前田 ともき議員が質問(産業労働部)

質問日:令和5年3月6日(月)

質問者:前田 ともき 委員

 

1 ゼロゼロ融資~1兆58億円のリスク~

コロナ対策でゼロゼロ融資。

実質無利子で保証料ゼロ、融資期間最長 10年、据置最長 5年の大盤振る舞い。

政治屋は「企業を守るために、どんどん貸し出せ!」というが、不正・乱脈融資・焦げ付きは国民負担となる。

コロナ禍で休業や休職など様々な給付金・助成金メニューが用意されたが、続々と不正が発覚している。数値改ざんによるゼロゼロ融資の不正受給に対する対応・調査はどのようになされているのか。

また、反社が合同会社を設立し、不振企業を買収。その後、代表者はそのままでゼロゼロ融資助成金などを最大限引っ張って計画倒産も十分ありうる。

また、金融機関にとっても、リスクゼロで融資額を増やすチャンスだった。

かつて指摘したが、プロパー融資からゼロゼロ融資への実質的な変更による保証協会へのリスク移転を金融機関が行うインセンティブがある。

指摘後、金融機関による不正も発覚した。

中日信用金庫では行員がゼロゼロ融資の認定を受けるために、コロナ禍で売上が減少したと申請書類を改ざんする不正が発覚した。コロナ融資3735件のうち、3割程度に申請と実態に売上高に食い違いがあるなど、発覚したのは氷山の一角。

企業ではなく、金融機関。驚くべきことだ。

財務局の検査だけでなく、信用保証協会による審査、検査は厳正に行われているのか。

これから始まるゼロゼロ融資の返済。新設された借り換え融資。

兵庫県が有する保証残高は7900億円であり、いかに減損を防ぐかが重要である。

減損のつけは債権放棄で県民が払うことになる。

ゼロゼロ融資の不正対策、発覚時の厳格な対応を求めるがどのような状況か。

 

2 コロナ協力金の不正対策

令和2年度だけで77兆円の膨大なコロナ予算。東日本の復興に10年で32兆円であり異次元。

雇用調整助成金や休業補償、PCR検査やコールセンターの委託、病床確保など多様な支援が実行された。

しかし残念かつ当然に不正が発生している。

会計検査院の検査では、雇調金について抜き打ち調査をしたところ1割で不正が発覚した。

県予算が大きい事業は、新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金3325億円だ。

資金繰りからくる緊急性、行政の負荷もあるため、申請は簡素化。

それは仕方ない。しかし、不正は許さない。

厚生労働省の雇用調整助成金の場合は、不正受給を行った事業所名を積極的に公表。

事前予告なしの現地調査。不正“指南役”の氏名も公表などを表明している。

2割のペナルティと延滞金も返還請求し、捜査機関に対し刑事告発を宣言している。

本県が実施した新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金について、ランダム調査や抜き打ちの立ち入り検査、不正発覚時の厳格な対応についてどのような状況か。

また、厚労省など他の助成金実施機関とも情報共有を行い、芋づる式で不正を暴く体制が求められるがどうなっているのか。

 

3 防衛産業の誘致・支援

産業条例の改正案。対象5分野には半導体やドローンなど近接分野もあるが、重点支援業種に加え防衛産業も含めるべきではないのか。防衛産業は安全保障であり、成長産業にもなっていく。

これまで日本の防衛産業は赤字部門、企業の防衛売上比率が極めて少なく、レピュテーションリスクもあるため、企業の矜持に頼ってきた日の目を見ない存在だった。

これから、世界各国が防衛費の増加へと動き、日本も輸出強化や発注形態の見直しによる利益率の改善が見込まれる。韓国はK防衛で海外受注倍増の2兆円と加速しているが日本も輸出拡大へ本腰をいれる。また、戦車は1000社、護衛艦2000社の企業が関連するなど裾野が広く、中小企業にも恩恵。日本の防衛産業の再編は不可避であり、ロッキードマーチンやレイセオン、BAEのような巨大企業も誕生するだろう。

また、防衛は技術開発・イノベーションの肥沃な土壌だ。

古くはインターネットや音声アシストsiri、手術ロボットのダヴィンチに至るまで。

最近ではAI、量子、無人機などで軍民両用(デュアルユース)の強化に動いていく。

これら技術は防衛だけでなく、民間へも派生し、新しい技術・サービス・スタートアップへとつながるのは過去の歴史、人口あたりのVC投資額がダントツ1位のイスラエルを見ても明らかだ。防衛産業は様々な産業へと波及し、総合的な産業振興にも好影響。 各自治体は様々な産業振興・企業誘致をする。

しかし、半導体は基幹となるTSMCが九州、ラピダスが北海道に決まり勝負あり。

バイオ誘致は競合自治体が多数。

一方で、正面から防衛産業の誘致・強化を図る自治体はおらずチャンスだ。

防衛産業や兵器工場は軍事攻撃を受けるリスクや感情面で住民の反対懸念もあり、自治体の積極的な支援が必要と考える。これらを踏まえた防衛産業の誘致・集積に向けた兵庫県の見解を問う。

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