11年6月定例会

安定したエネルギー供給と省エネルギーの推進を求める意見書(案)

 去る3月11日に発生した東日本大震災は、東京電力(株)福島第一原子力発電所に対し甚大な被害を与え、我が国は原子力利用のあり方や日本のエネルギー政策の見直しを迫られることとなった。
 国は、今夏の電力供給不足に対応するため、東京電力と東北電力管内において、15%の節電を求める使用制限を発動したが、今後も大幅な電力不足が予測される中、計画停電や供給不足に伴う不測の停電を避け、エネルギーの需給バランスを保つためには、再生可能エネルギーを初めとする供給体制の抜本的な見直しや、省エネルギーの推進に向けた一層の取り組みが不可欠である。
 国では、福島第一原子力発電所事故を踏まえたエネルギー基本計画の見直しを進める中、再生可能エネルギーを今後の基幹エネルギーの一つと位置づけ、太陽光発電を2030年に現在の15倍に増やすことなどを盛り込んだ『サンライズ計画』構想をまとめるとともに、菅総理が「日本の電力全体に占める自然エネルギーの発電比率を2020年代のできるだけ早い時期に20%とするよう取り組む」と表明するなど、既に新たなエネルギー供給のあり方の検討を始めている。
 よって国におかれては、こうした取り組みを実効性あるものとし、エネルギーの需給バランスを保って安定した国民生活を支えるため、下記事項に積極的に取り組まれるよう強く要望する。

1.再生可能エネルギーの推進にあっては、持てる技術力を最大限に活用し、目標達成に向けたプランを具体的に示して取り組むこと。特に、太陽、風力、地熱、水力発電といった自然エネルギーのほか、循環型社会への転換を進めるバイオマスエネルギーの導入といった特色ある資源の有効活用を進め、分散型エネルギーシステムの展開を図ること。
2.実効性ある省エネルギー対策を進めるため、家庭や企業による自主的な取り組みを求めるとともに、省エネに向けた技術開発や、省エネに積極的に取り組む中小企業などへの積極支援を一層進めること。
3.地方自治体が取り組むエネルギー政策への技術的・財政的支援を充実させるとともに、コンパクトシティ、エコタウン構想を積極的に推進すること。
4.原子力発電に関しては、福島第一原子力発電所事故の一刻も早い収束はもとより、今回の事故の教訓を生かした安全指針の徹底した見直しを含む十分な検証を行ったうえで、国民の合意のもと、安全・安心な活用のあり方を十分検討すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

東南海・南海地震をはじめとする大規模地震対策の推進を求める意見書(案)

 去る3月11日に発生した東日本大震災は、岩手県、宮城県、福島県など東北地方を中心に甚大な被害をもたらす未曾有の大災害となり、激震とともに発生した大規模な津波と火災は、幾多の尊い人命を奪うなど、広範囲にわたって大惨事をもたらした。
 また、福島県内の原子力発電所においては重大事故が発生し、周辺住民は避難を強いられており、原子力発電施設等を有する地域の住民はもとより、国民全体に大きな衝撃と不安を与えている。
 一方、近い将来東日本から西日本にかけて、発生の可能性が極めて高いとされる、東海・東南海・南海地震では、21府県で2万5千人の死者が発生し、約55万棟の建物が全壊するとの被害予想もされており、万全の備えが求められる。
 よって、国におかれては、東南海・南海地震を初めとする大規模地震の発生という国家的危機に備え、国民の生命と生活の安全を守るために、下記の措置を講じられるよう強く要望する。

1.東日本大震災では、津波による犠牲者の割合が約9割といわれていることから、津波の観測体制の強化や調査研究の推進、防災上必要な教育訓練の実施や緊急輸送路の確保及び防災上必要な施設の整備を早急に進めること。
2.防災予算の確保や、防災・減災のための技術開発に向けて最大限の取り組みを行うとともに、地方公共団体が進める被害予測や津波に配慮したまちづくりなどの防災対策に対する技術的・財政的な支援を促進すること。
3.,国の中央防災会議等を通じた防災基本計画、特に災害発生直後から復旧・復興までの基本的な対応策の見直しを早急に進めるとともに、国・地方公共団体・大学・民間企業等との連携のもと広域的・専門的な協力体制の確立を進めること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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