中田 英一議員が質問(総務部、財務部、危機管理部)を実施

令和4年度決算特別委員会 【総務部、財務部、危機管理部】

質問日:令和5年10月5日(木)

質問者:中田 英一 委員(ひょうご県民連合)

 

1 災害時の避難行動について

(1)マイ避難カードの普及について

マイ避難カードとは、災害の危険が迫っている時に、「いつ」「どこに」「どのように」避難するかをあらかじめ自分で確認、点検し、書き記しておき、自宅内の普段から目につく場所に掲出しておくなど、いざという時の避難行動に役立てるためのカードで、阪神・淡路大震災を経験した兵庫県は防災先進県として「マイ避難カード」を推進してきた。

いつ発生するかわからない災害から県民の生命・身体を守る重要なこの取り組みは、実際にどの程度県民に普及・浸透しているか。

先の予算特別委員会で「県内全小学校区の4割超でワークショップ、あるいは出前講座等の取組がなされている」との答弁がなされているが、毎年実施している県民モニターアンケートでは毎年第4回に防災に関する項目を設定しており、これを見ると令和3年アンケートでは「マイ避難カードを記載している」は6.3%、令和4年の同調査では5.8%となっている。

令和3年から4年で0.5%低下している点は、この県民モニターアンケートが約2,500人を対象にしたサンプル調査であり、±5%程度の誤差は許容しているという性質から致し方ないとも思えるが、そもそもの数値が低い、あるいは、多くが固定化された県民モニターに同じ項目を質問しての結果として上昇しておらず、残念ながら普及の進捗が見えるような結果とはなっていないのではないか。

効率的に普及拡大するためには、無差別に広報するのではなく、より必要性を実感できる県民から広めていくことが大切ではないか。

マイ避難カードをあらかじめ作成しておくことの必要性は避難時に困難が伴う県民ほど高い。例えば、土砂災害警戒区域や洪水浸水想定区域等に居住または通勤している県民や、障碍等で即時迅速な移動に困難を伴う県民にはいっそう必要であると考える。

(平成31年から始まり)令和4年で終了した「高齢者・障害者自助力強化推進事業」は、平成30年7月豪雨災害において、岡山県倉敷市真備町では、自宅2階に垂直避難すらできずに多数の高齢者が死亡し、地域と接点がなかったシングルマザーの障害者とその娘が犠牲となるという事例を繰り返さないため、共助・公助による支えとともに、高齢者・障害者の自助力(防災意識)を向上し、早期避難の徹底等を促すことを目的に実施されたが、高齢者・障害者自助力強化推進事業の終了にあたりマイ避難カードの取組みとの関係や事業の成果の検証を含め、マイ避難カードの今後の普及に向けた戦略(進め方)と目標値について伺う。

 

(2)ペットの避難情報について

マイ避難カードの必要性の高い類型としてペットを飼育している県民が挙げられると考える。災害に遭うかもしれない自宅に、しかも長ければ数日帰れないかもしれない自宅に人生のパートナーであるペットを放置して避難することが難しいからである。

事実、民間事業者が犬・猫(以下、「ペット」)飼育者の1,150名を対象に、ペットのための防災対策に関するアンケート調査、「災害発生時、近隣避難所のペット受入れ可否が不明でも、(安全を確保の上)まずは、近隣避難所へ「ペットと同行避難」するか」の問いに対しては、「同行避難する」と回答した方の割合は83%にのぼった。

しかし、多くの指定避難所ではペットが避難できる環境まで整えられておらず、その事実はあまり知られていない。このため、ペット飼育者が自宅近くの避難所に向かったが、その避難所がペットの受入れを認めておらず混乱するといったことが起こり得る。

こういった例を示しながら、例えばペット飼育者向けにマイ避難カード(避難所の想定)の大切さを広報し、作成をすすめるといった取り組みも実施すべきではないか。

また、この前提には「ペット同行避難の可否」といった避難所毎の情報を集約し、一覧にするといった作業が必要となるが、避難時には自治体の境界線を越える場合もあることから広域行政として県が担うべき作業と考えるが合わせて所見を伺う。

 

2 投票方式について

R4年度に告示された兵庫県議会議員選挙は、従来通りの「自署式」投票制度で実施されたが、民主主義の根幹を成す民意の集約機能たる投票制度については、これまでも多くの議論や試行錯誤が重ねられ、より的確な民意が反映できるよう目指されてきた。

我が県議会でも、これまでの議論で登場した「記号式投票制度」は、候補者名があらかじめ印字された投票用紙に、○等の記号を記入する等簡易な方法で記入できるものであり、知事選挙では島根、大分、青森、岩手、熊本の5県、市区町村長の選挙では全国1,741の市区町村の12.3%にあたる214の自治体で既に導入されている。

また、平成14年に法整備がなされたが、機器トラブルによって選挙無効となる事例が起きてしまったこと等により、平成28年を最後にどの自治体でも採用されてこなかった「電子投票」制度は、本年8月の市川町長・町議会議員選挙にあわせて模擬投票が実施されている。

こうした投票方式は、集計作業の大部分を機械化することができ、人件費の削減、市町職員の省力化が見込めるだけでなく、高齢者や障碍者など自署が困難な投票弱者に優しい投票方式であり、無効票が減るなどより的確な民意の反映を望むことができるものと考えるが、県下における選挙の投票方式について、このような方式の採用も含めどう考えるか所見を伺う。

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