を出所するまでの更生に要する税金は、犯罪1件当たり400万円以上と言われています。この税金の1割でも犯罪予防に廻せれば、犯罪を激減させることが期待できます。しかも、犯罪被害者を減らせます。安全な街になれば、警察官の増員も必要なくなり、観光客も増える等、私たちの生活環境の改善にも繋がります。税金の費用対効果を考慮すれば、刑務所出所者支援がいかに必要なことかは明白です。

そこで、県は、この満期出所者に対し、どのような支援をされようとしているのか伺います。

和歌山県では、女性刑務所の受刑者の高齢化が進み、住居と福祉支援を強化し

た対策に取組みました。その結果、支援を受けた人の再犯が大幅に激減したという事例があります。

兵庫県でも、観察所、県、市町がもっと連携して、知恵を出し合い、縦割り行政を乗り越えて出所者支援をする必要があります。行政の縦割りを乗り越え連携を図り、刑務所出所者支援を推進してもらいたいです。更に満期出所者には、住宅・就労・福祉支援など総合的にコーチングする専門家を置き、生活が安定するまでの間、せめて半年くらい寄り添うことが出来れば、再犯は半減すると思いますが、如何でしょうか?

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