◆23年6月定例会 会派提案の意見書案 第7号

意見書 第7号

豊かな学びと育ちのための少人数学級実現と教職員の働き方改革実現のための義務教育費国庫負担制度拡充を求める意見書

新型コロナウイルス感染症の位置付けが2類相当から5類へと移行されたものの、依然としていじめや不登校の子どもたちの増加、貧困やヤングケアラー等による不安定で複雑な家庭環境など、子どもたちを取り巻く問題は多様化・細分化している。一人ひとりに対し、よりきめ細やかな指導・支援が必要となっているところである。
2021年の公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の改正により、小学校の学級編制標準は段階的に35人に引き下げられているが、今後は小学校に留まることなく、中学校での実施も必要であり、加えてきめ細やかな教育活動を進めるためには、更なる学級編制標準の引下げ、少人数学級の実現が求められる。
兵庫県内の小学校・中学校では、年度当初から教員配置基準に満たない教員未配置が発生し、それに加え、育児休業、病気休職者などの代替措置が未充足であるなど、慢性的な教員不足により、子どもたち一人ひとりに丁寧に寄り添い、教材研究や授業準備の時間を十分に確保することが困難な状況となっている。子どもたちの豊かな学びと育ちを実現するためには、教職員の働き方改革実現が不可欠である。
一方、厳しい財政状況の中、独自財源により人的措置等を行っている自治体もあるが、自治体間の教育格差が生じることは大きな問題である。現在、義務教育費国庫負担制度については、国庫負担率が3分の1となっているが、国の施策として定数改善に向けた財源保障をし、子どもたちが全国のどこに住んでいても、豊かな学びと育ちを保障するための条件整備は不可欠である。
よって、国におかれては、上記の状況を踏まえ、下記事項に取り組まれるよう強く要望する。

1 中学校での35人学級編制を実現すること。
2 学校の働き方改革・長時間労働の是正を実現するため、加配教員や少数職種の増員などを推進すること。
3 教育の機会均等と水準の維持向上を図るため、地方財政対策を維持した上で、義務教育費国庫負担制度の負担割合を引き上げること。

以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

令和5年6月19日

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