中田 英一議員が質問(教育委員会)を実施

令和4年度決算特別委員会 【教育委員会】

質問日:令和5年10月13日(金)

質問者:中田 英一 委員(ひょうご県民連合)

 

1 スクールサポートスタッフの配置拡充について

スクールサポートスタッフは、多忙化が懸念される教員の負担を軽減するため、コロナ禍でさらに増加した学校事務・庶務の負担を担って頂くために、導入された制度であった。

令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の予防対策として、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を活用し、県のモデル配置校40校に加え、年度途中から6学級以上の全小・中学校に追加配置されたが、令和3年度以降は全額国庫措置されず、県下の多くの小・中学校では配置が減り、現場から多くの苦しい声があげられた。

本年度、兵庫県は補助金として報酬の9分の2を支出し、国に半分の9分の1を、残りの9分の6、すなわち3分の2を市町負担として、全小中学校に配置することのできる制度をスタートした。

補助がない中でも独自予算でつけていた市町と、財政的に苦しい市町とで大きな開きが出てしまっている。

40市町と2つの事務組合を含めた42のうち、25が全校100%実施できている一方で、播磨町0%、淡路市0%、宍粟市5%、丹波篠山市10%、三木市15%、明石市23%、市川町20%、猪名川町25%、上郡町25%、三田市27%、たつの市28%、豊岡市46%と50%を切っている市町がある。

各市町の努力による市民サービスの向上について否定するものではないが、一方で教育サービスについては全県(全国)どこに居住していようが関係なく子供たちのために一定水準を保障するというのも本質である。

コロナに翻弄されてきた部分があるようにも思われるが、兵庫県として、スクールサポートスタッフの配置拡充についてどのように考えるかお伺いする。

 

2 スクールカウンセラーの配置等について

1995年から導入され少しずつ広がってきたスクールカウンセラー制度は、学校で児童・生徒が抱えるさまざまな課題について解決のための助言や援助などをおこなう専門家を配置する事業である。

本県で実施した令和4年度スクールカウンセラー配置事業実施状況調査結果では、「相談希望者の時間の確保が困難なため、1人あたりの時間を短縮して対応できている。」との回答が12.1%、「相談希望者の時間の確保が困難なため、希望があっても予約を受けられていない。」との回答が13.7%あり、4分の1以上の学校でスクールカウンセラー不足が明確になっている。

さらに、課題となっているのは、スクールカウンセラーに予約できたとして、その待期期間である。

地元小中学校で耳にしたのは、予約できても1・2か月先は当たり前という話である。

もし、子どもが「学校の人間関係で悩んでいる」と打ち明けてきた時に、「カウンセラーの予約が2か月先にできたからそれまで頑張って登校してね」としか告げることができない保護者や教員の辛さを想像する。

当然予算上の制約もあると思うが、スクールカウンセラーの確保や配置についての現状課題と展望について伺う。

 

3 研修等のICT化について

昨年までのコロナ禍で、学校現場にも大きな混乱と膨大な事務量を増加させるなどの負の影響が大きくのしかかったが、一方で数少ないいい影響をもたらしたものの中に、研修等についてもICT化が進んだことだと捉えている。

具体的には、教育委員会主催の研修や教科ごとの担当者会などのために県下各地から1か所に集まって実施していたものが、ZOOMなどインターネットに接続すれば、移動することなく自校で参加できるようになったり、録画配信を視聴して都合の良い時間に済ませられたり、移動に割く時間が劇的に短縮され、旅費も節約できるというものである。

しかし、新型コロナウイルス感染症の5類移行とともに、徐々にコロナ前に逆戻りをはじめ、こうしたメリットの多い点もコロナ前のやり方に変わっている、すなわち研修のために出張しなければならないことが急増しているとの声を聴く。

これまでもコロナ禍で得られたこうしたプラスの側面はしっかりと維持していってもらいたいとお願いしてきており、働き方改革の面からも研修のICT化を進めることが必要だと考えるが、県教委としてこの点についてどのように考えておられるのか伺う。あわせて研修のICT化を進めていくには、対面で行うのが適当な研修もあると思うので、研修の状況をある程度把握して具体的な方針を示していくことが大切だと思うが、この点についてもお伺いする。

 

4 人と自然の博物館エントランスホールの活用について

昨年、開館から30年の節目を迎え人と自然の博物館に新たな見せる収蔵施設としてコレクショナリウムがオープンした。高齢化が進むオールドニュータウンにできたこの施設は、人と自然の博物館に新たに地域の交流機能も持たせようとされたものであり、地域からの期待も大きい。

ただ、物理的な位置的にも地域の玄関口、敷地のもっとも道沿いに建設されたこともあり、これまで主として来館者をお迎えしていた円形のエントランスホールとの役割が重なってしまっていると感じる。

そこで、コレクショナリウムのオープンによってこの円形のエントランスホールの役割はどのように変化したのか。実績と所見を伺う。

あわせて、さらなる人と自然の博物館の活性化に向けて、この構造物および周囲のロケーションを活かし、エントランスホールを民間企業に貸出し、地域の人々をはじめ訪れた人々が憩えるカフェのようなものに改装することも検討してはどうかと考えるか所見を伺う。

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