11年12月定例会

災害対策の充実強化を求める意見書(案)

 近年の相次ぐ台風や記録的豪雨は、尊い人命を奪うばかりか、住宅や道路、河川等の公共土木施設、農地及び農業用施設、林地、林道施設等を損壊し、農作物にも甚大な被害を与えるなど、国民生活や経済活動に大きな打撃を及ぼしている。
 本県を襲った台風に限定しても、2004年の台風23号や、22名の死者・行方不明者を出した2009年の台風9号による兵庫県西・北部豪雨などは未だその傷跡もいえず、さらに先に来襲した台風12号や15号は、長時間にわたって西日本各地を暴風雨に巻き込み、洪水や土砂崩れ等により尊い人命が失われたのみならず、鉄道や道路の損壊による集落の孤立、停電や断水などライフラインの遮断などのほか、農林水産業や商工業等広範な分野に深刻な被害を発生させた。
 こうした相次ぐ災害に迅速かつ適切に対応するためには、被害地域の円滑な復旧・復興に向けた十分な予算確保と事業実施が不可欠であるとともに、土砂災害等のメカニズムを解明したうえで、適正な山地防災や河川管理を中心とした治山・治水対策の充実を進める必要がある。
 さらに、被災自治体では、災害復旧に向けた取り組みがその都度全力で行われているところであるが、復旧には膨大な経費と労力が必要であるとともに、災害から住民の生命や財産を守るための予防措置が一層講じられなければならない。
 よって、国におかれては、災害対策の充実強化を図るため、速やかに下記の措置を講じられるよう強く要望する。

1.土砂災害等のメカニズムを解明したうえで、地域の実情に応じた総合的な治山治水及び土砂災害の対策を推進するとともに、道路や河川等の防災対策の強化を図ること。
2.災害発生後約2~3か月後とされている国の災害査定期間の短縮化を図るとともに、再度災害に備えた改良復旧事業等の推進に対する支援を講じること。
3.自治体が行う災害復旧事業や被災者救援に対する特別交付税の重点配分を初め、関連事業予算の確保に特段の配慮を行うこと。
4.被災農林水産業者や中小企業者等の経営の安定に資するため、金融・税制面等の支援措置の拡充を図ること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

持続可能な農業・農村対策の推進を求める意見書(案)

 我が国の食と農林漁業は、従事者の所得の減少や、担い手不足の深刻化や高齢化といった厳しい状況に直面しており、食と農林漁業の競争力・体質強化はまさに待ったなしの課題である。加えて3月に発生した東日本大震災は、農林漁業に大きな被害をもたらすとともに、我が国の農林水産物の信認に対する影響も大きかったことなどから、食料の安定供給の必要性が再認識されたところである。
 去る10月25日に政府は、「食と農林漁業の再生推進本部」の会合を開き、環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加を念頭にしつつ、農地の規模拡大や新規就農の増加などに取り組むことや、食料自給率を50%に引き上げる目標を確認するなどの基本方針・行動計画をまとめたところであるが、TPP協定が農林水産業に様々な影響を与えると予測される中、国民の期待に応えていくには、「美味しい」、「安全」、「環境にやさしい」という我が国の農林水産物の持ち味を再構築する取り組みを推進しながら、農山漁村に存在する豊富な資源を有効活用した6次産業化や、農林漁業の成長産業化、次代を担う人材確保並びに、地域農業と農村社会を維持するセーフティネットの構築などを図っていかねばならない。
 よって、国におかれては、持続可能で活力に満ちた農業・農村対策を進めるため、下記の措置を講じられるよう強く求める。

1.「我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画」に基づく具体の支援策と実施スケジュールを早急に示すこと。
2.TPP参加の場合の影響等に関する迅速かつ明確な情報提供を行うとともに、影響を補填し得る効果的かつきめ細かな支援施策の強化に努めること。
3.米の消費拡大に向けた継続的な取り組みを支援するとともに、主要農作物等の生産振興を一層促進すること。
4.新規就農者や企業の農業参入を促す支援を拡充するとともに、担い手不足に対応するための集落営農の組織化を加速するための取り組みを創設すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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