北上 あきひと議員が質問(土木部)を実施

令和4年度決算特別委員会 【土木部】

質問日:令和5年10月12日(木)

質問者:北上 あきひと 委員(ひょうご県民連合)

 

1 道路の維持管理について

(1)撤去も含めた街路樹の「選択と集中」について

道路の街路樹は、快い緑陰をつくり、排気ガスや騒音をやわらげ、美しい花やあざやかな黄葉紅葉は、季節の移ろいを感じさせてくれます。また、私の地元川西市には、例えば「多田桜木」という地名がありますが、住民は古くからの沿道の桜並木に深い愛着を抱いており、まちの誇りとなっているところです。私たち県民に潤いや憩いを与え、また郷土愛、シビックプライドにも寄与する道路緑化事業は大変に意義深いと考えます。

一方、繁茂した街路樹、河川や民地から大きくはみ出た草木等が、歩行者や自動車の通行を妨げたり、根上がりによって歩道の縁石や舗装が持ち上がり、安全な通行に支障をきたしたりする事例は多く散見され、県民から数多の要望が寄せられているところでもあります。

各土木事務所においては、限られた予算の中、県民の安全で快適な通行空間を確保するとともに街並み景観の向上をめざし、道路の適正な維持管理に日々努めて頂いているところであり、そのことには心より感謝を申し上げます。

私はかねてより、周囲一帯が山に囲まれているような緑豊かな多自然地域の道路に植樹されている街路樹には意義を感じることができず、伐採・撤去することによって予算の選択と集中を大胆に推し進めることを求めてきました。また、市街地であっても、歩道脇の街路樹を撤去することによって、車いす、ベビーカー、自転車等の利用者を含め、より安全円滑な通行空間の確保に繋がる箇所も多くあると推察するところでもあります。

県におかれては街路樹の維持管理指針を策定する等、種々の見直しを進めておられると認識するところですが、撤去も含めた街路樹の「選択と集中」について、当局のご所見をお伺いします。

 

(2)隙間除草問題解決のための取組について

道路や歩道、中央分離帯等におけるアスファルトやコンクリートブロックの隙間から大きく繁茂する雑草は、視界を遮ったり通行の妨げになっており、住民から除草の要望が度々寄せられます。各土木事務所にあっては、限られた予算のなかで安全円滑な通行空間確保のために、迅速な対応に努めて頂いているものの、その箇所が多く、また雑草の繁殖繁茂する勢いが著しいこともあって「いたちごっこ」の様相を呈しています。

西宮土木事務所では、「隙間除草問題解決のための施工技術アイデアコンテスト」や「除草技術フォーラム@阪神南」を開催する等、効率的な除草方法の研究に取り組んでおられます。将来的には住民参加の道路管理も視野に入れた研究であると聞き及ぶところであり、その実用化や全県的な展開に期待するものです。

隙間除草問題解決のための取組における現状と今後の課題について、当局のご所見をお伺いします。

 

2 河川改修事業における生物多様性の保全について

本県においては、激甚化、頻発化する自然災害から県民の生命、財産を守るため、「河川対策アクションプログラム」に基づき、2020年度から28年度の9年間で総額約1,800億円を投じ、洪水調整機能強化等の河川改修に取り組んでおられます。防災・減災対策を効率的、効果的に推進し、住民の生命、財産を守ることは行政の使命であり、河川改修事業の円滑な進捗は多くの県民が切望するところです。

河川の流れは、時として人間にとって猛威を振るうものである一方、その流れによって形成される地形や在来動植物の自生を促す機能によって、多様な生物が生育、生息、繁殖する環境が保持されています。猪名川河川改修事業に伴い工事が予定される塩川においては、都市部であるにもかかわらずゲンジボタルが多数生息するとともに、環境省レッドデータブック、兵庫県レッドデータブックに掲載され、絶滅が危惧される生物の生息も確認されているところです。これらは、近隣の心ある住民が30数年にわたり定期的な清掃や自然観察会等、環境保全のための熱心な活動を展開されてきた成果でもあると考えますが、当該住民は、河川改修にあたって、多様な生物が生息できる環境を極力保全するよう、県に対して要望を続けておられます。工事の計画・執行にあたっては、住民の意向の一部を反映することも含め、種々検討中であると聞き及ぶところです。宝塚土木事務所におかれては、幾度にもわたる住民との話し合いや現地での説明会等を真摯に行って頂いており、改めて感謝と敬意を表します。

本県の事前防災対策を重視した河川改修事業の進展を図ることは極めて重要です。また、生物多様性の保全を図ることも大切な課題であります。よって、県においては「兵庫県生物多様性配慮指針」等もふまえ、良好な自然環境の保全に努めながら河川改修事業を進めることが求められると考えます。河川改修における生物多様性の保全について、本県でのこれまでの取組と今後の在り方について、当局のご所見をお伺いします。

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