黒田 一美議員が質問(予算審査・保健医療部)

質問日:令和6年3月6日(水)

質問者:黒田 一美 委員

1 兵庫県感染症予防計画に基づく対策について

兵庫県感染症予防計画については、平成13年3月の策定以降、平成15年のSARS(サーズ)、平成21年の新型インフルエンザ等を踏まえて改定をしてきました。今回の改定では、3年余りにわたる新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、新興感染症への備えとして、発生時の保健・医療提供体制の確保について数値目標の設定等を行い、一層の感染症対策の推進を図るものとなっております。

具体的な主な内容を見ますと、一つに、新興感染症に備え、発生から時系列で、病床数、宿泊施設居室数、発熱外来の実施機関数、PCR検査の実施可能な件数など、医療提供体制の数値目標を設定し、今後は改正感染症法に基づき、医療機関との「医療の確保等に関する協定」の締結を働きかけるとのことであります。また、二つには、新たな感染症に対応できる人材育成の推進や、感染症対策の中核機関である健康福祉事務所・保健所体制の確保等が挙げられております。

感染症については、地震などの自然災害とは違い、全国レベルでの災害に発展し、全ての県民の命や健康を脅かします。本計画は県民の命を守るための指針であり、これらの計画が実効性のあるものでなければいけません。

先般、パブリック・コメントも終了し、特段の反対意見等はなく、ほぼ計画案のまま進めると聞いているところですが、本計画に基づく対策の見通しについてお伺いします。

 

2 需要の高まる看護師の養成について

看護師については、在宅医療や訪問看護などの需要が高まっている中、これまでも人材確保の課題が問われております。コロナ禍においては、医療現場の逼迫による不安や混乱から離職率も増加し、資格を持っているが、結婚や出産を機に職を離れている潜在看護師の復帰も注目されたところですが、今後の新興感染症の発生に備え、看護師の養成は喫緊の課題となっております。

現在、兵庫県内においては毎年2,500人程度の看護師を養成しており、県内への就職率は約75%で、毎年1,800人程度が県内の病院や診療所などで職に就いている計算となります。しかしながら、来年2025年には、兵庫県内で看護師が約4,000人不足すると見込まれており、少子高齢化に伴うニーズの拡大や、以前のような感染症拡大といった事態となれば、対応に苦慮することが予想されます。

また、感染症に対応する認定看護師や、薬剤投与、呼吸器気道確保、人工呼吸療法など医師の行為の一部である特定行為を行う看護師の養成も重要です。

新興感染症などに備え、将来不足することが見込まれている看護師の養成をどのように考えているのか、ご所見を伺います。

 

3 健康福祉事務所(保健所)の体制整備について

コロナ禍においては、県内の各健康福祉事務所(保健所)が大きな役割を果たしました。県内で初めて感染者が確認されて以降、保健所では通常業務に加えて、疫学調査や検体搬送などの業務が急速に増加しました。想定を超える患者数が発生し、保健所においてはマンパワー不足に陥り、病院などと同様、逼迫した状態が続きました。

そのような中、現状の保健所体制では対応が困難とのことで、保健師以外の職員が疫学調査等の知識を学ぶため、1,000人規模の養成を行い、本庁を含めて、県民局・県民センターの職員が総出で応援に回りました。その後も、入手した情報のデータ入力などを行うため、保健所業務支援室を立ち上げたり、外部委託をするなどして、幾度となく訪れた危機を乗り切ったところです。

昨年5月の5類移行後については、保健所業務も一定落ち着いておりますが、自然災害と同様、いつ何か起こるか分かりません。先ほどの質問での「兵庫県感染症予防計画」にもあるとおり、今後の新興感染症に備える必要があります。

保健師の人数については、コロナ前の令和2年度の153名から30名以上増員し、現在は186名となっており、人員面での充実は図られておりますが、有事に備えるための平時からの計画的な体制整備も必要です。

そこで、新型コロナウイルス感染症などの経験を踏まえつつ、今後の新興感染症に万全の体制で臨むための保健所体制について、ご所見を伺います。

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